生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信749 ・「検察は生き延びたぞ!」――検察改革に無力の菅政権

2010-12-25 07:17:56 | 日記
おはようございます。菅政権は、名護市への交付金17億円を支給しないと決め、沖縄差別、沖縄いじめをさらに強めることにしました。工事を進めていた名護市小中学校の体育館整備や道路建設の継続が難しくなります。辺野古への基地移設に反対する地元自治体に対して、菅政権は露骨な見せしめに出ました。菅政権は、反国民的な政権に変質したといえます。
生き生き箕面通信749(101225)をお届けします。

・「検察は生き延びたぞ!」――検察改革に無力の菅政権

 菅政権は、引責辞任する最高検の大林宏検事総長の後任として、東京高検の笠間治雄検事長を決め、身内からの”順当な”昇格を認めました。今回は、証拠改ざんなど検察取り調べの手法が反社会化してきた実態にメスを入れ百年以上続いた検察王国を改革する千載一遇のチャンスでした。しかし、いままであくどいことを一緒にやってきた、あるいはそれをリードしてきた人間を身内から昇格させるようでは、菅政権は検察改革の使命を放棄したも同然です。この不作為の罪は、歴史的には万死に値するほど重いものです。

 笠間氏は、東京高検次席検事のときに「日歯連闇献金事件」を担当しました。1億円の小切手を受け取った現場に居たのは当時の橋本龍太郎首相と青木幹雄参院自民党幹事長でしたが、この二人は起訴猶予としました。それでは恰好がつきませんでしたので、まったく関係のない村岡兼造官房長官を在宅起訴にしたのです。村岡さんは最高裁まで争いましたが、時の政権の意向お忖度した最高裁は有罪を確定するという法治国家では考えられない”決着”となりました。この「冤罪」をでっちあげたのが、笠間氏です。

 今回、検事総長の後任には民間を含め幅広い分野から最適者を選ぶべきという意見が強まりました。それに対して、検察は必死の抵抗で検察王国の存続に成功し、従来の検察がこれからも大手を振ってまかり通る社会を続かせることにしました。改革のシンボルと位置付けられた「取り調べの全面可視化」は絶望的になりました。結論はおそらく「一部可視化」で逃げ切るのでしょうが、「一部可視化」は取り調べの暴走を隠すことができる検察に有利なシステムです。可視化という言葉が使われていても、その意義は正反対です。

 検事総長の後任人事に対する批判封じのために、最高検は同じ日に郵便不正事件の検証報告書をぶつけました。案の定、本日の朝日新聞の一面トップは、この検証報告書のニュースでした。検事総長人事は、4面で法務省人事としてあっさりと片付けられました。検察庁としては狙い通りで、これも作戦勝ちでした。しかもこの日は、来年度予算案の閣議決定の日。どんなにしても新聞が検事総長人事批判にスペースを割くことはできない日でした。検察はそういう日を選んでコソコソと自分たちの路線を既成事実化したのです。「正々堂々」が売りのはずの組織が、なんとも姑息なことです。

 朝日や読売、毎日新聞、そしてNHKなどのテレビ放送局も、検察改革には本来のジャーナリズムの使命を果たすべく努力をしてもらいたいと望みます。しかし、「新聞やテレビにモノ申す」読者や視聴者の声が大きくならなければ、結局、官の力がまかり通る社会を変えることはできないですよね。