生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2107 ・またまた逃げた安倍氏の所信表明演説

2014-09-30 08:31:30 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2107(140930)をお届けします。

・またまた逃げた安倍氏の所信表明演説

 「可能性を信じて前に進もうではありませんか。輝ける未来を目指して共に立ち向かおうではありませんか」と、カッコよく呼びかけてみせた安倍晋三氏の所信表明演説。肝心の中身はいうと、耳触りのいい言葉は聞こえてくるものの、では具体的に何をするのですかとなると、ほとんど何もありませんでした。

 昨日9月29日の演説で目玉として掲げて見せたのは、「地方創成」なる地方重視策と、「輝ける女性が活躍する社会」でした。

 その地方創成では、「根室のサンマ」や、隠岐の海に浮かぶ海士(あま)町(島根県)の「島のさざえカレー」、各地の地ビールなどを挙げて、若者に希望が持てる地域づくりを強調しました。が、では地方に「一括交付金」など地方が独自にさまざまな試みができる権限と財源を渡すかという最大のポイントは逃げて触れずじまい。

 仮に触れるつもりがあったとしても、事前の所信表明演説に対する各省プレビューで、財務省から「ダメ」と拒否され、手の足も出なかったでしょう。

 「輝く女性」でも、子育て支援策はちっぽけな対策がちょろりとあるだけ。事実は、安倍政権下で貧困女性、貧困子どもが増加しており、若い女性から結婚の機会すら奪っています。

 目玉政策ですらこんな状態だから、国民にとって待ったなしの課題も、演説からすっぽり抜け落ちさせて逃げていました。つまり、得意の”ドロンの術”を使ったわけです。

 通常国会で会期切れ寸前に大急ぎに急がせて会期内の閣議決定に持ち込もうとした「集団的自衛権」(国会終了後に閣議決定した)についても、急ぐなら関連法案をこの臨時国会に提出すべきところですが、完全にスルーです。何も急ぐ必要などなかった証左です。

 しかし、政府が逃げ腰でも、国会ではきちんと論議してもらわなければなりませんよね。

 今年末の12月からいよいよ実行に移される天下の悪法、特定秘密保護法についても、完全にパスして逃げてしまいました。国民から知る権利を奪うこの悪法は、できるだけ静かにスタートさせ、実績を積み上げようとするこそくな考えであることが明白です。

 最も力を入れて世界各地を巡って歩き、「一生懸命やってるよ」と宣伝しきりの「地球儀俯瞰外交」なるものについても、最大の課題の一つ、中国との関係改善策は何もなし。「対話を通じて『戦略的互恵関係』を更に発展させていきたいと考えます」と、”考え”を述べただけ。

 安倍氏の得意技は、耳触りのいい、誰も反対できないような「考え」や「理念」を述べる一方、やることは自分が述べた考えとは関係なく真逆のことでもあくどくやってのける、「言行不一致の技」、つまり「人格異常技」といえます。

 消費税のさらなる増税についてもまったく”ドロンの技”で、言及なしです。この臨時国会中に発表される7-9月期のGDP速報値は避けて、会期終了後に確定する改定値で判断するとして、国会に判断を提出することを逃げました。

 そのうち政府に都合の悪い数値は「特定秘密」に指定して、国民には知らせないで済む態勢にしそうです。そうすると、「逃げたことも分からないようにする」というか、言論の自由のない、中国や北朝鮮と同じ状態になってしまいます。

 私たちは、そんな社会を、次の世代に引き継ぐことになりかねません。

 


2106 ・「老人漂流社会」でも安倍政権の無策を隠すNHK

2014-09-29 07:59:32 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2106(140929)をお届けします。

・「老人漂流社会」でも安倍政権の無策を隠すNHK

 「老後破産の現実」を取りあげた昨日9月28日放映のNHKスペシャルは、日本の高齢社会の悲惨な側面を映し出すものでした。タイトルの「老人漂流社会」が示す通り、高齢者は住むところも不自由な漂う状況です。

 敬老の日を前にした厚労省の調査では、100歳以上が5万4千人強と世界一の高齢社会を象徴する結果でした。長生きできることは、喜ばしいことに違いありません。

 しかし、高齢化率は高まる一方で、憲法が保障する「文化的な最低限度の生活」、つまり”人としての尊厳”を保ちつつ老後を過ごすことができない現実が浮き彫りにされました。

 取りあげられたお年寄りは独り暮らしで身の回りはもちろん、食べるモノにも不自由する暮らし。そうした人が多いことを伝えていました。そうした人たちは、「早く死にたいな」「不安をなくすためには、死ぬ方がいいと思う」とつぶやいていました。

 「では、どうすればいいのか」となるはずですが、そこを掘り下げることはありませんでした。

 政府というものは、国民の安全な生活を守ることが第一義的な使命のはずです。ジャーナリズムも、そうした第一義的な使命を政府がきちんと果たしているか、監視し、識者の知恵を提供するのが役割のはずです。

 ところが、昨日のNスペは、政府に都合の悪い高齢者対策の欠陥についてはついぞ触れることはありませんでした。政府の無策、安倍政権の欠陥をつくことは見事に避けて通り過ぎました。

 一人暮らしの高齢者は、アパートを借りたくても、「孤立死されてはかなわない」と、断られる場合がふえているそうです。住むところがないのです。

 このままなら、首都東京でも、ガード下などにブルーテントならぬ「段ボールムラ」がぞくぞくと出現する事態も想定されます。すると、行政側は、舛添東京都知事なども、オリンピックをひかえて強制的に排除することにするでしょう。

 代々木公園などにブルーテント村ができると、デング熱騒ぎを起こして立入禁止にするのでしょうか。

 貧困の高齢者は、医療機関からも排除されつつあります。医療費が払えないために、病をかかえてひとり苦しむ姿が増えているそうです。

 これは、昨日、今日出てきた問題ではなく、ずっと以前から問題が指摘されてきました。歴代内閣もさまざまなことを検討はしてきました。しかし、安倍政権は、高齢者には冷たい。

 籾井勝人という代理人を送り込まれたNHKは、そうした安倍政権の無策には触れない編集でした。政権をまともに批判できない状況が強まっています。日本の情報空間の自由度は、世界ランクでも下がる一方です。

 


2105 ・日本にもいよいよ「カジノ」上陸か――明日から臨時国会

2014-09-28 09:10:41 | 政治

 お早うございます。
生き生き箕面通信2105(140928)をお届けします。

・日本にもいよいよ「カジノ」上陸か――明日から臨時国会

 臨時国会は明日9月29日に開会し、11月30日まで63日間の会期で行われる段取りです。1強多弱の国会ながら、国民の生活に大きな影響がある問題が山積みだけに、意味のある国会にさせなければならないところです。

 安倍政権が宣伝する焦点は、「地方創成」と「女性の活躍」です。どちらも、来春の統一地方選対策の色合いが濃い。

 「地方創成」の名目で、来春の統一地方選へ向けさまざまな利益誘導の政策を打ち出してくることが想定されます。

 「女性対策」も、統一地方選対策の目玉に位置づけています。「女性活躍法案」を成立させ、女性票を取りこむ算段です。

 もちろん、東京一極集中を改め、地方を元気づける政策が欠かせないことは、どなたも異存はないでしょう。女性が活躍する時代に対応する施策も、遅きに失した課題です。

 それはそうですが、安倍政権がやる場合はいかにも利益誘導が見え見えです。たとえば、地方創成にしても、地方にまたぞろタヌキさま専用の道路をつくるなどです。

 そうした予算として、消費税の増税分を回す。本来の社会福祉政策に不陸ける約束は、なしくずしです。

 そして、次の消費税増税のタイミングをはかっています。ただし、「ゴーサイン」を出す判断は、国会論議を避け、臨時国会終了後に先送りする考えです。本来なら国民の生活に大きな影響をもたらすだけに、正々堂々と論議すべきですが、避け倒し逃げ倒す方針です。

 しかし、大きな利権が見込める「カジノ法案」は成立させようと、周到な根回しに準備おさおさ怠りなし。安倍政権はカジノを成長戦略の柱に位置付けています。

 カジノに対する反対派の意見も強いだけに、法案の名称は「IR法案」とし、「カジノ解禁法案」の名称は隠し倒す作戦です。

 ところで、臨時国会とはいえ、本当は待ったなしと言えるほどの切迫性を持っている周辺国との関係改善、「日中」「日韓」との首脳会談は、相変わらず「私の扉は常にオープン」と繰り返すばかり。「バカの一つ覚え」とやゆされても仕方ない、”脳なし”(能なし)外交ぶりを続けています。

 次の総選挙は任期いっぱいなら2年先、2016年の冬のはずです。ところが、野党がこう弱体化している今なら、総選挙をやれば「楽勝」が見込める。

 2年先では、消費税増税問題、あるいは景気そのものがデフレへ逆戻りの恐れさえなきにしもあらず。そうなる前に来年に繰り上げ総選挙を実施する方が得策という判断も成り立ちます。

 振り返ってわたしたち草の根の方は、どうでしょう。その総選挙への心構えは充分でしょうか。安倍政権のほうが周到に政治をし切っているのではないでしょうか。

 負けるな「草の根」、急げ「草の根」、やればできる「安倍政権打倒」。あきらめれば、安倍政権の暴走をさらに野放しにするだけです。

 


2104 ・本物の経済学者、宇沢弘文さんが亡くなった

2014-09-27 08:26:14 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2104(140927)をお届けします。

・本物の経済学者、宇沢弘文さんが亡くなった

 シカゴ大で同僚ながら、市場原理主義の元凶、ミルトン・フリードマンを「危険な経済学者、アメリカの経済学をゆがめた。市場原理主義を真に受けて起きたのが2008年のリーマン危機である」と、こっぴどく批判した宇沢弘文さん。白ひげがトレードマークの宇沢さんが、86歳で亡くなりました。

 ノーベル経済学者のジョセフ・ステグリッツを始め、国内外で有力な経済学者を育て、自らもノーベル経済学賞に最も近いと毎年、候補に挙げられていました。

 単なる経済学の分野を超えて幅広くとらえ、とくに環境問題を重視、リュックひとつで調査に出かけるなど実地を大事にする姿勢を貫きました。

 環境問題を経済学のなかに取り込みなんとか解決できないかと格闘する姿は、真のジャーナリストを超えた姿に見えました。

 日経新聞は、訃報を知らせる記事の中で、「学校、病院といった社会的インフラから自然環境までを包含する『社会的共通資本』という概念の重要性を提唱。そして、地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素(CO2)の排出1トン当たりの税率を、1人当たり国民所得に比例させる『比例的炭素税』の導入などを提言した」と、追悼しました。

 別の追悼記事でも、「自動車がもたらすマイナスをはじめ公害などの社会的費用を考慮した『公共経済学』の分野を切り開き、それは発展途上国の支援策を検討する際にも幅広く応用され、新興国の台頭を陰で支えた」と、惜しんでいます。

 東大理学部数学科を出て、36歳でシカゴ大の教授に就任。大酒のみでもあったそうです。

 ここでとんでもなく親ばかちゃんりんをさらけますと、私ごとながら息子が同じように東大理学部数学科のあと、フランスのエコール・ポリテクニクを経て、シカゴ大で経済学を学び、いままたエコール・ポリテクニクで経済学を教えています。ヤフーなどで「郡山幸雄」を検索してみてください。はずかしい。

 今日は、「花子とアン」が終わりました。ごきげんよう、さようなら。

 


2103 ・「平和な国をつくらねばならないのです」と、心からの叫び――「花子とアン」より

2014-09-26 07:46:54 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2103(140926)をお届けします。

・「平和な国をつくらねばならないのです」と、心からの叫び――「花子とアン」より

 最終週に入った「花子とアン」で、息子の純平を亡くした母親蓮子が心の底から思いを吐き出しました。

 「子を喪うことは心臓をもぎとられるより辛いことだと、私は身をもって知らされました」

 「もしも女ばかりに政治を任されたならば、戦争は決してしないでしょう」

 「もう二度と最愛の子を奪われてはならないのです」

 「平和な国をつくらねばならないのです。私は、いのちの続く限り、平和を訴えてまいります」

 事実、蓮子のモデルとなった柳原白蓮(歌人)は、敗戦の翌年1946年(昭和21年)5月にNHKラジオで子どもの死の悲しみと平和を訴える気持ちを語ったことをきっかけに、「悲母の会」を結成し、熱心な平和運動家として全国を行脚した、そうです。

 安倍政権が、日本を戦争ができる国にしようと憲法の改悪を図り、それが国民の抵抗でダメだとみると解釈改憲で集団的自衛権を閣議決定する、さらには秘密保護法を成立させて国民にできるだけ知らせないでことを運ぶことを合法化する、つまり隠蔽を堂々と行えるようにする、そんな品のない国柄に急ピッチで変えつつあります。

 好戦的と言わざるを得ない安倍政権は、国民を洗脳する機関としてNHKの活用を考え、会長をはじめとする首脳人事を大幅に改めました。ほぼ乗っ取りに成功しました。

 そんなNHKで、朝のドラマとはいえ、「花子とアン」の中で徹底平和を主張させたのは、まことに「アッパレ!」。HKの中で、良心的なディレクターたちが懸命に抵抗している姿を見た思いでした。 

 もうひとつ、NHKです。昨日のクロ現ことクローズアップ現代で、「子供の貧困――食費329円の現実」が放映されました。これは問題提起としては、「グー!」でしたが、内容的には「カツ(喝)!」でした。

 何が「喝!」だったか。政府の「子供・子育て支援政策」のお粗末さが、見事にスルーされていたからです。

 政府は先月8月29日に「子供貧困対策大綱」を閣議決定しましたが、これは「政府は子供対策に力を入れていますよ」というポーズを宣伝するための形だけのものでした。

 この閣議決定内容に対し、東京新聞は社説で、「あまりの中身のなさにがくぜんとする。当事者らが強く求めていた施策の多くが盛り込まれなかった。せめて貧困率削減の数値目標ぐらいは示せ」と、罵倒したくらいです。

 求められた施策は、「経済的に苦しい家庭の子どもに給食費や学用品代を補助する『就学援助』の充実」です。しかし、国が支給基準を下げたため、自治体も連動して引き下げるという本来あるべき姿に逆行した政策になりました。

 クロ現の担当者たちは国谷裕子キャスターをはじめ取材陣も、おそらく政府の「施策の貧困」に触れようとしたでしょう。子どもの貧困は、昨日や今日出てきた問題ではなく、ずっと以前から大きな問題となっていました。それだけに政府も、関係者を集めて大綱をまとめたのです。

 ところがその内容が、あまりにもお粗末なものだった。このお粗末さんに対し、ひとことなければ、それは「上から指示があった」と見られても仕方がない。

 籾井勝人という安倍晋三氏の肝いりの会長あるいはその周辺が、なんらかの介入、あるいはほのめかしをした結果ではないか。

 NHKに対しそんな思いがあるだけに、「花子とアン」の平和への叫びが新鮮に感じられたのでした。