生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信740 ・「『ナベツネ主筆』が持ち歩く小沢抜き『大連立』」

2010-12-16 06:21:23 | 日記
おはようございます。菅さんは政権担当半年を振り返って、「これまでは仮免だったが、これからが本免だ」といいました。しかし、「試験に合格しなければ本免はもらえませんよね」と、渡辺喜美さん。
生き生き箕面通信740(101216)をお届けします。

・「『ナベツネ主筆』が持ち歩く小沢抜き『大連立』」

 上の見出しは、本日発売の週刊新潮がつけたものです。これが本日の読売新聞に掲載された広告では「ナベツネ」が空白にされ「    主筆」と4文字分が消されています。ここに読売のジャーナリズムとしてのゆゆしき体質が集約されています。単に自社の最高実力者に気を遣ったではすまされない深い闇が潜んでいると言わざるを得ません。

 本日の「ナベツネ」を空白にしたのは、広告局の広告掲載内容をチェックする現場です。このチェック担当者が、ナベツネこと読売グループ本社会長兼主筆に気を遣って4文字だけ削除したものです。

 しかし、この種の行為は広告局だけにとどまらず、編集局にもまん延しているのです。ナベツネ氏は日ごろから「俺が社論だ」と高言しています。つまり、ナベツネ氏と異なる論説は排斥されるのです。事実、それで左遷された論説委員も現実にいるのです。最近も論説委員だった年配のベテラン記者が、ナベツネ氏を訴えて裁判を起こしたことが、週刊誌ダネになっていました。

 読売新聞の言論の中枢部である論説委員会の実態は、ナベツネ氏の顔色をうかがいながら社説を書いているわけです。ナベツネ氏の持論は、「日米安保が最重要の基軸」です。アメリカの核の傘の下でアメリカ軍の守られながら経済発展をしようというものです。その結果、対米従属にならざるを得ないのですが、それについては明確に語りません。

 読売新聞は戦後、A級戦犯として巣鴨プリズンに収容された正力松太郎氏が当時のマッカーサー司令部(GHQ)から特別な計らいで釈放されて以来、「特殊な関係」になりました。早稲田大学の有馬哲夫教授が米国公開文書から明らかにしたところによると、「正力松太郎氏はCIAから『PODAM』のコードネームを得ていた」とあります。

 正力氏は東京帝大法卒後、警視庁に入庁、その後大政翼賛会総務を経て貴族院議員に勅選され、小磯内閣では顧問に就任しました。

戦後の日本統治に腐心するマッカーサーGHQは、特高警察などで”優秀な”実績を持つ警察組織を温存する一方、警察官僚に強い影響力を持つ正力氏らを、メディア・コントロールのためにも積極的に活用したのでした。

 その直系を受け継ぐナベツネ氏が持ち歩く「小沢抜き大連立」は、憲法を改定し、たとえば辺野古基地への移設についても強力に推進させようとするものです。アメリカが望む方向と全く同じ軌道を実現しようとするものです。ナベツネ氏が「小沢抜き」にこだわるのは、アメリカもそうですが、「小沢は日本の自主独立をめざしている。そんなことは日本の不幸」という考えからです。こうも言っています。「オレも84歳。先は長くないから遺言としてこれだけはやっておきたい」と。それは、改憲です。自衛隊は大手を振って、世界中どこへでもちょっかいを出せるようにしようと。結果的には、対米従属国家の道なのです。

 ぼく自身は、前にも明らかにしたように、長く籍を置いたこともあってある種の愛着があり、言論機関として王道を歩んでほしいと心から願っています。しかし、歴史の大転換期のいま、読売が果たしている役割は極めて有害といわざるを得ない側面が目につくようになりました。読売内部での批判や改革の動きに期待し続けます。ウィキリークスではありませんが、内部告発も重要だと考えます。