生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信395 ・大晦日の社説は読・朝・日経とも討ち死に

2009-12-31 07:48:52 | 日記
お早うございます。1年の締めくくりの作法ってあるのでしょうか。
生き生き箕面通信395(091231)をお届けします。

・大晦日の社説は読・朝・日経とも討ち死に
 1年の最終日、今日の社説はどんな「1年の総括」を見せてくれるのだろうと、ページを開けました。

 読売は1本目が「新成長戦略 目標実現の具体策が見えない」、2本目「米機テロ未遂 全容解明と再発防止に努めよ」
 朝日は1本社説で「チェンジの09年 明日に向け変革の持続を」
 日経は1本目が「成長には競争と投資促す改革が必要だ」、2本目「株式市場が映す日本の縮み」

 各社のジャーナリストの代表選手たちが集う論説委員会で、本日に取り上げるべきテーマを検討し、それが今朝の紙面になったのです。それなのに、とても物足りない淋しい思いをさせられました。

 早朝のNHKで、いまは亡きロック・シンガーの忌野清志郎と平山郁夫・画伯からのメッセージを流していました。「平和」への切々たる思い」が伝わってきました。

 忌野清志郎は「8月6日8時15分、何の罪もない人が死んでいったのさ」と歌いました。別の歌では「まだ苦しんでいる人がいるのに、軍事力がそんなに大事なんだよ」と。さらに別の歌では「国境もない。ただ地球があるだけ。みんながそう思えば、簡単なこと。夢かも知れない。でもその夢を見てるのは、君ひとりじゃない、ひとりじゃない。違う。仲間がいるのさ」とも。

 平山画伯は、ヒロシマでの被爆体験と仲間を失った原体験から、仏教を伝えた玄奘三蔵のシルクロードをたどり、平和への強い願いを画布に込めました。

 この1年は21世紀に入ってからの10年目(本当は来年)に当たります。スタートの10年で、世界は平和への大きな1歩を踏み出したのでしょうか。「ともかく世界規模の大戦はなかった」ことを良しとすべきなのかもしれません。でも、イラク、アフガンではアメリカが「テロ戦争」と名付けた闘いがつづいています。ガザでは、イスラエルがパレスチナ人を封じ込め、ナチス・ドイツを上回る残虐行為を続けています。

 食糧不足で飢餓に苦しむ人の数は増え続けています。学校に通えない子どもたちの数も減ってはいません。

 それなのに、膨大な額を軍事費として費消しているのが、世界の現状です。

 ジャーナリズムの役割は何か。メタボな頭のジャーナリストは、ジャーナリストといえるのか、と皮肉のひとつもいってみたい気分です。

 とはいえ、1年間、なんとか無事に過ごせました。そのことにぼくは今、感謝しています。とりあえず「平和な日本」であることに、一種の感動すら感じます。また、この1年、ボクの「通信」に目を通して下さった方には、感謝を申し上げます。「ありがとうございました。新年も、明日からもよろしくお願いします。どうぞ良いお年をお迎え下さい」






生き生き箕面通信394 ・いまなぜパナソニックなのか

2009-12-30 07:22:58 | 日記
お早うございます。本屋に行くと、今でも「松下幸之助」関係が並んでいます。20年前に亡くなった方なんですが……。
生き生き箕面通信394(091230)をお届けします。

・いまなぜパナソニックなのか
 「コーノスケはん」と親しまれた松下幸之助(敬称略)。丁稚奉公から身を起こし、一代で松下電器を世界有数の企業に育て上げ、”経営の神様”と称されました。そのコーノスケはんが晩年力を入れたのが「松下政経塾」です。「日本を考えてくれる政治家がいない」と危機感を募らせ、私財をつぎ込んで政経塾を立ち上げ、政治家養成に乗り出したのでした。

 民主党政権になって、松下政経塾出身者が目立っています。前原誠司(国交相)、原口一博(総務省)、野田佳彦(財務副大臣)をはじめ、若手の有望株に福山哲郎(外務副大臣)、山井和則(厚労相政務官)ら。ぼくは、大阪12区選出の樽床伸二(環境委員長)を買っています。

 官邸で鳩山首相の信頼あつく官房長官として奮闘する平野博文は、パナソニックの労組出身。労働界では日本のナショナルセンター、連合の会長が、これまたパナソニック労組委員長を務めた古賀伸明。

 そして日本財界の奥の院とされる日本経団連の次期会長に嘱望されているのは、パナソニックの社長、会長を歴任した中村邦夫。もっとも中村自身は固辞の構えですが、現会長の御手洗がぞっこん入れ込んでいます。

 政界、労働界、財界の政労使を、パナソニック系が占めることになるのです。いまなぜパナソニックなのでしょうか。

 ぼくは、コーノスケはんの経営哲学根幹を成していた「水道哲学」は、いまや時代遅れと評価しています。「水道の蛇口をひねると、水が出てきて誰でも利用できる。そんな電気製品でみんなに役立ってもらうのや」が口癖だったコーノスケはんでした。しかし、それは、資源のムダ遣いつながります。

 結局、コーノスケはんで思い当たるのは、人遣いの名人という点です。信頼する部下を厳しく叱ったあと、電話をかけてきて、「あのな、君、もうすぐ奥さんの誕生日やろ。これプレゼントや」といって、しゃれた贈り物をする。そんなコーノスケはんの周りには、自然に人が集まってきました。いまでも、その人柄を慕う雰囲気が息づいているようです。やはり、人を大事にすることが求められているあらわれかも、と思ったりします。

 偶然にしても、プレゼンスが目立つパナソニック系の人のつながり。新年はどのようなチームワークで日本のために働いてくれるのでしょうか。日本丸は、引き続き荒海の航海を乗り切らねばなりません。








生き生き箕面通信393 ・これで働く人の立場は守られるのでしょうか―労働者派遣法改正案

2009-12-29 06:39:53 | 日記
お早うございます。昨日は仕事納めで、派遣労働者には辛い「正月休み」に入りました。
生き生き箕面通信393(091229)をお届けします。

・これで働く人の立場は守られるのでしょうか―労働者派遣法改正案
 いまのデフレ期、派遣労働者には悲しい時代です。正規労働で安定して働きたくても働き口が見つからない。やむを得ず派遣労働で生計を立てているものの、子どもを修学旅行に出してやる余裕がない。子どもが新型インフルエンザになっても、健康保険証がなく、病院へかかることもできない。

 長妻厚労相の諮問機関、労働政策審議会が昨日、労働者派遣法の改正案をまとめました。新聞は「製造業派遣や登録型派遣の原則禁止を盛り込んだ内容で、労働者保護を強化するもの」と伝えています。ところがですよ、これが施行されるのは、3年先なんです。「問題が少なく労働者のニーズもある業務」はさらに2年延ばされます。

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、派遣先企業の責任強化の項目が盛り込まれなかったことを批判。「派遣先企業の責任が強化されなければ、相変わらず違法派遣が横行し、不安定で生活に苦しむ派遣労働者を救済できない」と訴えています。

 そもそも派遣労働は禁止されていました。ところが、小泉・竹中コンビの規制緩和で経営者側の要求を入れ、規制が取り払われました。そのときの口実は、「高い人件費は国際競争力を殺ぐ。企業が人件費の安い地域へ海外流出する」という脅しでした。

 規制が緩められると、例えば日本経団連の御手洗会長が実質支配するキャノンは、工場の製造現場を早速派遣労働者に切り替えました。派遣労働への経費が人件費ではなく、物品購入と同じ項目で処理されているのはよく知られたことです。

 今後法案にまとめられ、国会に上程されます。国会では論議を深めてもらいたいものです。とくに、日本に欠けているのが、「同一労働・同一賃金」の原則確立です。欧州では、当たり前のこととして確立されています。同じ仕事をしていれば、正規労働であろうが、派遣労働であろうが、同じでなければならないはずです。

 労働の尊厳を確立することが人間の尊厳に直結する、このことを根本に据えることが、日本を建て直すもとだと強く主張したいと思います。



 

生き生き箕面通信392 ・アメリカは尊敬できる同盟国か

2009-12-28 07:10:06 | 日記
お早うございます。
生き生き箕面通信392(091228)をお届けします。

・アメリカは尊敬できる同盟国か?
 今朝の日経新聞は中曽根康弘元首相へのインタビュー記事を一面に掲載しています。そのなかで元首相は「日米同盟は日本の国際的地位の安定を担保する。アジア・太平洋地域の平和維持の基本にもなっている。アジアのみならず世界の財産だ。この『世界性』をもっと協調する必要がある」と主張しています。

 しかし、果たしてそうでしょうか。これから5年先、あるいは10年先、日米同盟は「世界の財産」でしょうか。

 ぼくは、アメリカは財政上の困難から中期的には現在の戦線を縮小せざるを得ないとみています。現在のアメリカ政府の借金は5500兆円とされています。天文学的すぎて、一体どのくらい大変なのか想像もできないくらいです。オバマさんは、公約の国民健康保険制度を導入することにしましたが、その財源は国債に頼らざるを得ませんから、借金はさらに膨れ上がります。

 すでに国家破綻状態なのが実態です。アフガンやイラクで戦争をやっている場合ではありません。しかし、オバマさんはここから公約通りに撤退することはできないでしょう。引き続き戦争を続け、アメリカ自体の国力を消耗していくのです。

 そんな国の尻馬にのって、いつまで「アメリカと手を組んでいれば安心だ」といえるのでしょう。第一、そんな”戦争好きな国”が世界中から尊敬を集めているでしょうか。

 ぼくも、かつてはアメリカが尊敬できる国だと思っていた時期があります。しかし、時移り、時代が変わるとともに、アメリカも変質し、金権亡者がひしめく国柄になってきました。昨年のリーマン・ショックに象徴される世界不況の発信源はアメリカでした。ところが、少し落ち着いてくると、再びウォール街の亡者が息を吹き返してきました。世界の経済を混乱に陥れた元凶であるという自覚はどこへやら。懲りない面々です。

 いずれ近いうちに、ハイパー・インフレへ行くか、ドル切り下げか、国家財政のデフォルト(債務不履行)か、です。

 アメリカとの同盟にこだわっていては、アメリカの戦費をもっと負担させられます。

 それよりは、世界の平和をもっと別の形で担保する策をいまから探るべきと考えます。世界の安全保障、あるいはアジアの安全保障という観点のなかで、日本の安全保障を見直すべきではないでしょうか。ドロ舟化しつつあるアメリカ丸にいつまでも乗り続けていては危険です。






生き生き箕面通信391 ・今年の10大ニュース第1位は「政権交代」

2009-12-27 07:30:30 | 日記
おはようございます。今年もいよいよ押し詰まってきました。たくさんの課題が来年に持ち越されます。来年はひとつひとつ解きほぐしていく年にしたいものです。
生き生き箕面通信391(091227)をお届けします。

・今年の10大ニュース第1位は「政権交代」
 今年は「政権交代」を果たすことができました。それだけで政治的には大きな収穫があった年と評価したいと思います。「政治疲労」をきたしたポンコツ自民党政治。とっくに歴史的な使命を終えていました。本来なら細川政権発足とともに消え去るべきでした。

 ところが、「消費税廃止、国民福祉税創設」などという強引な手段で乗り切ろうとした唐突な深夜の記者会見。この”オザワの失敗”により、ゾンビのように自民党を甦らせてしまいました。

 ただこの細川政権で、将来につながるタネが播かれました。それが、中選挙区制から小選挙区制への移行という選挙制度の大改革です。この選挙制度で、一度は自民党が小泉選挙で歴史的な大勝利をおさめました。ところが、それから4年後の今年、ようやく有権者がみずから選択した鳩山政権発足へと結実したのです。思えば、選挙制度改革からの”失われた16年”でした。

 有権者は、いや国民はいま鳩山政権を注意深くみている段階です。支持率は低下傾向にあるようにみえます。

 しかし、政権支持率を浮上させる策があります。それは、国民とともに国づくりへ努力しようとする呼びかけであり、具体的な働きかけです。多くの国民が、国づくりへ参加することにやぶさかではないと考えているのではないでしょうか。国民は、この日本という国をいい国にしたいと思っているはずです。その力を引き出しさえすれば、幾多の困難を乗り切ることができるはずです。

 日本というこの国は、世界のなかで充分に役割を果たす潜在能力を持っています。世界から尊敬を受ける国を作る力を持っています。

 政権交代は、何かが変わってほしい、何かが始まってほしい、という投票結果でした。ハネムーン期間の100日は過ぎました。そして年が変わります。新年は、何かが始まる年にしたいものです。その第一は、普天間問題に代表されるアメリカとの付き合い方の見直し。本当に最も大切なのは、この国が何で食っていくのかという経済の舵取り。優れたテーマ、技術はあります。環境、医療、介護、農業……。財政再建。年金など将来への不安の解消。

 一人の人間が尊厳をもって生きていくには、職業を持ち、自分の食い扶持は自分で稼ぐ、それが根本です。その場を用意することは、鳩山政権の大変大事な緊急課題です。

 来年は、この国の活力を甦らせるために、それぞれがそれぞれの場で自分の役割を果たしたいものです。