生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2288 ・米国べったりだから「アジア投資銀」対応に大失敗した安倍外交

2015-03-31 10:22:56 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2289(150331)をお届けします。

・米国べったりだから「アジア投資銀」対応に大失敗した安倍外交

 雪崩を打つかのような「アジア投資銀行」への参加ラッシュ。今月3月に入ってイギリス、ドイツなどの欧州勢に加え、韓国など様子見グループが続々と参加を表明しました。

 アメリカべったりの日本は、アメリカさまからの顔色をうかがいながらズルズルしていて態度表明の機会を失し、気がついたら置いてきぼりになっていました。

 もっとも、日本はアジア開発銀行に最大の資金を出しており、これと競合するようなものが出来ることにもともと消極的でした。何より安倍外交の基底には、”中国封じ込め策”あり、なんとか中国の影響力を薄められないか、からの発想が主になっていました。

 問題は、膨れ上がってきたアジアの資金需要に、日本の金融力はどんな解決策を打ち出せたか、です。結局、解決策を打ち出せなかったのです。

 その間、不満を募らせた中国が独自の「開銀」を作ろうと動き出したときも、「なんとかなるさ」と問題先送りで真剣に考えようとしてこなかった。いよいよ、世界が中国主導の「アジア投銀」へ参加する流れが現出して、日本はウロウロするばかり。つまり、安倍外交の無策であり、大失敗です。

 安倍外交の基本にある”中国を封じ込めむ”という発想は、今後も続きますが、致命的に時代遅れです。だから、結果的に日本はますます置いてきぼりを食らうことになるでしょう。

 なぜ、中国と「平和共存」する道を模索しようとしないのでしょう。地政学上、日本と中国の隣国関係は互いに引っ越すわけにいきませんから、永久に隣国関係です。どんなに嫌いでも、国民の平和な生活を考えれば、腹の中はどうあれ、にこやかな友好関係を築くほかありませんよね。それが、大人の外交というものだと分かっているはずです。それでも、「ぼくちゃん、中国、キライ!」が、安倍という男の幼児性です。

 中国は、異常な伸びを見せる国防費で軍事力を強化する一方、世界的に決定的な影響力を行使できる金融力でも存在感を高める戦略です。「人民元」を徐々に国際的基軸通貨にする戦略です。他方、「円」の存在感は、相対的にどんどん薄れています。

 安倍晋三という男の意を受けて、高村正彦・副総裁がアメリカに飛び、カーター国防長官に、「安保関連法案を成立させます。国会の会期を延長してでも、今国会中に成立させます」と、誓ってきました。日本の国会にも説明はしていないにもかかわらず、日本人の生命にかかわる安全保障策をアメリカさまに”ご進講”する。

 世界の中におけるアメリカの位置が低下していることは、誰しも認めるところです。いままではアメリカ追従でなんとか泳いできましたが、これからもそれでうまくいくことはない。

 それに、「地球儀を俯瞰する外交」などとカッコつけても、中身は訪問国の数を増やすだけ、訪問国にはカネをばらまく。そうでなければ、原発輸出、武器輸出などを働きかける。

 しかし、国民の大多数が、自分の国の安全保障についてすら真剣に考えない習慣が身についてしまったようです。沖縄の辺野古にしても、結局、安倍政権の暴走、暴挙を止める「大衆力」は発揮しない。つまり、これからも安倍という男の思うままになるということでしょうか。

 


2288 ・沖縄を「核のゴミ捨て場」、あるいはアメリカに売り渡すって!? 麻生副総理は本気?

2015-03-30 08:10:28 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2288(150330)をお届けします。

・沖縄を「核のゴミ捨て場」、あるいはアメリカに売り渡すって!? 麻生副総理は本気?

 麻生太郎という男は真面目です。真面目に、「沖縄は、核のゴミのゴミ捨て場にしたらいい。あるいは、アメリカに売り渡せば、日本はもちろんアジアの安全に役立つ」と。

 FBにこんな投稿がありました。以下転載です。

 ◆ 麻生太郎副総理、沖縄県をアメリカに譲渡する意向を表明

 2015/03/29 11:28
 28日午後、麻生太郎副総理は共同通信社のインタビューの席上で、今後五年以内をメドに沖縄県をアメリカに譲渡する意向を明らかにした。ハワイやグアムのように、沖縄もアメリカ領土となる見通し。

 「中国の武力の脅威への対応のためには、それが一番だという結論に達した」と麻生は説明する。「沖縄をアメリカ領にすれば、もう中国は今までのような挑発行動はできなくなる。アジアの国々はアメリカから守ってもらえ、その平和は約束される。それによってアジア経済は大きく発展するだろう」

 その発言に対して沖縄の翁長知事は「許しがたい話だ。政府の沖縄に対する姿勢は理不尽極まりない」と憤る。

 現在、沖縄県宜野湾市の普天間飛行場を、同県名護市辺野古への移設を巡る問題で、国と翁長知事は真っ向から対立し、その争いの収束は見通せない状況。その中で、麻生が沖縄をアメリカに譲渡する意向を表明したことは、国の方針に反抗的な態度を見せる翁長知事に対しての制裁処置ではないかとの見方も、一部ささやかれている。

 それに対して麻生は「そういう意味合いは一切ない。ただ翁長知事が態度を改め、国に対して謝罪する姿勢を示せば、沖縄のアメリカ譲渡について、多少の手心を加えないでもない」と語る。

 「それはつまり、国の命令に素直に従うのであれば沖縄は日本の領土のままにしておいてやるが、そうでないならアメリカに売り飛ばす。そういうことですか?」との記者からの質問に対し、「そういうわけでもないけれど、まあイメージとしてはそれに近い」と麻生は答えた。

 沖縄に住んでいる人々に関しては、「全国の過疎地に移住していただく。そこで政府の指導のもと農業に励んでいただく。つまり沖縄をアメリカに譲渡することで、地域の過疎化も改善され、日本の農業も発展し、食料の自給率も上がる。沖縄のアメリカへの譲渡は最善の政策であると確信している」と麻生は説明した。

 最小限の武力しか保持できない日本が、軍事拡大の一途をたどる中国から自国を防衛するためには、その政策は仕方のないことなのだろうか。それに対する野党議員や翁長知事の今後の動向が注目される。

 以上、転載おわり

 もう一つ、麻生という男の”秘策”です。毎晩、酒をくらっているうちに、与太話と素面(しらふ)での話とがごちゃごちゃになってしまったす。沖縄を核廃棄物の最終処理場にしようという話です。

 以下、転載です。

 ◆これって、真実? あり得ない話ではないが……。麻生太郎副総理、沖縄に核廃棄物の最終処理施設の建設を指示。また、超ド級のアホ登場 

 26日午後、共同通信社の取材で、麻生太郎副総理が沖縄県宜野湾市への核廃棄物の最終処理施設の建設を、関係職員に指示していることが明らかになった。


 現在、宜野湾市にある普天間飛行場は、名護市辺野古への移設作業が進められている。移設作業については、沖縄の翁長知事が反対の意を表明しており、移設作業の即効停止の指示も出している。しかし国側はその指示に正当性は無いとして、それには従わず、作業は粛々と進められている。

 普天間飛行場の移設が完了した後は、その跡地に核廃棄物の最終処理施設の建設が予定されている。しかしその計画が、翁長知事の反抗的な態度により、遅々として進まない現状に対し麻生は、「何やってんだ、うすのろめ」と、憤りを隠さない。

 最終処理施設の建設に関しては、米軍基地と同様、沖縄県に集中させる方針を、与党は固めている。「ここいう問題は全部、沖縄に引き受けていただく」と、麻生は語る。

 そのコメントに対し、沖縄の翁長知事は激怒して、麻生に会談を申し込むも、麻生は一切会おうとしない。政府のすることに反抗的な態度を見せる翁長知事のことを、麻生はひどく嫌っており、「あんな奴とは一言だって喋りたくない」と周囲に吹聴している。

 記者の「どうしてきちんと話し合わないですか?」という質問に対して麻生は、「だってあいつ、選挙で勝つために、普天間飛行場の移設に反対したりなんかして、そんなの、非国民だよ。選挙で勝つためには何を言ってもいいのかといいたくなるよ。だって、普天間飛行場の移設が絶対必要だってこと、小学生でも分かるじゃないか!」と、麻生は憤る。

 「選挙で勝つために適当なことを言って、今度はそれを実行しようとしやがる。すべてポーズですよ。僕に言わせれば。彼だって、そんなむちゃくちゃなこと、国が容認できるわけがないことは、分かりきっているんだよ。それなのに抜け抜けと、『会談しましょう』とか言ってくる。まったく、タチの悪い生き物ですよ、あいつは。あんなやつとは、会談したら負けですよ。徹底的に無視してやるのが一番です」と麻生は言う。

 「沖縄には米軍基地と最終処理施設は責任を持ってきっちりと受けもって頂く。そういう問題は全部沖縄の担当だ。専門分野だ。その役割を日本のためにしっかりと果たしてもらいたい。くだくだ文句ばかり言って、他の都道府県に迷惑をかけるのはやめてもらいたい」と麻生は語る。

 核廃棄物の最終処理施設を沖縄に集中させることを決定したことで、原発推進の障害となる大きな問題の一つを、政府は解決することができた。後は翁長知事の抗議をうまくあしらうことができるかどうかが、今後の政府の課題である。

 記者・東河 


 以上、転載おわり

 沖縄はいま、辺野古の基地建設をめぐって、ひとつの正念場です。知事が工事差し止めを命令したのに対し、安倍政権側は菅義偉という官房長官がすぐさま、「命令は無効」と言い放ちました。これで決まり。

 本来の管轄は、農水省だそうですが、それを飛び越えて官房長官が裁断しました。あとから判断することになった農水省として官房長官判断をくつがえせるわけもなく、「知事命令は無効」とすることにしました。もちろん、菅裁決がなくても、農水省が官邸の意向に逆らうことはない。

 最新鋭の米軍基地を日本国民の税金によって、造って差し上げる。沖縄は、「米軍基地の島」です。占領時代から今も、実質的には占領状態が続いているのと変わらない。

 麻生太郎氏にとっては、「それならいっそ、アメリカさまにプレゼントしたらどうか」という”大盤振る舞い”の発送になったようです。
 

2287 ・「安倍首相は暴走族」と”喝破”した朝日新聞社説

2015-03-29 11:37:25 | 政治
おはようございます。
生き生き箕面通信2287(150329)をお届けします。

・「安倍首相は暴走族」と”喝破”した朝日新聞社説
 
 「安倍政権の激走」が、朝日新聞本日3月29日の社説見出しでした。本当は、「激走」ではなく、「暴走」としたかったところでしょう。

 本文では、「『今』がすべて。どこに向かっているのか、なぜそんなに急ぐのか、危ないではないかと問うても、いまこの走りを見てくれ、こんなにアクセルを踏み込める政権はかつてなかっただろうと答えが返ってくる。とにかく前へ、ここではないどこかへと、いま必死に走っている最中なんだ、邪魔をするのかと、あらゆる批判をはねのける」と、安倍暴走族の姿を描きました。

 そして安倍暴走族は日本を、「ブレーキの無い車のクラクションが鳴り響く社会」にしてしまった、とも。

 ”世界の良心”と信頼されているノームチョムスキーさんは、「安倍首相は日本国憲法9条を変えようとしており、最悪だ」と、厳しく批判しています。

 世界の良心のある多くの人から、「安倍首相は危ない。何をしでかすか分からない」と、非常に警戒されるようになっています。

 「報道ステーション」のコメンテーターだった古賀茂明氏(元経産官僚)が、クビにされる最後の日に、またクビニされるきっかけとなった問題のプラカードを出して、安倍批判を展開しました。このプラカードが、いまでは印象が薄くなったパリの風刺週刊紙に共感するプラカードを一ひねりしたものであることはもちろんです。
 
松田 隆与志さんの写真

 社会の中に「安倍批判」は満ち満ちていますが、それでも安倍支持は50%ほどを維持しているようです。
 
 朝日新聞の社説は、「いま、この社会に生きる一人ひとりにも、できることはあるはずだ」と、結びました。これは、私たち一般の人々に、責任を丸投げしているようなきらいも感じられます。しかし、見方を変えれば、「安倍打倒に、いまこそ立ち上がれ」と、ゲキヲ飛ばしたとも受け取れます。つまり、「安倍の暴走を止めよう。安倍を打倒しよう」という呼びかけです。

 日本社会を救い、次の世代の人々に安心して暮らせる社会を引き継ぐには、「安倍内閣打倒」が必須です。避けて通ることはできないですよね。
 

2286 ・安倍官邸が4月の番組改編を機になりふり構わずテレビ支配

2015-03-28 10:23:26 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2286
(150328)をお届けします。

・安倍官邸が4月の番組改編を機になりふり構わずテレビ支配

 安倍官邸のマスメディア支配の動きが露骨です。その背景は、4月以降は重要な政治日程が立て込んでいるため、その前にメディアを完全に抑えておきたいという官邸の事情があります。

 NHKの夜9時の看板番組、「ニュース9」の大越健介メイン・キャスターが”更迭”されました。原発事故の現場に飛び、「原発については慎重の上にも慎重に考える必要があるのではないでしょうか」とリポートするなどが、安倍首相の感情をことごとく逆なでしたのだそうです。

 籾井勝人というNHK会長に、官邸筋から矢継ぎ早にクレームがつき、籾井氏は局内の反籾井派を更迭しました。その流れの中で、早めに「大越を切る」ことが規定路線となり、4月の番組改編を機に実行されたものだと言われています。

 実は、この籾井支配に危機感を募らせたNHKのOBが署名運動を起こし、NHK始まって以来の7万通もの署名が寄せられた。OBたちは署名に賛同するよう大越キャスターに働きかけた経緯があり、その動きを察知した籾井派が手を打ったとも伝えられています。

 4月の統一地方選に続き、大型連休明けにはいよいよ集団的自衛権の行使のためのさまざまな安保法制改定案が上程され、審議が始まります>

 「大越を切れば、そのあとのキャスターも『分かっているよね』ということにできる」というのが、籾井という男のやり方です。

 ABCテレビ(大阪など)の「報道ステーション」では、今月3月27日を最後に、コメンテーターの古賀茂明氏が切られました。古賀氏は番組の中で、「I am not ABE」というプラカードを掲げてべ首相を批判した硬派の下経産官僚です。

  
 
 すでに、テレビ、新聞は、編集人が萎縮し、現場の記者も、局内で実際に読者や視聴者に届ける内容を扱う段階で、政権側の意向を忖度しています。だから、最近のニュース番組はまったく面白くありません。お上の情報伝達ニュースが、それがニュースであるかどうかは別として面白いはずがない。かつてのソ連のイズベスチヤや、中国の人民日報が面白くないのと同じです。

 このようなメディア空間で、集団的自衛権をはじめとする安倍法制が次々に成立させられ、国民はその法律に縛られます。なにせ、安倍氏がいう「わが国は法治国家だから」なのです。

 最近は、まだ少し元気な、東京新聞や週刊誌、ブログなどで情報収集するしかありません。私たちは、耳をそばだて、鳥の目で高い所から俯瞰すれば、まだ事の成り行きをつかむことができます。そうした一人ひとりの努力がいよいよ欠かせなくなっています。
 

2287 ・世界の良心・チョムスキー氏が、安倍首相をこっぴどく批判

2015-03-27 09:10:37 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2287
(150327)をお届けします。

・世界の良心・チョムスキー氏が、安倍首相をこっぴどく批判

 日本の現在を、「ブレーキのない車のクラクションが鳴り響く社会」と描きました。

 「『いま』がすべて。どこに向かっているのか。なぜそんなに急ぐのか、あぶないではないかと問うても、いまこの走りを見てくれ、こんなにアクセルを踏み込める政権はかつてなかっただろうと答えが返ってくる。とにかく前へ、ここではないどこかへと、いま必死で走っている最中なんだ、邪魔をするのかと、あらゆる批判をはねのける。奇妙な論法が横行している」とも描写しました。

 「情けないのは抑制や自制という権力の作法を身につけず、けたたましいクラクションを鳴らして走り回る首相の方である」とも記しました。

 以上に引用したのは、朝日新聞の本日3月29日の「安倍政権の激走」と題した社説です。この社説で浮かび上がらせる安倍晋三という男の姿は、一時期の暴走族もかくやと思わせるならず者です。やみくもにクラクションと鳴らして騒がしく走り回り、ヒトの安心を妨害する輩です。

 しかし、そんな社会にさせるにいたった大きな責任は、メディア自体にもあるのですが、それについては、「メディアが耳をふさいでやり過ごしてならない」と、申し訳程度にふれています。

 そして、結論は、「この社会に生きる一人ひとりにも、できることはあるはずだ」としました。これは私たち一般庶民に責任を丸投げしたようにも見えますが、見方を変えれば、「安倍政権打倒へ立ち上がれ」と、ゲキを飛ばしたものとも受け取れます。おそらく安倍政権側は、「朝日がいよいよ『打倒安倍』の旗色を鮮明にした」と受け取ったことでしょう。

 安倍政権の危険性については、世界のリベラル勢力が信頼するノーム・チョムスキーさんが、「安倍首相は、日本国憲法の9条を切り捨てようとしており、最悪の首相だ」と、厳しく批判しています。以下に、フェースブックに投稿されたものから引用します。

 

2015-02-17 | 社会思想

 

  「生成文法や言語生得説で著名な言語学者のノーム・チョムスキー氏は、アメリカという一国家を超えた「世界の良心」と呼ばれる存在ですが、彼は、現在の日本の危うさをもたらしている「ウルトラナショナリストの安倍晋三」を強く批判しています。

   2分50秒に凝縮された〈行動し発言する碩学〉の言葉をぜひお聴きください。

 https://www.youtube.com/watch?v=wbUqrajckxs#t=17

  以下に、書き起こした文章も貼り付けます。(書き起こしの労を担われたのは、setsuo fujiwaraさんです。改行と太字は武田)

  「日本は現在、ある種のウルトラナショナリストの首相とその政権が支配しているわけですが、この人物は明らかに、9条(憲法の平和主義条項)を切り捨てようとしているわけですが、私は最悪だと思います。

 アジアの人々たちは、まだいくらか日本帝国主義についての記憶が残っているわけです。

 それからもう一つ、日本では長い間、自国のアジアにおける戦争犯罪を過小評価しようという試みがなされています。歴史家の家永三郎氏はそうした中で、最低限の事実を歴史教科書に含めようと闘い、いくらかの進歩があったのですが、それがまた後退してしまいました。たとえば南京虐殺否定論であるとか、そんなような類です。

 ちなみに、この土台はアメリカによって作られたのです。戦後、アメリカは単独で日本を占領しました。本来ならば全ての戦争関係国を含む極東委員会による統治であったはずでした。アメリカはそれを全部追い出して単独で勝手に占領支配したのです。それから対日講和条約として、1951年にサンフランシスコ講和条約が結ばれました。

 この講和条約は日本の戦争犯罪を告発していますが、良く見て下さい。その戦争犯罪とは1941年12月7日(真珠湾攻撃)からのものなのです。それ以前に行われた10年間の恐ろしい犯罪は一切考慮されないのです。

 なぜですか。結局、それはアジア人に対する犯罪だったからです。ジョージ・オーウェルの言葉を借りれば「非民(unpeople)」というわけです。1941年12月7日(真珠湾)は違いました。それは「人間」に対する犯罪だったからです。

 この講和条約の内容はあまりに恥知らずなものであり、当時のアジア独立国は会議出席も拒んだほどでした。インドも拒否しました。セイロンは当時イギリス植民地であったため出席しなければならず、フィリピンは義務的に出席せねばなりませんでしたが。しかし独立していたアジア諸国は出席を拒否しています。そして、それが土台になっているわけです。

 さらに言うと、1947年の有名な「逆コース」によってアメリカは実質的に戦前の日本の体制を復古させ、社会に存在していた民主的な要素を壊していきます。それが日本はこういった復古的政策を維持し続けることができるようになった基盤になってしまったのです。私はこれは物凄く悪いことであると思います。それは別に中国が今やっていることを褒めるということではありませんし、ベトナム等に対して中国が現在行っていることなど本当に酷いものだと思いますが、それは別の話です。日本が平和主義憲法を捨てるということについて、私は非常に危険なことだと思います」

  (注)1947年の「逆コース」とは、日本国憲法案などをつくったアメリカ民生局の民主主義派から、タカ派のトルーマン大統領の国家主義派(日本を対ソビエトの防波堤にする)への転換のことを言います。占領からわずか2年もたたずしての急旋回は、その後のさまざまな矛盾の原因となり、戦前の日本権力者たちの復古的な保守主義を再興しました。A級戦犯の安倍の祖父(岸信介)が戦後に総理大臣になることができたのも、いま安倍首相が強権をふるえるのも、「逆コース」ゆえです。(武田康弘)

 以上、引用おわり

 こんな首相を、日本の国民はいつまで許すのでしょう。それにしても、安倍晋三氏に取って代われる「期待の星」が乏しいのはいかにも情けない。民主党には期待できないし、共産党もだめ。小沢一郎氏の存在意義をきちんと評価できる政治風土に代わっていかなければ、日本の夜明けはまだ先になりそうです。