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鉱物の部屋へのいざない

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黄鉄鉱6

2015-08-24 15:15:19 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「黄鉄鉱6」です。黄鉄鉱の話題が続きます。

少し前の事となりましたが、輪島のYさんがご来店されました。その時に購入されたものも黄鉄鉱の結晶でした。その際にちょうど「多面体木工」の中川宏さんから届いたばかりの切頂8面体の模型があり、ちょうど同じような大きさだったので二つ並べて写真を撮りました。

今日の写真はそれです。



いかがでしょうか?もちろん黄鉄鉱の結晶の方は天然鉱物なので結晶模型のようにしっかりしたカタチになっていませんが、並べてみると、何となく似ているような気がします。面白いと思いました。

黄鉄鉱の結晶形態にも様々なバリエーションがあり、非常に面白いと思います。中でも規則正しい多面体的な形状とそれらの形態変化が特に魅力的だと思います。結晶の成長条件による形態変化には中間的な形態や複合的な形態もあり、様々な双晶などの要因も含めると、単純な組み合わせの割には複雑多岐な変化が生じ、その多様性が面白いのです。

そうそう、中川宏さんの「多面体木工」も「切稜」と「切頂」が基本で、その順序の組み合わせにより、多様性が生じるというところが何となく結晶成長に似ています。

結晶成長の方は原子の最密充填的なモルフォロジーを示し、多面体木工の方も連続的な形態変化を示します。そこには方向性が逆なような気もしますが、その外形の変化には共通性があるようです。そこにはどうも空間充填というキーワードで繋がっているようです。

微細な結晶構造と多面体木工が鉱物の外形サイズで一致する、面白い現象だと思いました。
コメント
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