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鉱物の部屋へのいざない

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パワーズオブテン

2012-10-23 12:01:09 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「パワーズオブテン」です。

昨日は「顕微鏡写真」でした。「顕微鏡写真」で思い出す映像作品があります。

それは「パワーズオブテン」という家具デザインで有名なチャールズ・イームズが1968年に作った映像作品です。その作品は有名なのでご存知の方も多いと思います。その作品は1m×1mの世界から10秒毎に10倍に拡大ズームしてゆき、最終的には宇宙の果てにまで拡大してゆき、それからはズームバックして、今度はミクロの世界へとゆっくりとズームアップしてゆき、素粒子の次元まで拡大してゆくという映像作品です。

この映像を初めて見た時は衝撃的でした。天体写真と顕微鏡写真を映像技術で動画化しているのですが、その映像技術もさることながら、10のべき乗という数学的な要素で、このマクロ的な宇宙とミクロ的な世界を見事に表現した事そのものに感動しました。

それは44年前の映像作品です。現在でもその世界観は色褪せていません。

私が初めてその作品を見たのは大学生時代で、東京のイメージフォーラムという映画館でした。それはその後レーザー・ディスクにもなりましたので迷わず購入しました。その後、CD-ROMやDVDにもなり、今ではYouTubeでいつでも簡単に見れてしまいます。

「パワーズオブテン」は名作です。それは作品のコンセプトが良い事と、もう一つ映像の流れる時間が心地よいのだと思います。10秒で10倍のズームバックと10分の1のズームイン、途切れない映像は見ていて心地が良いのです。映像的な名作といわれる作品に共通して言える事のひとつは動画ならではの時間の感覚だと思います。流れていく風景や移動撮影に見られる連続して変化していく映像は気持ちが良いものです。たとえ静止した画面でも滝や渓谷の水の流れ等も見ていて飽きません。いい感じの動きや流れる映像は見ていて心地よいのです。

そういえば、映像的なズームで驚くべき物語が出来ている映像作品があります。それは「3秒」(マルク=アントワーヌ・マチュー)です。この作品は書籍を購入してIDとパスワードを入力してWeb上で見る事のできる映像作品です。その作品はセリフのないズーム映像が主役のアニメ作品です。「ブレードランナー」に出てくるような写真の拡大や移動を多用してひとつの物語ができています。その驚異的なズーム映像には初めてみるような視覚体験ができると思います。

いつかこの作品のような手法で鉱物世界を表現してくれるような映像作品を見てみたい気がしております。

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