生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2138 ・沖縄知事選に対する朝日、読売両紙のそっぽな社説

2014-10-31 09:20:40 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2138(141031)をお届けします。

・沖縄知事選に対する朝日、読売両紙のそっぽな社説

 沖縄知事選が昨日10月30日に告示され、これを受けて新聞各紙は社説で論じています。朝日の見出しは「基地を正面から語れ」、読売は「『辺野古』で責任ある論戦を」でした。毎日は昨日取りあげ、「辺野古移設への審判だ」という見出しにしました。

 この3紙を比べると、読売はいわずと知れた、「辺野古推進のための仲井間候補支持」。「辺野古移設は、最も現実的な選択肢だ。実現には大きな意義がある」と、対米従属路線を強調しました。

 朝日の「基地を正面から語れ」という見出しは、結びで「『負担軽減』は本物か。知事選を通じて、沖縄の有権者はじっと見ている」としたように、普天間の負担軽減、沖縄の基地負担の軽減だけに焦点を合わせた社説です。

 今回の知事選は、そんな負担軽減だけに焦点を合わせれていればいいのでしょうか。負担軽減だけに焦点を合わせるということは、基地自体はその存在を認めるという立場です。

 戦後70年にもなるのに、自国の安全保障を「他国の基地」に依存するというのは、「日本はある国の属国である」ということを自認する以外の何物でもないといえないでしょうか。

 その意味では、朝日の社説も、核心をはずしたそっぽの社説となります。

 毎日新聞が、「辺野古移設への審判だ」と見出しでずばりと指摘している点は、読売などよりよほどましというといえそうです。

 最もまともな社説は、やはり東京新聞でした。「最大の争点は普天間飛行場の辺野古への『県内移設』を認めるか否かだ」と、きちんと指摘。その上で、安倍政権は、「辺野古移設を既成事実化しようとしている」と厳しく批判しました。

 とくに菅官房長官が「(辺野古移設は)過去の問題だ」と発言したことに異論を唱え、「負担の押し付けは沖縄県民に対する差別ではないのか」と、反駁しました。

 そして、「本土に住む私たちも同じ日本国民として、沖縄県民の苦しみから目を背けてはならない。今回の知事選を、沖縄の現実をともに見つめ、考える機会としたい」と結びました。

 今すぐに「アメリカの基地は出ていけ」と主張したところで、ほとんど共感を得られない状況であるなら、せめて「沖縄の核心」を直視することこだわることが欠かせないのではないでしょうか。

 


2137 ・日本の政府はなぜ働く人を不幸にする政策を取るのでしょうか――派遣法の改悪

2014-10-30 08:20:10 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2137(141030)をお届けします。

・日本の政府はなぜ働く人を不幸にする政策をとるのでしょうか――派遣法の改悪

 安倍政権は今国会で成立させる最重要政策を「労働者派遣法の改定」と定め、審議を急ぎ始めました。改定しようとするのは、派遣の期間を3年の有期とするか、あるいは定年まで働ける無期とするか、「どちらかを選べ」とするものです。

 安定して働ける「無期」を選べば、クビにはならないものの、「一生派遣」という道です。

 といって、「有期」を選べば、派遣先企業は3年ごとに派遣社員を変えればいい。

 いずれにしても、派遣先の企業にとっては、「一生安くこき使う」ことができる、おいしい”改正”なのです。経営者側にだけ”改正”であり、働くものにとっては”改悪”以外の何物でもない。

 本来、働くということ、労働とは、幸せをもたらすはずのものです。労働基準法は働く人の人権を守るための法律であり、「同一労働、同一賃金」を根本の理想としてきました。

 ところが、安倍政権が重要法案として推進しようとしていることは、経営者側には「ハッピー」だけど、働くものには「プア」です。

 本日10月30日付けの朝日新聞社説では、「目指すべきは均等待遇」という見出しを立て、「同じ価値のある仕事をしている人には同じ待遇を義務づける『均等待遇原則』を導入することだ」と、主張しています。

 「この原則があれば、派遣会社に支払うマージンが必要な派遣労働は直接雇用よりも割高になり、コスト目的で派遣労働を使うことへの歯止めにもなる」と、均等待遇原則の正当性を強調しています。

 ところが安倍政権は、やはり経営者側に立つ政権です。労働者側を犠牲にしても、経営者側に有利な政策を取る。労働行政は、厚生労働省の所管です。その大臣は、塩崎保久氏で、第一次安倍内閣では官房長官に抜擢された安倍晋三という男のお友だち中のお友だち。

 安倍政権の経済政策は、市場原理主義を根底の思想としています。市場原理主義は企業が利益を上げることを最善としています。企業の利益を最大にすることを最善とする思想ですから、それにもとづく労働政策は、「労働者は『使い捨て』もやむを得ない」という結論になるのです。

 決して、「同一労働、同一賃金」にはせず、「均等待遇原則など、とんでもない」なのです。

 その結果、派遣労働者の待遇が改善されることはなく、派遣法改定のあとは「結婚もできない労働者」や「子供がほしくても産めない家庭」が増えることになります。

 これがアベノミクスの本質ともいえます。

 


2136 ・猿芝居の日朝拉致協議

2014-10-29 10:36:01 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2136(141029)をお届けします。

・猿芝居の日朝拉致協議

 「何という猿芝居!」の感を受けました。拉致協議の模様を伝える本日10月29日の朝刊を見て、「ここまで国民を愚弄するか」という印象を強くしました。

 本日も”交渉”なるものを続けるそうですが、その結果は「結局、何もなかった」ということになるのがオチではないでしょうか。もちろん、「何もなかった」とは言えませんから、「『調査を急ぎ、誠実に答える』という言質を取った」くらいの発表はするのでしょう。

 政府が力を入れている問題解決の外交に対し、一市井の人間がこんな生意気な予測をするのは、とんでもないことです。

 しかし、拉致問題に対する安倍外交には、拉致被害者の家族でなくともハラが立ちます。北朝鮮にあしらわれ、カネをむしり取られるだけのように見えるからです。

 今回の交渉にしても、日本側はすぐに「制裁の一部解除」をしました。つまり、交渉に応じて頂くだけで「制裁解除」です。北側は何もせずにかなりの実利を得ました。

 今回の交渉団派遣は、女性2閣僚の同時辞任という”痛手”を薄め、世論の目をそらせるために急きょセットしたものでした。だから、充分な準備がされたうえでのものではなく、安倍政権側がいわば「会議に応じて下さい」とお願いして実現したものといえます。

 それも、体裁を整えるために、北の責任者に出席をしていただく。多分相当高い「出席代」についたことでしょう。

 北朝鮮は世界でも最も徹底した独裁国家のひとつ。拉致した人々の動静など、とっくに詳細をつかんでいるはずです。それをもったいぶってのらりくらり。

 日本側が、今後も人質代や、亡くなった方々のお骨をお返し頂くのに、高いお金を払うのを待つ。裏ではその金額交渉をしているのではないでしょうか。

 あくまでこれは推測です。しかし、安倍外交などはその程度のことしかできそうにない。要するに、「カネで解決する」です。

 いや、そんなことはない。本当の安倍外交の実力は大したもの。優れた手練手管を発揮して北朝鮮を追い詰めているはずです。一市井の人間などにおちょくられるようなそんな情けない外交のはずがありません。

 本日の交渉結果が楽しみです。期待に胸をふくらませて待ちましょう。

 


2135 ・漂流するアメリカ――機能不全のオバマ大統領

2014-10-28 09:27:47 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2135(141028)をお届けします。

・漂流するアメリカ――機能不全のオバマ大統領

 アメリカ上下両院議会の中間選挙が1週間後の11月4日(火)に迫ってきました。選挙となれば、いずこも同じ、相手陣営を必要以上に攻撃します。だから、妥協が成立しない。

 とりわけオバマ大統領の外交政策がやり玉にあがり、シリアやアフガン、あるいはウクライナ情勢などへの対応策が「なってない!」と、共和党側からケチョンケチョンにけなされています。

 国内の経済政策は相当うまくいっているのですが、それでもオバマさんが就任当初から力を入れてきた国民皆保険制度の導入など「オバマケア」はあまり人気がないそうです。

 足元の民主党の候補ですら、「大統領と同じ考えではない」と、オバマ離れが目立つとか。

 つまり、アメリカ国内では、まともな議論が成り立たないというきわめて深刻な状況が出てきたというのです。

 人口動態の変化によって、ヒスパニックなどを中心に若い世代は同性婚などにより寛容となるのに対し、従来からの「良きアメリカ」を大事にある保守層、とりわけ共和党支持者はより一層右に移行。

 この状況を、メディアはより過激な表現で取りあげるから、ますます対話が不能になる。メディアの視聴率稼ぎ等に代表される無責任な商業主義が、世の中を一層ギスギスしたものにさせている。

 アメリカの先行きが心配なのは、選挙後です。選挙が終わった後も、ねじれが解消するめどはまったく立っていません。アメリカ政治の機能不全は、むしろ拡大する形で続きそうなことです。

 立場の違いはあってもなんとか折り合いがつくよう建設的な議論を成り立たせることが、民主主義の基本ですよね。ところが、民主主義の守護神を自認していたアメリカで、建設的議論がこころもとなくなっている。ゆゆしきことです。

 しかし、振り返ってみると、日本でも建設的議論はほとんど見られなくなりました。いや、以前からすでに不毛な議論ばかりだったといえるほどです。国会論戦では、野党は言うだけ。政権党は適当にあしらって、「ハイ、採決」。数が多いから、「成立しました」。少数意見など一顧だにしない。数の横暴。現在では、「安倍暴走車」といわれるゆえんです。

 考えてみれば、世界中が建設的議論をうまく成り立たせることができず、漂流状態です。とりわけ国連の機能不全は、いまではそれが常態化して、改善しようとする努力すら目立ちません。

 その間にも、世界の矛盾はあちこちにほころびとなって表われています。危険です。最近の得体の知れない病原菌騒ぎ、エボラ出血熱などに対しても、あやしい陰謀説がささやかれています。

 この趨勢が続くと、平和な世界にたどり着く前に、ドンパチが始まりそうです。アメリカの国内に落ち着きが取り戻せなければ、話し合いで和平を確実にすることは困難です。

 せめて日本では、話し合いでまともな道を進む実績をつくりたいものですが、それは私たち一人一人の日常のありようにかかっているといえます。漂流する世界は、どこにたどりつくのでしょうか。

 


2134 ・消費増税に「反対」が、初の7割台へ

2014-10-27 10:01:04 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2134(141027)をおとどけします。

・消費税増税に「反対」が、初の7割台へ朝日新聞の世論調査)

 消費税増税に関する質問の調査結果が本日10月27日の朝刊に掲載されましたが、それによると、「賛成」は22%にとどまったのに対し、「反対は71%にのぼりました。

 記事は、「同じ質問は13年10月以降、計6回しており、これまでいずれも『反対』が6割を占めてきたが、今回初めて7割を超えた」と伝えています。

 アメリカからも、「消費増税は1年半くらい先延ばしすることが望ましい」と、増税延期論がしきりに伝えられています。

 しかし、財務省はあくまでも予定通り増税実施を主張して譲りません。最も鮮明に「予定通り増税実施」を強調しているのは、黒田東彦・日銀総裁ですが、この人間は財務省の大便をしているのです。

 黒田氏はもともと財務省に入省し、財務官を最後に退官、財務省が狙っていた日銀総裁のポストをまんまとせしめたのでした。日銀総裁としての立ち居振る舞いではなく、財務省代表としての立ち居振る舞いで押し通しています。

 増税を主張しているのは、内閣では麻生太郎・副総理兼財務相、そして自民党では谷垣禎一・幹事長という強力布陣です。このご両人はいずれも財務省の手のものです。

 これに対し、延期論を主張しているのは、安倍首相の経済アドバイザー役である本田悦朗・内閣官房参与。

 そして、メディアの世論調査の結果は、消費増税「反対」がいずれも6割を超えています。民主主義を標榜する政権なら、この「民意」を尊重する義務があるはずです。

 ところが、日本政治の真の権力は、「財務省」が握っています。総理大臣と言えども、よほどの体力がなければ財務省の意向に反することは実行不可能です。これが日本の政治の本当の姿です。

 安倍内閣に対する世論調査の結果は、今回の朝日新聞で、「支持する」が49%(前回46%)。

 昨日のこの箕面通信でお伝えしましたように、読売新聞では「支持」が9ポイントも落ちて53%でした。朝日の調査では、3ポイントですが、どういうわけか支持が増える結果となっています。とはいえ、「支持」が5割を割り込んでいることに違いはなく、「過半を割り込んだ支持率しかない内閣」という実体は変わっていません。

 安倍晋三という一日でも長く首相のポストにしがみついていたい男は、財務省の意向を押し切って「増税延期」を打ち出すかもしれません。

 しかし、その場合は、財務省が政権運営に非協力のサボタージュを決め込むので、やはり遅かれ早かれ暗礁に乗り上げ、ジ・エンド。

 その判断の時期は、7~9月期のGDP発表時と言っていますから、数字が良ければ11月17日の速報値段階で、悪ければ12月8日の改定値段階でとなるようです。

 多分12月8日になるのでしょう。奇しくもこの日は、日米開戦の真珠湾攻撃の日です。

 日本崩壊の運命の日が刻々と迫っています。