生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1501 ・「決めるのはキミだ」というラップ――「右」路線にブレーキを

2013-01-31 07:21:41 | 日記

おはようございます。                                                                               生き生き箕面通信1501(130131)をお届けします。

・「決めるのはキミだ」というラップ――「右」路線にブレーキを

 「原発ゼロを見直す」と明言した安倍首相。「原発をゼロにはしない」というその心は原発推進です。一方、国会の代表質問で、「憲法改正を」と求めた日本維新の平沼赳夫・国会議員団代表。野党の日本維新が与党・自民党にエールを送ったことを意味します。この二人が国会での発言を通じて浮かび上がらせた空気は、、安倍首相が「右寄り路線」にますます自信を深めている構図です。

 平沼氏は、「日本再生のため頑張って頂くことを祈念している」と、安倍首相にハッパをかけました。平沼氏は長年主張し続けてきた憲法改定がようやく実現性を見せてきたと意気込んでいます。安倍首相は、夏の参院選がすむまでは憲法改定であまり正体を見せずにおとなしくしており、参院選で勝利を得てから、本格的に憲法改定に取り組む作戦です。

 安倍首相は、代表質問で海江田万里・民主党代表と平沼氏の野党二人の質問を軽く受け流すことができたことで、政権運営に自信を深めたように見受けられます。前回、代表質問を受ける直前に体調を崩したという理由で政権を投げ出した時と比べると、様変わりの余裕しゃくしゃくです。余裕しゃくしゃくで、どんどん右寄りに針路をとっています。

 どうすればいいのでしょうか。

 そのヒントを、本日1月31日の朝日新聞朝刊に見つけました。作家 高橋源一郎氏の「対話するのはキミだ」(13面)と題する論壇時評です。その中でライムスターというラップ歌手の「ダーティーサイエンス」という曲が紹介されていました。この「汚れた科学」という曲は、「選ぶのはキミだ。決めるのはキミだ。考えるのはキミだ。他の誰でもないんだ。……The choice is yours」と訴えているそうです。

 まさしく「決めるのは私たちです」。「考えるのも、選ぶのも、私たち」のはずです。ところが実際には、「決められている私たち」がいるように感じます。「作られた空気に乗せられて、流されていく私たち」がいる、ように感じるのです。

 ご存じのように民主主義は、自立したそれぞれの人が、自分の頭で考え、選び、そして決めることが大前提です。乗せられ、流される、つまり他人任せのところに民主主義は成り立ちません。それは衆愚以外の何物でもない。

 本物の民主主義が成り立たないようにしている罪つくりの張本人の一つは、マスメディアです。朝日新聞であり、読売新聞であり、NHKです。真っ当なことを伝えようとする人々を、意識的に排除し、御用評論家、御用コメンテーター、御用学者を登場させ、私たちの判断を誘導します。この誘導システムは、ますます磨きがかかり、知らず知らずの間に、既得権益勢力が望む方向へ進むように仕向けられています。

 「The choice is yours」なんですが……

 

 


1500 ・拝金主義の安倍予算

2013-01-30 07:21:55 | 日記

おはようございます。                                                                                生き生き箕面通信1500(130130)をお届けします。

・拝金主義の安倍予算

 安倍政権は昨日1月29日に、来年度予算の政府案を発表しました。最大の力点は、「デフレからの脱却」であり、「経済再生」です。本来、予算というものは、「こんな国にしたい。こんな社会にしよう」という大きな目標が先にあって、それを実現するためにはこれにいくらいるという形で編成するべきものです。

 ところが、安倍政権はそうした絵を示さないまま、公共事業にいくら、防衛にいくら、という組み方です。もちろん、後ろでは財務省が首を縦に振ったり、横に振ったりして、交通整理した結果です。

 目立つのは、相変わらず既得権益グループの予算分捕り合戦です。公共事業では道路族などが、防衛予算では防衛族が暗躍した結果です。「カネのにおい」がするところに、族議員が群がり、国家予算をむさぼる。そこはカネまみれの奪い合いです。とても、「この国の形」などを想定した格調高い予算編成からは程遠く、評価できません。その予算配分で、財務省はますます各省庁の官僚に対し、また与党系国会議員に対し、力を振るうことになっています。このようにして、財務省官僚がこの国を牛耳る形が確固となっていきます。

 仮に、デフレから脱却できたら、全てがハッピーになるのでしょうか。安倍政権にとっての「デフレからの脱却」とは、政府が望む2%のインフレ実現が理想の姿のようです。しかし、インフレはインフレ。庶民にとっては、給料や稼ぎが元のままなら、インフレの値上げ分だけ、当然のことながら生活は苦しくなります。インフレ・ターゲットの2%分は、私たち庶民には形を変えた増税と同じ作用をしますよね。

 問題は、国会です。国会は国権の最高機関と憲法に規定していますが、実はその役割を放棄したままです。日本が進むべき道に対する合意形成ができないまま、党利党略の駆け引きばかりにエネルギーを費やしてきました。いい加減にしてほしいものです。国会が本来の機能を果たすべく、きちんとした議論ができるようにならなければ、実質的には多数を握った与党の「独裁政治」が進むことになるだけです。

 今朝の新聞の社説を見ても、こうした問題意識は薄い。朝日新聞は一応、「国会の役割は大きい」としました。しかしその後がどっちらけです。「首相のいう『機動的な財政政策』のもとでバラマキがないか、徹底的にチェックしてほしい。まずは補正予算案だ。公共事業費が焦点になろう」と強調しました。つまり、国会を単なるチェック機関におとしめているのです。国会に国権の最高機関という地位は認めていない。これが日本を代表すると辞任するジャーナリズムのレベルです。

 しかし、それも私たちが許しているからです。私たち自身が国政に関心を持ち、政治的なレベルを高めなければ、この国は良くならないし、民主主義も息絶えていくだけです。

 

 


1499 ・課題から逃げた所信表明演説――おぼっちゃま総理の感覚

2013-01-29 06:56:02 | 日記

おはようございます。                                                                              生き生き箕面通信1499(130129)をお届けします。

・課題から逃げた所信表明演説――おぼっちゃま総理の感覚

 安倍首相が就任後初の所信表明演説を昨日1月28日に行いました。一言で言えば、肩透かしで内容の少ない”おぼっちゃま演説”でした。今朝の各紙の評価も、朝日新聞は「参院選にらみ安全走行」(2面)、読売は「安倍カラ―封印」(3面)と、物足りなさを表明しています。

 物足りなさを感じさせるのは、初の所信表明であるにもかかわらず、待ったなしの課題である「尖閣などを含む対中国政策」、来月には訪米する際の「TPP(環太平洋経済連携協定)参加問題」、あるいは「原発と再生エネルギー問題」などにまったく触れず、知らぬ顔で押し通そうとしたからです。

 安倍首相は、経済や震災復興、外交・安全保障、教育の四つの「危機」をあげ、「危機突破」が重要だと強調しました。それならなおさら待ったなしの課題に対し、どう危機を突破するのか、を語らなければ整合性が取れません。しかし、「経済再生」だけに特化したような演説で、「教育」にいたっては触れずじまい。

 全く納得できないのは、「雇用問題」にきちんと触れなかったことです。首相は、前回投げ出した総理の座に戻ってきたのは、「深き憂国の念」からだと大見えを切っています。「どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならない、日本経済の危機」を救うためだそうです。「今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、真っ当な社会を築いていこうではありませんか」とも呼びかけました。それなら、「雇用の場」をどう確保するのか、基本だけでも提示するべきではないでしょうか。

 働く場を探して苦労している若者がどれほどいるか。100社、200社と就職活動をしても、働く場を見つけられない、雇ってもらえない。人生の門出から、「負け組」のような社会の扱い。悩み、苦しんでいる、働きたい人の群れ。

 春闘は本日、経団連と連合のトップ会談で本格的にスタートします。働く者側の連合の要求は「1%の給与引き上げ」とささやかなものです。ところが、経団連側は「ベアの余地はなし。提唱も延期や凍結」と、つれない姿勢です。企業側は、260兆円もの内部留保を溜めこんでおり、懐はカネがいっぱいであるにもかかわらずです。その1%を出すだけでも、状況は良くなるのですが、「ノー、ノー」なのです。

 働く場、そして給料を改善せずに、何が「経済重視」ですか。経済の語源が「経世済民」であるように、世の中を潤すことが経済の意義です。国民の生活のために経済があるのではないでしょうか。国民は消費増税で絞り取られ、企業は減税で懐が潤う、そんな政策をやろうとしているのが、安倍政権です。

 むずかしい課題には触れずに、言葉だけ「努力したものが報われる社会」などといってのけるノーテンキさ。困難で、国論が割れる課題からは逃げる、おぼっちゃま気質丸出しと感じます。少なくとも、本当に国民を大事にする社会をつくろうとする熱意は、感じられません。

 

でも、


1498 ・困窮者はより貧しく、富める者はより豊かに――アベノミクスの正体

2013-01-28 06:46:34 | 日記

おはようございます。                                                                              生き生き箕面通信1498(130128)をお届けします。

・困窮者はより貧しく、富める者はより豊かに――アベノミクスの正体

 安倍内閣は明日1月29日に、補正予算案と来年度政府予算案を閣議決定します。そのための大枠を昨日、大臣折衝で最終調整しました。目立つことは、まず防衛費を今年度より400億円増やして、11年ぶりに増額に転じたことです。もう一つは、生活保護費を670億円減らすことです。

 つまり、生活困窮者に回す分を取り上げて、防衛費に回す形といえます。安倍政権は「安全保障が重要」であり、社会保障は「自分の面倒は自分でみるのが原則」という政治哲学なのです。生活保護世帯は96%、つまりほとんどの世帯が影響を受けます。とくに、子どものいる世帯の減額が10%ほどになるので、子どもの教育費を削らざるを得ません。明日の日本を担う子どもたちが、十分な教育を受けられないおそれが多分にあります。

 ある芸人の母親が、生活保護費を”不正”受給していたと話題になり、いわゆる不正受給が大きく取り上げられたことがあります。いかにも多くの不正受給があったような印象を植え付け、今回の生活保護費減額に結び付けました。しかし、実際の不正受給は、せいぜい1%以下とされています。

 憲法を持ち出すまでもなく、「文化的にして最低限度の生活」を保障することは、社会の安寧を保つために欠かせない政府の義務のはずです。格差社会を少しでも緩和するためになくてはならないセーフティ・ネットのはずです。

 富裕な層の税も少し上げますが、生活に響く度合いは話になりません。税金に群がるシロアリ官僚族も、のうのうと守られています。結局、格差は開く一方です。

 社会の安定は、中流家庭の厚さによるといえます。貧困家庭の厚さによるものでないことは、いうまでもありません。

 アベノミクスを推し進めるための安倍首相の経済ブレーンは、グローバリズムを推進する政策理念の人々で固めています。つまり、ますますアメリカ型社会へ近づけようとする人々です。「1%vs99%」の社会へ持っていこうとしています。「努力する者が報われる社会」の実体は、1%vs99%です。

 安倍首相は本日、所信表明演説を行います。真の意味での「平和で安定した日本をつくる」と約束してくれるでしょうか。

 

 


1497 ・保阪さんが進める世田谷区発のエネルギー改革

2013-01-27 07:24:29 | 日記

おはようございます。                                                                                生き生き箕面通信1497(130127)をお届けします。

・保阪さんが進める世田谷区発のエネルギー改革

 世田谷区長の保阪展人さんが、自分たちからエネルギー改革を始めようと意欲的に取り組んでいます。基本はエネルギーの地産地消です。こう言っています。「電力の消費者としての立場にとどまるのではなく、世田谷区内で自前のエネルギーを掘り起こしていこうという発想です」と。月刊誌「世界」2月号に「世田谷区発のエネルギー改革」のタイトルで寄稿しています。

 それによると、最も力を入れている政策の一つが、昨年2012年7月から「世田谷ヤネルギー」という事業です。世田谷区民に太陽光発電システムを安く提供し、自前の発電を促進しようとするものです。具体的には、区の地方公社である「世田谷サービス公社」という株式会社が窓口となり、太陽光発電システムを安く販売しているのです。

 普通は約200万円かかる設備設置を、初期費用80万円前後で設置できるようにしたのだそうです。仕組みはこうです。まず、公社が設備のまとめ買いをすることで、約50万円の値下げを実現。さらに国と都の補助金をつければ、初期費用が80万円(標準モデル122.5万円、初期費用76.6万円) ほどで済む。その結果、「約2000人の区民から問い合わせがあり、そのうち600人近くから見積もりの申請を受けています。予想以上の申請があったため、見積もりや設置に時間がかかり、現在約200軒契約されています。この件数でも、太陽光発電の業界にとっては、過去に例がないほどの画期的な規模だと聞いています」と記しています。

 保阪さんは、「3.11後」に気づいたこととして、「電力を使う側、つまり私たち消費者の側に電力使用をコントロールするという発想がなかった」ことをあげています。だから、まず「電力の地産地消」に取り組み始めたのです。

 また、「自分の家をどのように『省エネリフォーム』したらよいか、たとえば、太陽光を設置するか、太陽熱を設置するかなどを、専門的な知見からアドバイスする人材を『エネルギー・コンシェルジュ』として育成していきたいと考えています」とも。

 世田谷区は、こうした取り組みをさらに具体的に進めるために、国の『環境モデル都市』にも応募しています。電力の選択を自由化することで、再生可能エネルギーを下支えすることになると考えています」と、さまざまな可能性を追い求めています。

 保阪さんは、今年、原発ムラからのすさまじい逆襲を予想しています。しかし、いまや国も電力自由化の流れを食い止めることはむずかしくなっています。保阪さんは、「ならば、(電力を)使う側から、その自由化の流れを加速し、現実的に原発推進の構造に対抗することができるはずです」と、主張しています。

 世田谷区の人口は約88万人。山梨県の86万人、佐賀県の85万人、福井県の80万人などを上回る人口です。世田谷区でできることは、他の自治体でもできるはずです。もちろん、ボクが住んでいる大阪の箕面市でもです。

 保阪さんは、生協とも話し合いを続け、「電力の共同購入」の可能性を検討しています。さらに、一般の区民との話し合いの場も、コーヒーなどを飲みながらリラックスした雰囲気で行う「ワールド・カフェ」方式の議論も続けています。

 原発ムラの逆襲を阻止しつつ、他方では、自分たちができる使う側からの電力改革も求められています。