おはようございます。
生き生き箕面通信1239(120430)をお届けします。
・野田首相が「日米同盟深化の旅」ならぬ、「御用聞き外交」へ出発
野田首相は昨日4月29日午後、オバマ米大統領と会談するため羽田
空港を出発しました。首相は空港で記者団に「日米同盟を深化させる
視点で臨みたい」と語りました。
しかし、日米間の懸案事項は、普天間基地の移転問題も進展がなく、
TPP(環太平洋経済連携協定)参加表明もできず、消費増税の先行き
も不透明さが増しているため、いずれも進展は期待できません。せい
ぜい、「オバマさまのご意向に添うべく誠心誠意努力いたします」と決意
表明し、ご意向をうかがう御用聞き外交です。
もちろん、日米関係は大事です。両国の関係を良好に保つことは日本
のリーダーたるものの重要な使命の一つであることはどなたも異存はな
いでしょう。しかし、世界の大事な関係国はアメリカだけではありません。
さしあたり、近隣のアジア諸国がさまざまな分野で重要度を増してきたこ
とは否定できないと思います。世界は大きく変わってきていますから、そ
れに対応することこそが求められています。バランスがとれた複眼思考
が欠かせないはずです。
ところが、日本の外交は相変わらずアメリカに偏り過ぎたままです。67
年前にアメリカに敗戦し、占領されて以来、戦後の「この国の形」はアメリ
カさまが与えてくれました。主権在民や基本的人権、言論の自由をうたっ
た民主主義にもとづく憲法もマッカーサーから与えられたものです。日本
自らの力では到底不可能だった農地解放も占領軍の絶対命令で実行さ
れました。抜本的な教育改革もなされました。税制もシャープ税制が施行
されました。
その過程で、アメリカ崇拝、アメリカ依存がすっかり定着してしまい、「も
はや戦後ではない」と言いつつも、その後も基本的には隷属関係が今日
まで続いています。外交を担う外務省内の力関係はアメリカ派が絶対的
位置を占め、ほとんどアメリカの出先機関の様相です。官僚ばかりでなく、
産業界でも学会でもいまだに「アメリカではこうなっている」と発言できるも
のが幅をきかせています。実質的な対米隷属関係は目には見えにくくても
継続中なのです。
政権交代し、民主党政権になっても、変わっていません。たとえば菅
直人氏は民主党代表に選ばれると、国会で正式に首相として選任され
る前にオバマ氏に「対米関係が最重要です」とあいさつの電話をする
”忠犬ハチ公”ぶりでした。
そして野田首相も参勤交代よろしく”忠犬ドジョウ”ぶりです。
そして、その旅をなんとか見栄え良く見せようと宣伝にやっきの大手紙
をはじめとする大本営広報紙の政治部記者の面々。新聞社の上層部は
どっぷりとアメリカの影響力下で育ってきましたから、アメリカのメガネで
ものを見るのが習性となっています。いまだにアメリカ偏重のモノの見方
から抜け出せません。
いまだに一層のアメリカ化が進められようとしています。TPPがその
決め手です。そうした中で日本は毎年3万人を超える人々が命を絶つ、
先進国の中でも飛び抜けた”自殺大国”となりました。日米同盟を深化さ
せる努力の陰で、独立した誇り高い国柄からは程遠い現状があります。
生き生き箕面通信1239(120430)をお届けします。
・野田首相が「日米同盟深化の旅」ならぬ、「御用聞き外交」へ出発
野田首相は昨日4月29日午後、オバマ米大統領と会談するため羽田
空港を出発しました。首相は空港で記者団に「日米同盟を深化させる
視点で臨みたい」と語りました。
しかし、日米間の懸案事項は、普天間基地の移転問題も進展がなく、
TPP(環太平洋経済連携協定)参加表明もできず、消費増税の先行き
も不透明さが増しているため、いずれも進展は期待できません。せい
ぜい、「オバマさまのご意向に添うべく誠心誠意努力いたします」と決意
表明し、ご意向をうかがう御用聞き外交です。
もちろん、日米関係は大事です。両国の関係を良好に保つことは日本
のリーダーたるものの重要な使命の一つであることはどなたも異存はな
いでしょう。しかし、世界の大事な関係国はアメリカだけではありません。
さしあたり、近隣のアジア諸国がさまざまな分野で重要度を増してきたこ
とは否定できないと思います。世界は大きく変わってきていますから、そ
れに対応することこそが求められています。バランスがとれた複眼思考
が欠かせないはずです。
ところが、日本の外交は相変わらずアメリカに偏り過ぎたままです。67
年前にアメリカに敗戦し、占領されて以来、戦後の「この国の形」はアメリ
カさまが与えてくれました。主権在民や基本的人権、言論の自由をうたっ
た民主主義にもとづく憲法もマッカーサーから与えられたものです。日本
自らの力では到底不可能だった農地解放も占領軍の絶対命令で実行さ
れました。抜本的な教育改革もなされました。税制もシャープ税制が施行
されました。
その過程で、アメリカ崇拝、アメリカ依存がすっかり定着してしまい、「も
はや戦後ではない」と言いつつも、その後も基本的には隷属関係が今日
まで続いています。外交を担う外務省内の力関係はアメリカ派が絶対的
位置を占め、ほとんどアメリカの出先機関の様相です。官僚ばかりでなく、
産業界でも学会でもいまだに「アメリカではこうなっている」と発言できるも
のが幅をきかせています。実質的な対米隷属関係は目には見えにくくても
継続中なのです。
政権交代し、民主党政権になっても、変わっていません。たとえば菅
直人氏は民主党代表に選ばれると、国会で正式に首相として選任され
る前にオバマ氏に「対米関係が最重要です」とあいさつの電話をする
”忠犬ハチ公”ぶりでした。
そして野田首相も参勤交代よろしく”忠犬ドジョウ”ぶりです。
そして、その旅をなんとか見栄え良く見せようと宣伝にやっきの大手紙
をはじめとする大本営広報紙の政治部記者の面々。新聞社の上層部は
どっぷりとアメリカの影響力下で育ってきましたから、アメリカのメガネで
ものを見るのが習性となっています。いまだにアメリカ偏重のモノの見方
から抜け出せません。
いまだに一層のアメリカ化が進められようとしています。TPPがその
決め手です。そうした中で日本は毎年3万人を超える人々が命を絶つ、
先進国の中でも飛び抜けた”自殺大国”となりました。日米同盟を深化さ
せる努力の陰で、独立した誇り高い国柄からは程遠い現状があります。