おはようございます。
生き生き箕面通信1361(120831)をお届けします。
・アメリカと中国が日本を奪い合い――RCEPが急浮上
TPP(環太平洋経済連携協定)とは別の大型の自由貿易協定RCEP
が2015年末までに妥協することで合意されました。東南アジア諸国連
合(ASEAN)10か国に日本、中国、インドなどを加えた16カ国が昨日
8月30日にカンボジアで経済相会議を開き、11月から交渉を始めるこ
とで合意したものです。
この16か国の人口は約34億人、GDP(国内総生産)は世界の約3割
を占める巨大経済圏を作りだそうという壮大な試みです。実現すれば、
EU(欧州連合)を上回る世界最大規模の自由貿易圏が生まれること
になります。
世界の経済は、単一の自由貿易圏を作る動きから、最近はブロック
経済圏への動きへ変わってきました。経済が低調で雇用が持ち直さな
いアメリカのオバマ大統領は、あと3か月後に迫った大統領選をにらん
でなんとかTPPをまとめて実績を誇示する作戦でしたが、思うように運
んでいません。対立候補の共和党ロムニー氏との経済論戦でも押され
ぎみです。
もともとTPPは、アメリカが日本を取り込んで日本を解体し、アメリカの
経済を活性化させようとする戦略でした。そのためにどうしても日本を
取り込む必要がありました。アメリカにとって、TPPに参加する日本以
外の国はいずれも経済規模が小さく、日本を参加させなければほとん
ど魅力のないものでした。
他方、中国経済も踊り場を迎え、さらに発展するためには、日本を取
り込むことが大きな命題でした。ブロック化する世界経済の中で、アメリ
カも中国も、それぞれに日本を取り込むことが極めて重要なのです。
中国は、TPPからはオミットされていますが、RCEPでは日本とならぶ
最大の経済大国として主導権を狙っています。アメリカはこのRCEPに
は参加させられていません。中国の外交戦略としては、日本をアメリカ
からできるだけ切り離し、中国が影響力を持つ圏域に取り込む狙いが
あります。
アメリカは、いったん日本をTPPに取り込んだら、アメリカの意向に添
わないものはすべて「非関税障壁」としてアメリカ流に変えてしまう考え
です。つまり、日本を解体し、アメリカの完全な属国とする戦略でした。
日本はアジアの国です。アジアを大事にすべきです。キリスト教圏とは
異なる、アジアに共通する価値観のなかで、日本がえいえいと築いてきた
日本独自の価値観を基礎に世界に貢献していくべきではないでしょうか。
日本の戦略としては、当面、アメリカにできるだけ日本の価値観が維
持できるTPPとする交渉を行い、すぐに離脱する動ききは示さず、時間
を稼ぐ。アメリカとすぐに先鋭に対立する愚は避ける。そしてRCEPに比
重をかけてこれが実現できるように最大の努力をすべきだと考えます。
生き生き箕面通信1361(120831)をお届けします。
・アメリカと中国が日本を奪い合い――RCEPが急浮上
TPP(環太平洋経済連携協定)とは別の大型の自由貿易協定RCEP
が2015年末までに妥協することで合意されました。東南アジア諸国連
合(ASEAN)10か国に日本、中国、インドなどを加えた16カ国が昨日
8月30日にカンボジアで経済相会議を開き、11月から交渉を始めるこ
とで合意したものです。
この16か国の人口は約34億人、GDP(国内総生産)は世界の約3割
を占める巨大経済圏を作りだそうという壮大な試みです。実現すれば、
EU(欧州連合)を上回る世界最大規模の自由貿易圏が生まれること
になります。
世界の経済は、単一の自由貿易圏を作る動きから、最近はブロック
経済圏への動きへ変わってきました。経済が低調で雇用が持ち直さな
いアメリカのオバマ大統領は、あと3か月後に迫った大統領選をにらん
でなんとかTPPをまとめて実績を誇示する作戦でしたが、思うように運
んでいません。対立候補の共和党ロムニー氏との経済論戦でも押され
ぎみです。
もともとTPPは、アメリカが日本を取り込んで日本を解体し、アメリカの
経済を活性化させようとする戦略でした。そのためにどうしても日本を
取り込む必要がありました。アメリカにとって、TPPに参加する日本以
外の国はいずれも経済規模が小さく、日本を参加させなければほとん
ど魅力のないものでした。
他方、中国経済も踊り場を迎え、さらに発展するためには、日本を取
り込むことが大きな命題でした。ブロック化する世界経済の中で、アメリ
カも中国も、それぞれに日本を取り込むことが極めて重要なのです。
中国は、TPPからはオミットされていますが、RCEPでは日本とならぶ
最大の経済大国として主導権を狙っています。アメリカはこのRCEPに
は参加させられていません。中国の外交戦略としては、日本をアメリカ
からできるだけ切り離し、中国が影響力を持つ圏域に取り込む狙いが
あります。
アメリカは、いったん日本をTPPに取り込んだら、アメリカの意向に添
わないものはすべて「非関税障壁」としてアメリカ流に変えてしまう考え
です。つまり、日本を解体し、アメリカの完全な属国とする戦略でした。
日本はアジアの国です。アジアを大事にすべきです。キリスト教圏とは
異なる、アジアに共通する価値観のなかで、日本がえいえいと築いてきた
日本独自の価値観を基礎に世界に貢献していくべきではないでしょうか。
日本の戦略としては、当面、アメリカにできるだけ日本の価値観が維
持できるTPPとする交渉を行い、すぐに離脱する動ききは示さず、時間
を稼ぐ。アメリカとすぐに先鋭に対立する愚は避ける。そしてRCEPに比
重をかけてこれが実現できるように最大の努力をすべきだと考えます。