生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信735 ・「大連立」か、「政界再編」か

2010-12-11 06:54:58 | 日記
おはようございます。読売新聞連載の「時代の証言者・共産党・不破哲三」が29回の本日で最終回となりました。共産党にある種の期待をしているぼくは、「時代状況がこれほど有利な追い風であるにもかかわらず、共産党はなぜこんな小党の立場でしかないのか」についても、見解を知りたいと思っていました。しかし、例によって、「われわれは一貫して正しかった」という”共産党無謬論”からの「証言」にとどまり、いつまでたっても成長しないことをさらす結果となりました。
生き生き箕面通信735(101211)をお届けします。

・「大連立」か、「政界再編」か

 読売グループのドン、渡邉恒雄氏が持論の「大連立推進」を引っ提げて、自民党の谷垣禎一総裁と会談しました。谷垣氏は「現時点では私は極めて否定的だ」と表明しています。しかし、同党の石波茂氏ら有力議員の中からも「大連立」に同調する動きが出てきました。

 来年度予算案を年明けの通常国会で成立させられるか、参院で数が足りない民主党は、当面社民党にすり寄り、とりあえず衆院での3分の2確保に目途をつけました。

 しかし、裏では公明党と手を握るために、公明党が要求する「小沢氏の国会招致」をなんとしても実現しようと動いています。公明党を全面的に味方に引き付けることができれば、少々の問題があっても国会運営は目途がつき、現執行部は「わが世の春」を謳歌できるというシナリオです。

 しかし、日本をもっと効率的に”活用”したいアメリカは、もっと厳しい要求を突き付けています。世界のさらなる激動に備えるためにも「憲法改定をすべき」としているのです。このためには、圧倒的な「大連立しかない」のです。

 アメリカは実は、世界規模の経済破綻をにらんでいます。アメリカ自身、財政は破たん状態。いまは米国債をなんとか買ってもらっていても、いったん危ないとマーケットが感じるようになると、一斉に売りに回ります。米国債暴落は、世界経済破綻の第1のシナリオです。

 日本の財政も回復不能なほどに悪化しています。日本の国債はいまのところ国内で消化できていますが、これもほかに適当な投資先がないから、おっかなびっくりで購入しているにすぎず、市場がいつ売りに転じるか、目を凝らし耳をそばだてて最新の注意をはらっている状況です。いつなんどき買い手がつかなくなるか、極めて薄い氷の上を歩いているようなものです。日本発破綻の第2のシナリオ。

 ナベツネこと渡邉恒雄氏はかねてから中曽根康弘・元首相と語らい、日本の非常事態を乗り切る措置をすぐにも準備するために、「大連立」を仕掛けてきました。

 近づく非常事態を乗り切る対策は必要ですが、だからといって「大連立」が禁じ手であることに変わりはありません。大連立は、政治の「大政翼賛会」化を意味します。つまり、「御用政党化」です。時の政権が勝手になんでもできる仕組みとなり、民主主義は吹っ飛んでしまいます。

 そんな大連立を、こともあろうにメディアの「重鎮」とも目される人間が言い出す。言い出すだけでなく、自らあちこちへ持って歩く。客観的な立場を守らなければならないジャーナリズムが、みずから政治のプレーヤーとなってグラウンドに立つ。これは、ロートル・ナベツネの「老害」というべきものです。

 時間はかかるにしても、議場で議論を尽くし、賢い妥協の道を探り当てる。そんな政治手法を編み出さなければ、民主主義は衆愚政治に堕し、いずれにしても奈落へ落ちるほかありません。

 いまは、「破綻から再生へ」、日本のあるべき姿を実現するためにきちんとした政界再編が求められるのではないでしょうか。