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鉱物の部屋へのいざない

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黄鉄鉱遊び2

2015-04-20 14:45:46 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「黄鉄鉱遊び2」です。ひとつ前のブログの続きです。先日、「黄鉄鉱遊び」をしていて面白い発見をしました。

螺旋状に並べた黄鉄鉱の中の大きなもの二つは完全なキューブではなく、それぞれにはちぎれたような跡が付いておりました。その二つを見ていると何となく似ているような気がしました。ひとつは三角形に窪んだ跡があり、もうひとつには良く似た三角形の突起状のような跡が付いておりました。それらの跡は累帯構造というか、等高線のような雰囲気があります。その二つを見ていて、ハッとしました。もしかするとこの二つは元々は繋がっていたのかも知れない!



その二つの黄鉄鉱の三角形の部分を合わせてみました。すると案の定、二つはぴったりと合い、さらに繋がったまま立ちました。





その二つのキューブ状の黄鉄鉱は元々は繋がっていたのです。そのカタチは私好みのカタチで、私はこれまでにも多くの二つのキューブ状の繋がった黄鉄鉱を集めて来ました。今回の様々なサイズのキューブ状黄鉄鉱セットの中にもそのちぎれた二つが混じっていたようです。それらは別々にされる事無く、運良くというか、偶然にというか、サイズ違いのバリエーションの中の隣合わせとしてセットの中に組み込まれていたようです。面白いと思いました。

このセットはどのようにして選ばれてきたのでしょうか?恐らく、それらの何倍かの多くの単結晶の中から、それぞれがサイズ違いのセットとして組まれてきたように思います。そのような工程を想像するに、今回のように元々繋がっていたものが隣り合わせで並ぶ確率は相当低いように思えます。そのように考えると、この二つが並んでいる事は奇跡に近い現象のようにも思えて来ます。これは「石が石を呼ぶ」現象のひとつなのでしょうか?

二つのキューブ状の黄鉄鉱の繋がり方には規則性や法則性みたいなものは無いように思えます。実際、様々なパターンの組合せがあります。それらは偶然性に支配されているといえます。

このように二つの黄鉄鉱の繋がったものはこれまでに比較的たくさん探し出してきましたので、それほど珍しくは無いのですが、三つのキューブ状黄鉄鉱が繋がったものはまだ見た事がありません。さらにそれ以上の数のキューブ状黄鉄鉱の繋がったものは非常にレアなのだろうと思います。(「地球のしずくたち」というスミソニアン博物館の鉱物と宝石の本には六つのキューブ状黄鉄鉱が繋がって立っている写真が載っており、驚きました。)

キューブ状黄鉄鉱はそれひとつでも自然の不思議さを感じる事のできるカタチだと思いますが、それらが繋がっているものを見ると、不思議さを通り越して、芸術的な感動を呼び起こします。それらは現代アートの彫刻作品といっても良いくらいの、正しく自然の造った芸術作品といえるものだろうと思います。

今回はそのような自然が造った芸術作品がいったんは壊れてしまい、バラバラになったあと、また偶然にも、セットの一部として揃ったという偶然性の面白さがあったと思います。

このような現象に遭遇するとまたいっそう石好きが高じそうです。


コメント
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