生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信744 ・中国の「女工哀史」――10年後の改善に期待

2010-12-20 06:29:34 | 日記
おはようございます。菅首相は小沢一郎氏と今日会談し、政倫審への出席を促すようです。断られれば、出席するよう議決し、それでも応じなければもっけの幸いと除籍して追いだすつもりです。小沢氏を追い出して、公明党と組めば、来年の通常国会も乗り切れるというハラづもりです。どうなりますか。
生き生き箕面通信744(101220)をお届けします。

・中国の「女工哀史」――10年後の改善に期待
 
 「女工哀歌」という90分ほどの長編ドキュメントを見ました。「レイバーフェスタ2010おおさか」というドキュメントやビデオを上映するイベントが昨日、大阪市内のエルおおさかで開かれ、そこで上映されたものです。

 半世紀前の日本にもあった「近江絹糸争議」(1954年)のエレジー(哀歌)をほうふつとさせるものでした。その日本は経済成長とともに働く者の立場が一応向上し生活水準も改善して、世の中が落ち着いてきました。

 ドキュメント映画の内容は、ジーンズ縫製工場で働く16歳くらいの農村からの出稼ぎ女工たちを描いたものです。2005年の作品ですが、当時の少女たちの時給は7~8円程度で、月給は3120円から7800円くらい。納期が迫ってくると、一日20時間労働、あるいは完全徹夜労働もまかり通る実態を描いていました。賃金の未払い、給料の遅配も珍しくない。

 映画制作の過程では、中国当局から映像を没収されたり、取材拒否を受けるのはざらだったそうです。

 中国の劣悪な労働環境の背景には、アメリカなど先進国の単価引き下げ要求があります。アジアの国に安いジーンズを押し付けているのは、リーバイスやエドウィンといった世界的な大手メーカーであり、ウォルマートなどの大手小売業です。つまり先進国が途上国を”搾取”する構図は現代も厳然と生きています。世界の工場となった中国ですが、ベトナムやビルマ(軍事政権は勝手にミャンマーと変更)との競争もあり、工員たちには超低賃金を押し付けるという構造があります。

 しかし、したたかな中国ですから、経済発展を遂げつつ、働く者の生活改善も進まざるを得ない。かつての日本がまさにそうでした。

 中国も10年先には大きな変貌を遂げているのではないでしょうか。そんな中国を見てみたいとも思わされた映画でした。10代の女工さんたちが、給料をめぐって経営者側に集団で詰め寄る場面もありました。今年は日本の進出工場で、ストが頻発しました。工員さんたちは、携帯電話で連絡を取り合い、情報を交換する手段を手に入れました。それは、労働組合の体質を変え、工員さんたちの労働者としての権利向上、生活改善に役立つはずだと思われます。

 そのことは、めぐりめぐって他の国との間に紛争が起きても、武力で解決するのではなく話し合いで克服する方向へ近づくのではないかと期待されます。

 10年先、20年先のことを考えれば、日本が「中国脅威論」に右往左往して、軍事力増強に血眼になるのはいかがなものでしょうか。