井戸書店の大人の人間学塾の6月の課題図書の本書は生きる道筋を教えてくれています。2月29日を含めての1年366文が掲載されています。言志四録は言志録、言志後録、言志晩録、言志耋録で構成され、著者の佐藤一斎先生が42歳から82歳までの語録です。自分の年齢に合わせても読めます。
私の胸を打ったのは3文。
1月7日 なぜ生きるのか 「私は天が生んだものであるから、必ずや天から役割が与えられている。その役割を果たさなければ、必ず天罰を受ける」 自分の志は何かを改めて考えさせられました。
3月16日 九族を楽しむ 自分は父母、そして、祖先の存在無くして生まれず、子孫も自分有ってのもの。自分の姿は先祖や子孫にまで及ぶことを考えれば、慎みながら生きていきたい。
10月6日 心を養う方法 身体のためには食を喰らうが、最も養わなければならないのが心である。疎かにせず、日々精進する必要を感じました。
さらには、井戸書店の経営理念「我々は感動伝達人である」に通じる、11月5日の「感応の原理」は肝に銘じたい。「我れ自ら感じて、而る後に人之に感ず。」現代語訳は「まず、自分が感動をして、そののちに人を感動させることが出来るのである。自分が感動しないで、他人を感動させることなどできるはずがない。」自分が感動するには受けるべき良き器が要り、器は磨き続けなければいけないし、そこには美酒や美味を選ぶことが不可欠になります。選べる人になりましょう。
『言志四録一日一言』(佐藤一斎著、渡邉五郎三郎監修、致知出版社、本体価格2,500円)