生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信741 ・企業献金と引き換えに企業減税。個人は増税の菅政権

2010-12-17 06:20:33 | 日記
おはようございます。70年前に絶滅されたとされていた淡水魚のクニマス生存の発見は、「お魚くん」がきっかけでした。
生き生き箕面通信741(101217)をお届けします。

・企業献金と引き換えに企業減税。個人は増税の菅政権

 ひとことでいえば、「漂流する日本」を浮き彫りにした来年度税制大綱となりました。政府が昨日の臨時閣議で決めた内容のことです。めざすべき「坂の上の雲(日本)」の姿を描かないまま、その場その場の小手先政治に終始してきたものですから、税制大綱もつぎはぎだらけに終わりました。そしてなお5千億円ほど財源不足を残したままの「見切り発車」というお粗末さでした。

 岡田幹事長が急に「企業献金の一部再開」を打ち出したときに、「はは~ん、企業減税をやるハラですね」と思わされました。そして、菅首相は先日、異例の夜の記者会見で「企業減税を首相主導で決めました」と胸を張ってみせました。昨日は、「個人の増税」です。

 菅さんの政府は「経済成長と雇用増大のために企業減税が必要だ」と強調しています。しかし、企業の実態は「内部留保」をたっぷり貯めこんでいます。経済成長や雇用拡大のために欠かせない「投資」が行われないのは、有望な投資先が見つからないからです。だから、環境への投資でも、医療や介護、さらにはITや観光産業でも有望な投資先を拡大できる制度やシステム作りに全力を挙げるべきですが、そこがスローモーで、現実の間尺にあいません。

 一方、所得税では23~69歳の親族を扶養する人の「成年扶養控除」が廃止され、年収568万円を超える人々が増税の対象になりました。年収600万円足らずの人からもむしり取る税制です。「格差是正」にもなりません。

 そして出てくるのが、消費税増税です。朝日は本日の社説で「帳尻合わせは限界だ」という見出しで、「菅政権が消費税の引き上げを含む税制の抜本改革の全体像を描けていないため、財源確保のめどすら立たず、国民が負担を分かち合う構図も見えてこない」と批判しました。同じページで、「消費増税論議が急務」という署名入りのキャンペーン記事も載せました。

 読売も「消費税抜きで改革はできない」という1本見出しの大型社説で、消費増税キャンペーンをしています。財務省の思惑通りです。

 税制をどうするかは、政治の根幹中の根幹です。「この国の形」をどうするか、つまり所得の再配分機能を生かして、公平で格差の少ない社会をどう形成していくか、が税制のなかで明確であるべきです。「漂流する政治」ドラマを、有権者はいつまでお客様気分で傍観しているのでしょうか。そのとがめは、そう遠くないうちに私たちの身に降りかかってきます。