おはようございます。
生き生き箕面通信1713(130831)をお届けします。
・読売新聞が「来年の消費増税見送り」へ突然の転換――財務省vs読売の綱引き
「『来春の8%』は見送るべきだ」という大きな見出しが躍っていました。読売新聞の本日8月31日の社説です。普段は2本立てですが、本日は1本立ての大型社説としました。それほど強い主張だよ、という演出です。
事実、読売新聞グループ本社社長の白石興二郎・日本新聞協会会長自身が、政府が開く「消費増税点検会合」に昨日出席し、これまでの主張とは一転、「見送り説」を強調しました。
来春の消費増税は景気に悪影響がおよび、「日本の国力低下が進みかねない」からという理由です。さらに踏み込んで、「懸念されるのは、成長に伴って賃金が上昇し、雇用も拡大するというアベノミクスの好循環が実現していないことだ」と、珍しくまともな論を展開しています。
しかしそれにしてもおかしい。そもそも新聞業界がそろって、「消費増税をやれ」と主張したのは、まだデフレの真っ最中、野田内閣の時でした。そのときは、「このままだと財政が破たんする。ギリシャのようになってもいいのか」という財務省の主張そのままを繰り返していたではありませんか。
それが今回は、景気が上向いてきたといわれる中での、方向転換です。
もっとも、消費増税をあきらめよと言っているわけではありません。「再来年の15年に一度に5%アップして10%にせよ」という主張なのです。
異様なのは、「軽減税率を新聞にも」という小見出しを掲げて、あからさまに「新聞は増税するな」とクギを刺していることです。何かうさんくさい。考えられるのは、当然適用されるはずだった新聞への来年からの軽減税率を、財務省がどうやら見送ることにしたようなのです。
財務省にしてみれば、安倍政権は国会のねじれも解消し、向かうところ敵なし。もう新聞界の協力は要らない、ということでしょうか。財務省ならやりかねない豹変です。
新聞界としては、激怒です。「ようし、そっちがその腹なら、今回は増税見送りだ」と、なったのでしょうか。
有識者の意見を聞く会は、本日で一区切り。来週からは、財務省の「まとめ」による増税キャンペーンが始まりそうです。
消費増税をめぐる財務省vs読売新聞の綱引き、どちらに軍配は上がるのでしょうか。