生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信747 ・ナベツネ氏がゆがめる日本のジャーナリズム

2010-12-23 06:53:59 | 日記
おはようございます。冬至を過ぎて「一陽来福」といいたいところですが、日本に暖かい春は巡ってくるのでしょうか。
生き生き箕面通信747(101223)をお届けします。

・ナベツネ氏がゆがめる日本のジャーナリズム

 「ナベツネさんや氏家さんが、赤坂や新橋の高級料亭で豪遊した後、玉代や飲み代の請求書を官房長官秘書官につけ回ししていたというんです。事実であれば官房機密費で飲み食いしていたことになるわけです」と、日本テレビ元政治部長の菱山郁朗氏。

 菱山氏は日本テレビの政治部記者として活躍、政治部長を務めたあと、現在は駒沢大学マス・コミュニケーション研究所で非常勤講師を務めています。その研究所の年報(今年9月刊)に、「メディア権力の研究」という論文を掲載し、渡辺恒雄氏と日本テレビ会長の氏家斉一郎氏に焦点を合わせて批判をしています。

 その菱山氏に今回はジャーナリストの上杉隆氏がインタビューした内容が今週号の週刊ポスト(新春特大号)に掲載されています。見出しは「渡辺恒雄氏への『引退勧告』」としており、特筆に値すると思うのは、「再び『大連立』を仕掛けるナベツネ氏こそ日本をダメにする『記者クラブ』の悪の本尊だ」と、はじめて名指しで明らかにしたことです。

 そもそもナベツネ氏は読売新聞の政治記者としてどのようなことをしてきたのか、についても、冒頭で触れています。まず駆け出し時代に、鳩山由紀夫前首相の祖父、一郎氏が脳出血で倒れたところに居合わせたことから、鳩山邸に出入りするようになった。ナベツネ氏は、由紀夫・邦夫兄弟の「お馬さん」になって遊ぶほどの関係をつくり、いまでも自分の子どものようなつもりで「由紀夫」「邦夫」と呼び捨てにするし、鳩山家の会合では常に主賓扱いである、としています。

 菱山氏は「政治記者として自民党の当時の大物・大野伴睦氏に食い込んだナベツネ氏は、大野派の閣僚名簿まで全部仕切るようになった。1960年の安保闘争で樺美智子さんがなくなった夜、岸内閣が出した政府声明は、ナベツネさんが自ら書いたんです」

 「ナベツネさんはホテルオークラの山里という料亭に政治家を呼んで、仲間の政治評論家らと話をする『山里会』を開いていますが、朝日新聞や毎日新聞のベテラン編集員まで顔を出している。要するに朝日も毎日もナベツネさんの手の内に組み込まれているわけです」

 こうした内々のグループでの「空気」が、日本のジャーナリズムの方向性に極めて大きな影響を与えてきました。官邸の官房機密費が配られていることを自らも受け取って知っている官邸記者クラブの現役政治記者は、ナベツネ氏や氏家氏を批判できません。

事実、読売新聞と日本テレビは、官房機密費が問題になったときも、社内検証委員会のようなものを立ち上げてみずから検証する作業をいまになってもしていませんし、できませんでした。ナベツネ氏や氏家氏の”御大”の官房機密費汚染を暴くことはそもそもできなかいというわけです。

 氏家氏とナベツネ氏は東大の緑会(当時の共産党細胞)時代からの古い盟友関係にあり、その後転向した二人は、読売新聞ではナベツネ氏が政治部、氏家氏は経済部の部長などを歴任し高い地位に就く過程で読売新聞を乗っ取っていったようなものでした。氏家氏は日本テレビに出て、そこも乗っ取った。二人で読売・日本テレビ・グループを支配し、二人がコンビで三人分、四人分の力を発揮する。いまはその体制が完成した期間なのです。

 菱山氏は「金まみれの派閥に食い込んでごちそうになり、情報を取って影響力を行使してきた。ナベツネさんにも、氏家さんにも恩義があるし、優秀なジャーナリストだったことも認めます。だからこんなことはいいたくありませんが、いまの二人はジャーナリスト失格。一日も早く後進に道を譲って引退すべきです」と結論付けています。

 菱山氏が明らかにした機密費問題などについて、上杉氏が渡辺氏に質問したところ、「そんな事実はない」と否定してきたそうです。氏家氏も「ご指摘のような事実はありません」と答えてきたそうです。

 くさい問題にふたをするナベツネ態勢が確立してしまったため、現役記者は手も足も出せません。結局、お二人は日本のジャーナリズムの健全な発展を大きく阻害する元凶という結果になっているのです。 ジャーナリズムの機能不全を通じて、日本丸漂流の遠因ともなっています。