生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2230 ・「日本国民は羊」と、銃を構えた「イスラム国」の戦闘員

2015-01-31 09:45:11 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通2230(150131)をお届けします。

・「日本国民は羊」と、銃を構えた「イスラム国」の戦闘員

 こう着状態が続く人質解放交渉。テレビが「イスラム国」の戦闘員にインタビューした映像を流しました。その中で、銃を構えた戦闘員は「日本政府はいつもアメリカにつき従っている。それに対して日本の国民は、何の抗議もせず、ただおとなしく従っている。日本の国民は、まるで『羊』みたいだ」と、話していました。

 今年の干支(えと)は羊だから、日本国民は羊のようにおとなしくしている?

 いえいえ、ただおとなしくしているのではありません。「積極的おとなしいお利口さん主義」をやっているのです。安倍首相が中東へ出かけて、わざわざ「『イスラム国』つぶしに2億ドル支援する」と、実質的な”宣戦布告”をしても、「お上がやりはることや」とまったく批判しない。

 それどころか、「(宣戦布告ではなく)人道支援です」と、政府の言い訳をオーム返しに繰り返す。そのオーム返しは、マスメディアに顕著です。そして、政党の多くも、「政府が人質解放に全力を挙げている。今は与党も野党もない。一致団結が大切だ」と、安倍政権に”右にならえ”です。

 ただひとつ、「生活の党と山本太郎となかまたち」という政党だけは、小沢一郎代表が「安倍首相が中東まで行って宣戦布告まがいのことを言ったことは重大」と、厳しく指摘しました。

 しかし、日本をおおっている空気は、「政府批判をせず、政府のやり方をおとなしく見守る」という”従順主義”一色です。

 日本の国はいま、いくつもの重大問題に直面しています。まず第一が、集団的自衛権を行使できるようにするための諸法規の改定だということは、多くの人の認めるところといえます。

 これは、実質的に憲法9条を骨抜きにする意味を持っていることでも同意を得られるのではないでしょうか。きちんとした憲法改定の手続きを踏まずに、裏口からそっと入って中身を変えてしまう姑息なやり口。気がつけば、憲法9条の文言は残っているが、その9条は「死んでいた」ということです。それでも日本の有権者は、それほど怒ることはありません。

 第二は、原発再稼働。安倍政権は、なんとかして原発を再稼働させたい。いまだに、放射能を浴びずに30キロ圏内の住民が避難できる計画を策定できた地域は一つもないにもかかわらず、「規制委員会が適合と認めた原発は動かす」という安倍首相。規制委員会の田中委員長は、「設備は規制基準に適合しているとは言うが、『安全』だとは言わない」と、逃げています。

 安倍政権にとっての原発政策は、さらに、「できれば海外に輸出したい」と膨らみます。輸出した原発が、その地で過酷事故を起こした場合、日本が日本国民の税金で”後始末”に精を出さなければならないにもかかわらず、「過酷事故は起こらない」と、勝手に思い込むことにしました。

 日本の権力者は昔から、自分に都合の悪いことは「起こらない」と決め込み、自分に都合のいいことだけを見て判断するクセがあります。その悪弊はいまも健在です。

 重大問題の第三は、TPP(環太平洋経済連携協定)です。いまはほとんど話題にもされなくなりましたが、この協定には、「ISD条項」というとんでもない”化け物”が仕込まれています。すでに実績があるのは、アメリカの企業が、カナダ政府やメキシコ政府を訴え、巨額の賠償金をせしめています。

 ISD条項というのは、一国の憲法の上位にTPP条項を置くことです。アメリカのグローバル企業が「世界支配」のツールとして有効利用しようとする、いわば「謀略ルール」です。

 このほか、消費税増税、労働者の残業代廃止、勤労者の無制限労働、社会福祉制度の切り下げなど、恵まれない者へのしわ寄せ政策が目白押しです。

 今年の春闘では、安倍首相が「賃上げ」の旗を振っています。経営者団体も形はそれに呼応するかのような姿勢を見せています。しかしこれも、パフォーマンスなのです。確かに、少しだけ賃金が上がったように見せる。

 しかしそれは、「経営者も努力しているのですよ」というところを見せて、労働者の頭ををなでるお芝居です。

 事実、前回の安倍首相主導の「賃上げ」は、その率が物価上昇率に追い付いていないことが統計数字ではっきりと出ており、勤労者世帯は全体としては「してやられた」結果になっています。今年も賃金を少し上げて不満をそらし、全体としては経営者側が得をするパフォーマンスになると予想できます。

 それでも「おとなしい国民」「羊のような国民」です。「長いモノには巻かれろ」のお利口さんです。

 


2229 ・「日本も『世襲社会』になってきた」と、来日したトマ・ピケティ氏が講演

2015-01-30 10:35:18 | 政治

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生き生き箕面通信2229(150130)をお届けします。

・「日本も『世襲社会』になってきた」と、来日したトマ・ピケティ氏が講演

 今年のノーベル経済学賞候補に擬せられるトマ・ピケティ氏が昨日1月29日に来日、早速、東京都内で講演しました。その中で、先進各国の特徴として「相続財産に依存する『世襲社会』が戻ってきている」と指摘したそうです。もちろん、日本もその例外ではありません。

 朝日新聞の本日朝刊は、31面で氏の講演を伝え、4面ではピケティ氏が指摘する「資本主義のもとでの格差拡大の傾向」をめぐる民主党議員と安倍首相とのやりとりを報じました。

 衆院予算委員会では、まず長妻昭氏が「低所得者の家系が苦しいことが消費低迷の一因だ」と指摘し、「格差が拡大すると成長が低下する。日本は税の再配分機能が弱くなっている」と強調しました。正(まさ)しく正論ですよね。

 これに対し、安倍首相は、「成長せずに分配だけを考えて行けば、ジリ貧になる」と述べ、経済成長を優先する考えを強調しました。

 長妻氏は、「適切な分配がなければ、持続的な成長もできない」とさらに追及。

 しかし、安倍首相の答弁はいつものことながら、質問の核心をはずし、ピントはずれの答弁で押し通しました。

 山井和則氏は、「ピケティ氏の主張は富裕層に対する課税強化だが、総理はどう考えるのか」と、質(ただ)しました。安倍氏は「所得税の累進課税の最高税率を上げ、相続税の課税範囲を広げた」と、民主党政権時代に決められた内容を、さも自分の手柄のように答弁。

 朝日の記事は、「2015年度の政府予算案や税制改正案では、生活保護の見直しや年金の少ない人への給付金の先送りが反映される一方、富裕層優遇につながるものもあり、格差をめぐる国会論争は続きそうだ」と結びました。

 ピケティ氏は講演では、「1980年代から先進各国で富裕層に資産が集中する傾向が強まっている」と指摘。日本についても「人口が減り低成長が続くため、相続で引き継がれる資産の価値がより高まりやすい」と、述べたそうです。

 安定した社会を作るためには、格差があまり広がらないようにするため徴税の機能を活かして、分厚い中間層を形成することに意を用いることが政治のキモです。日本は高度成長期を通じて、いったんは分厚い中間層を作ることに世界でも珍しく成功しました。その時は、「一億総中流」と評したものです。

 この時代には、海外から「日本は世界一のすばらしい社会主義を成功させましたね」と、皮肉まじりながらうらやましがられたものです。

 しかし、それもつかの間、外部からはアメリカ発の経済戦争を仕掛けられ、内部では小泉・竹中コンビによる強烈な新自由主義(市場原理主義)導入によって、中間層の富が奪われ、富裕層をより富ませる流れとなりました。アメリカと同様、格差が拡大し、1%対99%の傾向が今も続いています。

 安倍政権のアベノミクスは、その本質は成長至上主義であり、明らかに新自由主義そのものです。国会ではもっと真剣に経済政策の根幹思想について論議を深めなければならないはずです。

 しかし、民主党の長妻氏も山井氏も、頭の根幹に「成長が大事」をこびりつかせているからでしょう、追及は中途半端になってしまっています。

 これからの経済政策の思想の根幹は、成長路線ときっぱり手を切り、「縮小社会への対応」に全力を挙げるべきだといえます。地球自体がはすでに限界を超えて、人類という獰猛な生物に搾取され続け、窒息死寸前であえいでいます。人類さんたちは、それでも収奪し続けようというのでしょうか。

 いずれにしても、好むと好まざるとにかかわらず、人類さんにはそう遠くない将来、天罰が下るはずです。

 


2228 ・グローバル資本主義を止めない限り、テロは続く――中東の民生安定が最優先課題

2015-01-29 10:01:33 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2228(150129)をお届けします。

・グローバル資本主義を止めない限り、テロは続く――中東の民生安定が最優先課題

 「テロに屈しない」と繰り返す安倍晋三という日本国総理大臣。もう少しましなメッセージを発信できないものか。たとえば、「『イスラム国」が支配している地域で食べるものにも不自由している人々にも、”人道支援”します」とか。

 「テロに屈しない」と繰り返すばかりでは、問題は解決しない。日本ができる対案を示すべきではないでしょうか。その有力な案の一つが、「人道支援」といえます。安倍氏自身が、「2億ドルは人道支援目的」と繰り返し強調しています。それなら、アメリカが支援する国ばかりでなく、「イスラム国」側の困っている人々にもていきょうすべきでしょう。

 「人道支援」は、日本が持っている対策のなかの最強カードです。それを武器にした「平和外交」こそ、日本が取るべき道だと断言できます。しかし、安倍氏はその有力案を提示しようとしません。

 現代イスラム研究センター理事長の宮田律(おさむ)氏は昨日1月28日、東京の外国特派員協会で記者会見し、「イスラム国」のような暴力的な集団の活動を抑えるためには「社会や経済の安定を図っていくことの方が、武力で制圧することよりも先に考えるべきではないかと、ずっと思っている」と持論を語りました。

 「イスラム国」の事件について掘り下げて考えると、「『世界の矛盾』が凝縮するような形で現れているのではないか」という見解です。

 

*ネットに掲載された写真を転載 

 宮田氏は、「近年のイスラム社会は『アラブの春』を経て、イラク・シリアなどずっと戦乱の中にいる。そういった現状の中、将来に希望が持てない若者たちが増えており、それが『イスラム国』が支持されている背景だ」と語ったそうです。 

 「もちろん暴力は許されないが、中東イスラム世界の現状を考えれば、こういう武装集団に入ることによって生活手段を得ることができるという若者たちが少なからずいるのではないか」とも。要するに、民生安定の基盤となる生活手段にも事欠く状況を西側諸国、具体的にはグローバル資本主義、市場原理主義が押し付けていると見ることができます。

 昨日の参院本会議で、ピケティ論争が行われたことを、本日1月29日の読売新聞朝刊(4面)が伝えました。日本を元気にする会の松田公太議員が、ピケティ氏が主張する「富裕層に対する世界的な資産課税強化」について質(ただ)したのですが、これに対する安倍氏の答弁は当然のことながらともうしましょうか、「執行面で難しい面がある」と、否定的なものでした。

 「21世紀の資本」という著作で世界的に知られるようになったフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が喝破した資本主義の本質は、ただ一つの簡単な数式で表わされます。「r>g」です。rは資本利益率(税引き後の収益率)であり、gは経済成長率)です。

 ピケティ氏が過去300年の世界の経済を丹念に調べた結果、資本収益率が経済成長率を上回ることが裏付けられました。これは、富めるところに富みは集まるということを示しているのです。つまり、99%から収益を奪い、1%がそれを集める、ということです。

 安倍氏は、アベノミクスの本質が「r>g」であることを知られたくないために、早々とピケティ理論を否定して見せたわけです。

 西側のリーダーは、アメリカをはじめ日本の安倍氏を含めて、「テロ対策が重要」と主張します。そう主張するなら、根本的な「テロ対策」、つまり世界から貧困をなくすことに本気になったらどうでしょう。そのためには、富める者を制限し、あるいは富める者にもっと適正に課税して、恵まれない者に再配分する社会福祉政策が欠かせないはずです。

 真のテロ対策とは、中東の民生安定、庶民の暮らしの安定です。西側の有志連合がやっている武力行使、空爆を繰り返して子どもや女性まで殺すことこそ「テロ」そのものといえます。

 


2227 ・「あと24時間」。だが、安倍首相の本当のハラは「(人質が)殺されても仕方がない」

2015-01-28 09:56:06 | 政治

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生き生き箕面通信2227(150128)をおとどけします。

・「あと24時間」。だが、安倍首相の本当のハラは「(人質が)殺されても仕方がない」

 「残された時間は24時間しかない」という新しいメッセージが昨日1月27日深夜、「イスラム国」という組織からネット上に投稿されました。その24時間の期限は本日深夜とみられ、一気に緊張が高まっています。

 安倍政権はこれまで人質脅迫事件に対してどんな努力をしてきたのでしょうか。湯川遥菜さんが昨年夏に、後藤健二さんは昨秋に人質になってから、ほとんど何もしていない。安倍政府は「対策本部を設けた」といい訳しています。仮に対策本部を設けていたとしても、何もしていなかった、あるいは何の成果もあげられなかったのは、その後の経過が明瞭に示しています。今も強調している対策の主な内容は、「情報収集と分析」だけといっても過言ではありません。

 なんとか副大臣を現地に残して懸命に対応していると言いますが、そのなんとか副大臣なるものは、現地でただオロオロしているだけ。それもそのはず、こうしたシビアな事件に対応した経験もなければ、知識もない。いわば、ずぶのドしろうとです。オロオロするしか能がない。

 在外公館を叱咤激励しているといいますが、安倍政権がやれることはただ「情報と分析」ばかり。あとは、ヨルダン政府やアメリカ政府に協力を”お願いする”ことくらい。

 安倍首相がみずから親しいと自認しているアブドラ・ヨルダン国王に電話をして協力を要請しても、ヨルダン政府自身がむずかしい国内事情をかかえており、権力基盤の弱い国王政府ができることは限られています。

 アメリカのオバマ大統領にしたところで、「イスラム国」という組織の壊滅を目指して空爆に余念がなく、人質解放の力になることなど不可能です。やれるとすれば、特殊部隊を突入させて実力で奪還することくらい。それも、どこに後藤さんが拘束されているかを把握してからのことになります。でも、肝心の居場所が分からない。手の出しようがない。

 第一、安倍官邸の対策本部は、メンバーがすべて”安倍さんのお友だち”です。彼らのハラの中はすべて、「自己責任だよ。殺されても本人の責任だ」だと思われます。ただ世論対策上、表向きは「大変だ、たいへんだ」と、騒いでいるだけ。

 アベ・チームが真剣に考えていることは、今回の事件を、世論が安倍政権への批判に向かわないように収めるにはどうすればいいか、だけでしょう。そして、これを機に「集団的自衛権の諸法規改定に役立たせるにはどうすればいいか」だと推測できます。安倍首相自身が、今週25日のNHK日曜討論で、「こうした事態に自衛隊が役立つようにしたい」と明言しました。

 そもそも今回の事件のきっかけは、「ISIL(イスラム国)つぶしのために2億ドル支援する」としたエジプトでの安倍演説です。この時の発言も、本音は「イスラム国と闘っている有志連合に、わがアベノニッポンも加わりたい。少なくとも有志連合に『アベノニッポンはテロに屈しない勇敢な国だ。安倍は世界的なリーダーだ』と認められたい」という子どものような”ほめられたい症候群”からの頭が狂った発言だったと言えます。

 先行きはますます暗くなるニッポン。ただひとつ明るいニュースは、昨日、沖縄の「抵抗する人々」の強い団結の力で、政府の意図を受けた機動隊の暴力をはね返し、辺野古への資材運搬車を押し戻したことです。

 この人々の力の前に、これまで渋っていた尾長雄志知事もさすがに重い腰をあげ、沖縄県警に「住民の安全を優先するように」と抗議せざるを得なかったようです。

 しかし本来なら、政府の要人、たとえば菅官房長官に強く申し入れるべきですが、地元の沖縄県警の一部長に対しての抗議です。地元警察のトップである県警本部長くらいには抗議すべき案件を、全く腰の引けた形だけ、「抗議しましたよ」という見せ掛けだけの”抗議”に終始したようです。

 日本中が腐り始めている現象はとどまることをしらない。残念ながら、まだまだ腐り続けて行きそうです。

 


2226 ・「国が全力を挙げているときに、批判するな」と言論封じ――共産党も右へならえ

2015-01-27 07:20:36 | 政治

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・「国が全力を挙げている。批判するな」と言論封じ――共産党も右へならえ

 「安倍政権が人質解放に向けて全力で取り組んでいる。この際、批判は慎むべきだ」という大政翼賛言論が恐ろしい勢いで吹き荒れはじめました。

 秀逸なのは、(あえて「秀逸」と言いますが)、共産党の志位和夫委員長です。同党の池内沙織・衆院議員がツイッターで、「安倍首相こそ言語道断」と批判しました。これに対し、志位委員長は、「政権が全力を挙げて取り組んでいる最中に、ああいう発言をするのは不適切だ」との見解を昨日1月26日の記者会見で明らかにしたのです。まさに、「右向け右」です。

 池内議員の1月25日未明のツイッターはこうです。「こんなにも許せないと心の底から思った政権はない。『ゴンゴドウダン』などと壊れたテープレコーダーのように繰り返し、国の内外で生命を軽んじ続ける安倍政権。安倍政権の存続こそ言語道断、本当に悲しくやりきれない夜。眠れない」

 安倍晋三という首相は同じ25日朝のNHK日曜討論に出演し、集団的自衛権問題について質問された際、こう答えました。「この(テロ殺害事件)ように海外で邦人が危害に遭った時、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりする」と。今回の事件を、集団的自衛権の関連法整備に政治利用しようというのです。いずれは自衛隊を海外に派遣して、当該地域で実力行使できるようにしようというのです。

 そもそも今回の事件は、安倍首相がエジプトで、「『イスラム国』という組織をつぶすために、日本は2億ドルを支援する」という趣旨を表明したことから起こったのは、ご承知の通りです。危機管理どころか、みずから危機を招き寄せておいて、それを自分の政治的野心に利用する。こういうのは、したたかとは言いません。ただ、あくどいだけです。人間の屑がやることです。

 大政翼賛発言は、新聞やテレビで溢れかえっています。NHKは最初から最後まで、「安倍首相の2億ドル支援は、人道的なもの」と、オームのように繰り返しています。個人で見ても、たとえば、青山繁晴というアベノチャボウズ(安倍の茶坊主)は、「安倍さんは正しいことをした。2億ドルは人道支援だ」と、一生懸命にカバーしています。

 民主党の細野豪志氏も、「こうした案件は与党も、野党もない。一致して支える」と、大政翼賛方式です。安倍という男が原因を作ったことに一言の言及もない。細野という男はもう少し芯のある人間と思っていましたが、買いかぶりでした。代表選のときに野党再編論を自己規制したあたりから、見損なわれる男に変身してしまったようです。

 その点、小沢一郎氏ははっきりしています。小沢氏は、「生活の党と山本太郎となかまたち」党の代表として同じ日曜討論に出演し、司会の島田敏男・NHK解説委員の質問にこう答えました。「安倍さんはあっち(中東)まで行き、宣戦布告とも言えるような話をした。『日本も敵』と受け取られてもしょうがない」と、きちんと安倍批判を展開しました。

 残念なのは、現在の日本の言論空間では、こうしたまっとうな言論がきちんと受け止められず、大政翼賛言論ばかりが大手を振ってまかり通ることです。多くの国民が依然として、なんとなく主流のように感じられる空気の言論に流されることです。

 好戦的な安倍政権、国民を言論封圧する安倍政権、格差を助長する安倍政権を支持し続けているのは、ほかならぬ日本国民です。どこまで落ちぶれれば、「まっとうな日本人」としてのバネが利くのでしょうか。