生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1782 ・読売新聞が伝える「集団的自衛権見直し先送り」って、ホンマかいな!?

2013-11-08 07:40:38 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1782(131108)をお届けします。

・読売新聞が伝える「集団的自衛権見直し先送り」って、ホンマかいな!?

 「集団的自衛権見直し先送り」と、読売新聞が本日11月8日朝刊の一面トップでスクープ仕立てで報じました。複数の政府筋が、憲法解釈の見直しは来年夏に先送りする、と明らかにしたそうです。理由は、公明党との調整が遅れており、内閣法制局も見直しに慎重な構えを変えていないから、というのです。

 これが事実なら、世論の動向が大きな影響力を発揮したといえそうです。解釈改憲に警戒的な世論の動向が公明党を支えた。つまり、解釈改憲によって集団的自衛権の行使を可能にしようとする政府にブレーキをかけようとする世論の一定の勝利といえます。

 読売は4面でも解説図入りで「先送りの影響」を手厚く扱っています。それによると、予定されていた自衛隊法の改定が審議されるのは「15年の通常国会」となり、この年には統一地方選挙や消費税10%への引き上げもあるので、「今以上に公明党への配慮が必要になるとの指摘もあり、法改正を実現できるかどうか疑問視する声も出そうだ」とあります。

 これは一見、集団的自衛権の見直しが極めてむずかしくなったというニュースのように受け取れます。しかしよく読んでみると、解釈改憲推進勢力に対する「巻き返しへのゲキ」とも取れます。「このままだと、自民党が多数を占めるこの絶好の機会を逃すことになるぞ。安倍のしりを叩いて、解釈改憲を断行するために奮起せよ」というゲキです。

 解釈改憲で9条改憲と同じような効果を狙ってきたアメリカのジャパン・ハンドラーズも、巻き返しのムチを入れるでしょう。間もなくアメリカの新しい駐日大使としてキャロライン・ケネディさんが着任します。ご存じ、故ケネディ元大統領の愛娘です。日本でも大歓迎のムードです。この新大使の早々の戦果として、日本の「集団的自衛権の行使」を捧げようとするシナリオがピンチという勘ぐりもあります。

 アメリカからの圧力がこれまで以上に強くなるのではないでしょうか。今国会は来月6日までで、残り1か月を切りました。戦争ができるようにしたい派と、それを阻止しようとする阻止派との攻防が激しさを増しそうです。

 


1781 ・「和食」は世界無形文化遺産に登録されますが、実は「絶滅危惧種?」

2013-11-07 07:16:45 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1781(131107)をお届けします。

・「和食」は世界無形文化遺産に登録されますが、実は「絶滅危惧種?」

 「和食」って、何でしょう。京都の高級料亭での会席料理でしょうか。ユネスコの世界無形文化遺産に来月、正式に登録されることになった「和食」は、一汁三菜に代表される普通の家庭料理による食文化だそうです。

 昨日11月6日にNHKのクローズアップ現代で放映されたのは、「和食が世界の遺産に! どう守る日本の心」がタイトルでした。

 世界遺産登録をめざそうと動き出したとき、和食とは料亭などで出される高級懐石料理を想定していたそうです。ところが、同じく世界遺産をめざしていた韓国の豪華な宮廷料理が「見送り」となり、大きな衝撃を受けた。それが改めて、「和食とは何ぞや」を考えるきっかけになった。

 そしてたどりついた結論は、昔から続いてきたちゃぶ台の周りに家族が集まり、家庭のだんらんの中でいただく「一汁三菜」の食文化。

 しかし、その一汁三菜は今や「絶滅危惧種」といわれるほど失われてしまった。毎日の朝餉(あさげ)に、みそ汁を食するという食文化はすたれてしまった。東京をはじめいわゆる都会ではばをきかすのが、欧米流のパン食文化。

 日本は経済を発展させる過程で、伝統的な優れたものをいともあっさりと捨て去ってきました。そのいいものを捨て去り崩壊させる過程を、警鐘を鳴らしつつなんとか守ろうとしてきた一人に、アメリカ人のアレックス・カーさん(61)がいます。

 朝日新聞の夕刊企画「人生の贈りもの」に5回連載(10月28日~11月1日)で登場したカーさんは、エール大学で日本学を、オックスフォード大学で中国学を学んだあと来日、40年前に徳島県の山奥、祖谷(いや)の古民家を買い取って、日本の「古き良きもの」に囲まれる生活を始めました。

 しかし、日本の「古き良きもの」は無残にも捨て去られていく。警鐘を鳴らす書、「美しき日本の残像」(新潮学芸賞受賞)、そして日本の美を壊す公共工事への怒りから、続編にあたる「犬と鬼」も出版しました。

 「犬と鬼」は、中国の哲学書「韓非子」に描かれた話から取ったもので、身の周りにある「犬」にあたるのが日本の古き良き伝統であり、鬼は奇怪なコンクリート建造物などに例えています。カ―さんは、「身近な自然を守るのはむずかしく、巨費をつぎ込んだ派手なホールをつくるのは簡単という気持ちをこめました」と、連載4回目で言っています。

 その4回目は、「愛しているなら、怒らなくては」がタイトルで、カーさんは胸にたぎる怒りをエネルギーにして、「日本の美しい『残像』を未来へ」(5回目タイトル)という活動を続けています。京都での古民家再生プロジェクトをビジネスにして時代に伝えていこうとしているのです。

 和食も絶滅危惧種、それどころか日本の「古き良き伝統」そのものが絶滅危惧の崖っぷちに立っています。アメリカ流の市場原理主義にことごとく破壊されようとしています。「日本人」という民族そのもののよって立つ基盤が崩されつつあります。最近の具体例は、グローバリズムを推進するTPP(環太平洋経済連携協定)などが、その代表です。

 私たちは、「仕方がないよ」と流されるのか、踏みとどまって「怒り」を行動に移すのか。そして、どう守る日本の心――。

 


1780 ・「『怒り』は大事な資質。怒りの矛先は、自民党政権へ」と、いわば倒閣宣言の池澤夏樹さん

2013-11-06 06:57:09 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1780(131106)をお届けします。

・「『怒り』は大事な資質。怒りの矛先は、自民党政権へ」と、いわば倒閣宣言の池澤夏樹さん

 芥川賞作家の池澤夏樹さんが、「怒りはどこへ行った」と怒っています。世の中を良くするためのエネルギーの根源が怒りだという認識から、「その怒りはどこへ行った」と、疑問を投げかけているのです。朝日新聞11月付け夕刊に、「怒りはどこへ行った」というタイトルのコラム(5面)を寄せていました。

 副見出しには、「社会主義を捨てるか」と、あきらめのようなつぶやきが取られています。しかし、文末の結論では、やはり「もうしばらく社会主義者でいることにしよう」と、決意の社会主義者宣言をしています。

 書き出しは、「かつては社会主義を信じていた」と、過去形です。社会主義を標榜するソ連が崩壊したとき、「人間は利で釣らなくても、社会全体のために働く(はず)」という理想的な社会は成り立たせられないとの結論が出たように見えた。

 その後、曲折を経て、最近の日本で出てきたのが、「リベラル保守」という考え方。中島岳志が提唱している立場で、「歴史の風雪に耐えた制度や良識に依拠し、理性を超えた宗教的価値を重視する「保守」と、それぞれに異なる道をたどってもめざす理想は一つであるという「リベラル」との接合。

 それはいいかもしれないが、そこに欠けているものがある。欠けているのは、「怒りだ」と指摘。「目前のあまりの不正と矛盾に対する抑えようのない怒り」「自分の無力がわかっている分だけ苛立ちが募る」

 「内部で圧力が高まると一気逆転を夢見るようになる。スタート地点ではテロリズムかもしれない。過激なデモかもしれない。それが国家的な範囲まで広まると革命になる。先の絵図が描けないままの転覆。例を挙げれば今のエジプト」

 「だが、化け物のような国際資本に吸血される貧しい国々を思うと、あるいは浮かれる自民党政権とこの国の格差拡大や最下層の困窮を思うと、怒りもまた自分の中の大事な資質であると気づかざるを得ないのだ」と、怒りの向く先を明確にしています。

 朝日新聞の紙面を使ってのあからさまな「倒閣宣言」ははばかられる。だから、筆を抑え、隔靴掻痒の感はぬぐえませんが、よく読むと、分かる人には伝わる仕掛けです。

 それが伝わった人は、どう行動に移せばいいのでしょう。「怒り」は、気持ちよく発散しましょう。倒閣です。歴史的に見ると、安倍政権を倒閣することが正しかったことが検証できるはずです。倒閣運動を起こすのは、今でしょう!

 

 


1779 ・「楽天」の優勝が示した、東北の底力

2013-11-05 07:31:00 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1779(131105)をお届けします。

・「楽天」の優勝が示した、東北の底力

 「勇気づけられた」というファンの声が圧倒的だった楽天イーグルスの優勝。テレビが伝えるところだと、東北のあちこちで、老いも若きも、心から「日本一」を喜んでいる印象でした。

 フクシマ原発事故を含む東北大震災の苛酷な事態から復興の努力を続けてきた人々には、2年半を過ぎ、疲れが溜まり、見放されてきたと思い始めたところでの、この優勝。たしかに「もう一度頑張ろう」という気持ちにさせてくれた。応援するチームに一体となって声援を送る。そして、勝ち取った喜びを、みんなで喜びあう。つらい時期だっただけに、喜びもひとしおだったろうと、こみあげてくるものを感じます。

 つらい時期は、実は一世紀半、150年近く続いたのかもしれません。明治維新からほぼ一世紀半(146年)、東北は「賊軍の地」というレッテルを貼られてきました。「NHKドラマ 八重の桜」でも、「会津賊軍の八重」の姿が描かれ、天皇の在所で官軍の中心地、京都での「学問の府」設立というドラマも、官・賊軍の和解のストーリーという流れで見ることができるといえます。

 巨人軍ジャアンツは、いわば官軍で、それを楽天イーグルスが苦闘の末に打ち負かす。そして、つかみ取った「日本一」。東北の人々には、「日本一」という栄誉は、東北の底力が示されたということもでき、とりわけ感慨深い称号だったのではないでしょうか。

 日本には、底力を示し続けている地域がもうひとつあります。「沖縄」です。こちらは江戸時代の島津藩の侵攻以来の琉球処分からですから400年以上の「抵抗の歴史」を刻んできました。いまも、普天間基地の辺野古移設と許さない闘いを続けています。

 沖縄の底力は、日本の「良心の底力」の証しと言えると大切に思っています。

 そして、私たち一人ひとりにも「底力」があります。安倍政権がどんなに強く見えようとも、最後は「良心の底力」が勝つ。

 


1778 ・国民には「極秘だらけ」だが、アメリカさまにはジャージャー漏れの日本の機密

2013-11-04 07:19:31 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1778(131104)をお届けします。

・国民には「極秘だらけ」だが、アメリカさまにはジャージャー漏れの日本の機密

 ドイツのメルケル首相をはじめ各国首脳がアメリカの諜報機関に盗聴されていた問題は、収束の兆しがまだ見えません。アメリカは各国の機密を探索する手段をなんとか維持したいと画策しており、他方の諜報される側は何としても止めさせたいとアメリカへの抗議を強めています。

 そうした中で、日本はなぜか無風状態の様相です。いかにも奇妙。日本にアメリカが知りたい情報がないわけではありません。むしろ日本の動向は、アメリカが進める世界政治、なかでもアジア太平洋地域の仕切りのためには少なからぬ影響があるはずです。しかし、安倍首相を盗聴していたという情報は一向に出てきません。

 安倍首相は、首相公邸には居を移したくないと、自宅からの”通勤”にこだわっていました。ときには、「官邸には幽霊が出る」と、冗談めかして言ったりして、”入居”しませんでした。

 第一次安倍内閣(06年9月~07年8月)のときに、安倍首相は新しい官邸(公邸を含む)に、精巧な盗聴設備が仕掛けられたことに気づいたとも言われたりします。新しい首相官邸および公邸(首相の居住スペース)は2002年から使われ始めました。

 それはさておき、日本の重要機密はアメリカには筒抜けです。フクシマ原発事故の際は、アメリカ大使館からただちに担当者が首相官邸に入り込み、菅首相(当時)の所に集まる情報を、逐一、チェックできる態勢を取りました。

 かつて田中首相時代には、ロッキード事件にからみ、最高裁長官自らがアメリカ大使に最高機密を漏らすようなこともしていました。

 日本をハンドルする(操る)には、情報は充分手中にしており、必要な時には、「ショー・ザ・フラッグ」(日本の自衛隊の旗を戦場に立てろ)、「グラウンド・ザ・ブーツ」(自衛隊を派遣しろ)と、命令すればいいのです。

 アメリカは、各省庁、国会議員に情報網を張り巡らせており、必要なあらゆる情報を入手できる態勢を整えています。日本を諜報している全体像を暴きだすことは極めて困難なくらいに深く広く網を張っていると言われています。それだけに、アメリカさまは日本の機密防衛体制が心配でならない。

 今後、日米で共同作戦を展開するときには、機密維持の強力な体制構築が欠かせないと思っています。それが、「特定秘密保護法案」の成立強要であり、今国会で成立をめざさせる最重要法案です。

 これが成立すれば、日本国民には「極秘」だらけの社会、つまり「民には知らせず」の社会になります。もちろん、日本の情報は、アメリカさまにはジャージャー漏れ、ダダ漏れ、筒抜けは維持されます。

 ついでに申し上げますと、アメリカ社会も「9.11」のあと、「愛国者法」というとんでもない法律が当時のブッシュ政権のもとであっという間に成立させられ、いまは盗聴し放題になっています。その「愛国者法体制」を日本に押し付けてきているといえます。

 そして、日本の安倍政権はそれに抵抗するどころか、唯々諾々と隷従しようとしています。ジョージ・オーウェルの「1984年」で予告された「強大な監視社会」は、アメリカと日本で着々と現実化しているわけです。

 人権や民主主義は崩壊です。世界は、どこへ向かうのでしょうか。