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大遺言

2017-08-09 16:10:39 | 

  孫が知っているおじいさん・永六輔(家では孝雄くんと本名で呼ばれていて、その孝雄君に孫が色々と訊いても、空振りになることが多かったらしい)と、祖父の亡くなった時のマスコミの反応とのギャップは何だろう?祖父の著書、そして、祖父と関わりのあった人たちにインタビューして、祖父の遺した言葉や行動を調べ、現代にも通じる普遍性を追求した本書は、永六輔という人物の凄さをまざまざと明らかにしてくれています。その中でも、私にズコーンと響いた言葉を紹介したいと思います。

 「他人と比べても仕方ない。他人のことが気になるのは、自分が一生懸命やっていないからだ」

 禅語でいう所の、「脚下照顧」、自分をもっと見つめろですね。だからこそ、「自分の欠点を自覚すれば、自分が追及するものが見えてくる」とも話されています。他人との比較厳禁、自身を見つることに勝機ありですね。

 「職業に貴賤はないが、生き方には貴賤がある。職業よりも『生き方』を極めよう」

 生き方って何だろうか?貴い生き方とは、天に対して生きろということでしょう。正義をものさしにする必要があります。

 「生きているということは、誰かに借りを作るということ。生きていくということは、その借りを返して行くこと」

 人間は一人では生きていけない。誰かの支援を受けて、自立しているだからこそ、自分もお役に立てる存在になろうというメッセージは誇り高く思います。

 あなたの今に合った、永六輔さんのあなたの胸を刺す言葉を見つけてほしいと思います。

『大遺言 祖父・永六輔の今を生きる36の言葉』(永拓実  著、小学館、本体価格900円)

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