生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信485 ・”素晴らしい”日本の警察

2010-03-31 06:48:27 | 日記
お早うございます。わが家の小さな庭につくしが顔を出しました。
生き生き箕面通信485(100331)をお届けします。

・”素晴らしい”日本の警察
 日本の警察がこんなにも”素晴らしい”とは、と改めて脱帽です。昨日3月30日、警視庁の青木五郎という”優秀な”公安部長さんが記者会見を開き、国松孝次警察庁長官銃撃事件の公訴時効について「オウム真理教のグループが組織的に敢行したテロだった」と断定しました。

 この記者会見を昨日の夕刊で報じた読売新聞は、元最高検検事で現在は筑波大名誉教授(刑事法)の土本武司氏から、「警察には捜査権はあるが、犯罪を裁く権利はない。時効が完成した事件で、充分な証拠がないのに捜査報告書を公表したり、『組織的、計画的テロ』と言ったりしても公益にかなうとは思えない」というにコメントを得て掲載しました。

 今朝の朝日は社説で取り上げ「警察は犯罪を捜査する機関であって、裁判所ではない。だれに対してであろうと、弁護や反論の機会も与えずに一方的に有罪を言い渡すことはできない」と批判。さらに「『捜査はここまで肉薄したんだ』と発表することで、なんとか対面を保とうとした。そんな身勝手な組織の論理が働いたと疑われても、仕方あるまい」と断じました。

 この会見について中井洽国家公安委員長は記者会見で「悔しさもにじみ出ていると思う」と述べました。なんたる”素晴らしい”見識!さすがホステスさんと「路上チュー」を週刊誌で知られてしまった警察のトップだけのことはあると思われませんでしょうか。

 オウム真理教を弁護するつもりはさらさらありません。刑事事件の根幹について考えているのです。

 憲法31条は「何人も法律の定める手続きによらなければ、その生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰は科せられない」と規定しています。近代刑事法の基本原則は「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」と、「推定無罪」の原則を確立しました。裁判では「疑わしきは罰せず」です。

 日本ではこの原則は、警察あるいは検察によって、さらに”進化”させられつつあります。

 さきに小沢幹事長の「不起訴」は、「限りなくクロに近い」として今も”人民裁判”が続き、読売や朝日もこれに加わって、「推定無罪」などどこ吹く風です。日本では、風や空気によって事が決せられます。太平洋戦争に突入した時も「当時の空気ではとても戦争に反対することはできなかった」という言い訳ですべて済ませられました。

 小泉旋風となればドドッと小泉チルドレンが生まれ、政権交代風が吹けばドドッと別のチルドレンが生まれる政治風土、あるいは国民性でしょうか。公安部長さんをはじめとする警視庁幹部は「推定無罪を吹き飛ばす”進化”の風」のなかにいるだけで、何も批判される筋合いはないということなのでしょう。日本は素晴らしい国へと”進化”しつつあり、ご同慶のいたりです。








生き生き箕面通信484 ・立花隆と東大教授との「小沢一郎は害悪である」という低劣な対談

2010-03-30 07:02:53 | 日記
お早うございます。きのうはちょっとした吹雪でした。今日の気温は例年より低めながら日中は陽射しのぬくもりが感じられるそうです。
生き生き箕面通信484(100330)をお届けします。

・立花隆と東大教授との「小沢一郎は害悪である」という低劣な対談
 「ソ連共産党と化した民主党政権。この国はいま危ういところにいる」「われらが政権交代に泥を塗った男」というおどろおどろしい見出しにつられて、週刊現代(4月10日号)のぶち抜き大特集とかを読んでみました。

 「いま我々が知っておくべきことを、二人の『知性』は縦横に語り尽くした」との前口上です。二人の知性とは、ご存知立花隆と、政府の審議会委員をいくつも兼ねている山内昌之東大大学院教授。

 山内教授いわく「民主党の幹事長室はまさに機関決定主義ではないか。旧社会党の党本部中心主義や、ソ連共産党の民主集中制に近いような気がする」と。

 立花氏いわく「民主党の場合は1、2年生が奴隷となり、上級生の命令に絶対服従で仕える運動部応援団体質ですね。その絶対服従体質を利用して、小沢は絶対権力を築いていった」と。

 お二人はたしかに日本を代表する「知性」とみなされています。そのお二人の力のこもった対談ですし、鋭い指摘のはずですから、この際ありがたく拝聴しなければならないのだろうと思います。

 二人の指摘の通り、民主党にはもともと「学級会体質」があり、わいわいがやがややってきました。しかし、野党時代ならまだしも、待ったなしの責任を引き受ける政権党となれば、「学級会体質」ではやっていけません。

 世界は、地球規模の大きな課題に直面し、アメリカ、中国、EU諸国、あるいはインド、ブラジルなど新興国とも「大競争の時代」に突入しています。日本が生き延びるには、しっかりと時代を見据えた政治の舵取りが欠かせません。

 その舵取りは、どのような方向へ、どのような体制で進むべきか、現実的に何が可能なのか。お二人には、ぜひそこを明らかに指摘していただきたかったのですが、それはありませんでした。いたずらに落第のレッテルを貼る、やじうま評論の域に堕して得意になっているかのようです。

 例えば、槍玉にあげられた「民主集中制」にしても何が悪いのでしょうか。アメリカの大統領制にしても「民主集中制」であり、政治を行うにはどの体制にしろ多かれ少なかれ「民主集中制」は不可欠とご存知でいながら、社会主義のにおいがするから頭から「それはいかん」というような論の立て方のように見受けられます。

 いま「知性」がなすべきは、「この国の形」について、21世紀の地球に適応する姿を形成していくための素材提供のはずです。政治に対する「知性」のあり方がいま問われているとも言えます。しかし、今回のお二人がなさった対談のレベルは、胸を張れるレベルに達しているのでしょうか。







生き生き箕面通信483 ・「独立」の覇気なくして必然の「漂流国家」へ

2010-03-29 06:45:55 | 日記
お早うございます。今日は日中も「冬の気温」だそうです。せっかく咲いたサクラがかわいそう。
生き生き箕面通信483(100329)をお届けします。

・「独立」の覇気なくして必然の「漂流国家」へ
 政治主導を掲げ続ける鳩山政権ですが、政治主導でいま何をやろうとしているのでしょうか。総選挙時に有権者に公約した政権公約(マニフェスト)の中身はすでにボロボロです。

 郵政民営化の見直しでいたずらに郵貯を肥大化させようとする亀井金融担当相の”暴走”、そして普天間基地問題の迷走。「民主党、約束が違うじゃないか」という声が沸き起こっています。なぜ、こんな事態になったのか。

 根本的な原因は、この国を「独立」した国として舵取りしていく覇気が極めて弱くなったことにあるのではないでしょうか。つまり、「アメリカに守ってもらう」という他国依存症です。甘えです。

 「独立国」を厳しい国際環境のなかで舵取りしていくには、近隣の諸国はもちろん、世界の動きについて極めて鋭敏な洞察力を磨き、その上に立った運営をする必要があります。しかし、アメリカに守ってもらう依存症に侵されたこの国は、「あいつは郵貯の限度額の数字を言わなかった」「いやワシは言った」などの低次元なやり取りをまたさらけだしました。

 こんな時こそチャンスのはずの自民党は、”新党ごっこ”にうつつを抜かし、与謝野馨、升添要一、鳩山邦夫氏らがやっさもっさ。

 そうこうするうちにも借金だけは膨らみ続け、間もなく破綻します。もちろん、夕張どころの規模ではありません。

 独立国として、自分のことは自分でやると決意しなおしましょう。他国の軍隊にいたずらに依存するなどというみっともないことはやめましょう。他国の軍隊にはいったんお引き取りいただくことにしようではありませんか。米軍基地は全て撤去する交渉をはじめましょう。

 日本の歴史で他国の軍隊が駐留することはかつてありませんでした。幕末、植民地帝国主義が吹き荒れたときも、独立を保つことに懸命に努力しました。アメリカ軍の駐留は太平洋戦争でアメリカに占領されて以来、わずか65年間のことにすぎません。

 かつて同盟関係がうまくいったという日英同盟時代もイギリス軍が日本に駐留したわけではありません。日本人は、いつからアメリカ軍が駐留するのが当たり前という頭になってしまったのでしょう。そしてそれをいつまで続けるつもりなのでしょうか。「漂流国家」が繁栄できるはずがありません。
 








生き生き箕面通信482 ・ハイチを今も「奴隷の国」にしているのは誰ですか

2010-03-28 07:25:31 | 日記
お早うございます。コウノトリのヒナが2羽ふ化したことが、兵庫県豊岡市のコウノトリの郷公園で確認されたそうです(28日付け読売朝刊)
生き生き箕面通信482(100328)をお届けします。

・ハイチを今も「奴隷の国」にしているのは誰ですか
 今年1月に大地震に襲われ、23万人以上の生命が奪われたハイチ。そのハイチに対する支援が続くなか、アメリカのやり方をめぐって世界中が懸念を示している、とカナダのストリートマガジン「メガフォン」が伝えています。「メガフォン」の記事を、最新の日本のストリート誌「ザ・ビッグイシュー」(10.3.15号)が転載していました。

 ハイチはもともと誇り高い黒人の国でした。200年ほど前の1804年、黒人反乱軍が宗主国のフランス軍を破って世界で初めての黒人共和国として独立を果たしました。しかし、アメリカはそれを許すことができず、他の欧州諸国と語らって通商を停止。その後、アメリカは”平和再建”を口実に1915年にハイチを占領し、黒人を安い労働力源としてアメリカ企業のために奉仕させてきました。

 20~30年前には、ハイチに圧力をかけてコメに対する関税を解除させ、米国内で多額の助成金を受けて栽培されたコメを大量に輸出、ハイチの農家は破産に追い込まれました。完全に輸入作物に依存せざるを得ない国にさせられ、今日のこの国の貧困を恒久化する根本原因を作ったのです。

 いまは人口の4分の3が1日2ドル以下で生活せざるを得ない貧困国におとしめられています。ハイチはその歴史において、誇り高い独立国として自立できることを一度ならず証明しましたが、アメリカが介入する政府を作られたりで、国民は虐げられています。

 以前にもこの通信で触れましたが、ハイチはキューバに隣接しており、アメリカにとっては目の上のこぶにあたるキューバをけん制する戦略上の意味からも抑えておきたい国です。今回の大地震は、救援を名目に軍隊を派遣する絶好の口実となり、いまも大量の軍隊が駐留して事実上、占領状態にあります。見かけは「自由」がありますが、実態は「奴隷」の国なのです。アメリカはオバマさんのもとでそういうことをする国でもあります。

 日本でも有事には、アメリカ軍が日本の自衛隊を使って前線で戦わせる戦略です。日米安保50年の今年は、安保条約を根本から見直す好機ですが、朝日も読売もそうした観点は意識的に触れないようにしています。

 



生き生き箕面通信481 ・米国とロシアが新核軍縮条約に合意―日本の核政策は?

2010-03-27 07:37:15 | 日記
お早うございます。明治の元勲とされる伊藤博文(初代韓国統監)を暗殺した安重根は韓国では独立の「義士」ですが、昨日、中国大連市の旧旅順監獄で処刑100年の追悼式が韓国からの代表団によって行われました。日本では忘れ去られたかの存在が、韓国では今も熱い独立の英雄です。
生き生き箕面通信481(100327)をお届けします。

・米国とロシアが新核軍縮条約に合意―日本の核政策は?
 あと2週間足らずの4月8日には、アメリカのオバマさんとロシアのメドベージェフさんがチェコのプラハで新核軍縮条約に署名すると発表されました。続く12日からはワシントンで核保安サミットが、5月にはニューヨークで5年に一度の核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれます。

 米ロの首脳は、「やっかいな核」「されど核」の減少に、相手の出方をうかがいながら、恐る恐る踏み出す動きです。しかし、とくに米国では議会の承認が取れるか、極めて微妙な状況です。上院で三分の二の同意が必要ですが、どうなりますか。議会の承認を得て批准しなければ、条約は発効しません。

 ところで、日本では先日、核密約文書が公表され、「有事の際は核搭載艦の寄港を認める」文書があったことが明らかにされました。

 で、一体どうなったのでしょう。今も密約は有効なわけですね。岡田外相は「アメリカの”核の傘”に守られている」としているのですから。その一方で「非核3原則は堅持する」とも言明しています。これは、どういうことを意味するのでしょうか。

 「持ち込ませない」のだから、有事の場合であっても、アメリカの核搭載艦は日本の領海内には寄せ付けない。つまり、領海外からにらみを利かせてほしい、必要があれば領海外から核兵器使用も考えてほしい、ということでしょうか。

 岡田外相の説明は、明らかな矛盾を承知のうえで、いけしゃあしゃあと答弁していることになります。アメリカの”核の傘”に依存するなら、非核3原則は明らかに破綻し、少なくとも2.5原則に変質しているのです。朝日も読売も、その点をきちんと報道しなければ、何のためのマスメディアかといわれても仕方がないのではないでしょうか。

 民主党政権は、「率直さ」「政治の分かり易さ」がウリだったはずでしたが、政権の座につくと自民党とほとんど変わらない状況が見られます。ヨチヨチ歩きだから少なくとも1年は辛抱強く見守りたいものですが、「率直さ」を曲げることは許されません。

 日本は、憲法9条、非核3原則のもと、オバマさんの重要課題「核のない世界」実現に強力な協力者役を果たすことを表明すべきではないでしょうか。鳩山政権の安全保障戦略と世界の平和確立に向けて明確な動きがみられないことには、もどかしさが募ります。