今まで現地調査とか、気象庁や各自治体等の震度情報のデータを下に、今回の東北地方太平洋沖地震の被害痕跡の特徴を自分なりにまとめて見ました。
これによりますと
Ⅰ:地震の揺れは、単に地盤の硬軟ばかりでなく、地震波が進んでくる方向によっても左右されたのでは?
・・・・・これは、東京都内北区と足立区境周辺や、千葉県佐倉市、茨城県龍ヶ崎市、取手市等に現れておりましたが、当該、東北地方太平洋沖地震の震源域に向かって開いた地形で揺れが揺れが大きかったと見受けられたこと。・・・・・当該地域では、地盤の硬軟のコントラストが大きいと考えられる箇所でもあり、伝播する地震波が屈折などして、揺れを増幅したと考えます。
Ⅱ:計測震度でみると、台地上でも、わずかな高低差(5m~10m程度でしょうか)で、揺れが増幅していること
・・・・・東京都内山手地区の高台と呼ばれる地域上に位置する、中野区中野や千代田区大手町(皇居書陵部付近)でも、今回、震度5強(計測震度5・0以上)を観測しているの対し、台地上の東京大学地震研究所内では震度5弱(計測震度4・82)※東京大学地震研究所HPより でしたし、下町の江東区内の一部や足立区内の一部地域では、震度5弱(計測震度4・5以上5・0未満)と観測されています。中野区中野や千代田区大手町台地の高台上でも、南側や北側が5~10m高くなっている地域でもあります。
ちなみに、地震波は、地盤が堅いほど、そこを伝播する地震波の速度は速くなり、反対に、地盤が軟らかいほど底を伝播する地震波の速度はおそくなりますが、震波の伝播方向に対して、地盤の硬軟が不均等な地域では、地震波同士が屈折し、地震波が屈せ一する場合、当該地震波の加速度は大きくなるものの、地震波の周期は短くなる特性があります。(筆者調べ)
おそらく、当該、微妙な地形の高低差でも、地震波同士、屈折などして増幅したと考えています。ただ、比較的地盤の堅い山手地区高台ゆえ、増幅の度合いも、比較的短時間で済んだのではないでしょうか?
計測震度は、地震波の加速度の部分で、0・3秒以上の間計測されている部分を満たす地震波の部分の3成分(南北、東西、上下)の合成値を関係式に当てはめて算出している値ゆえ、きめ細かい地震の揺れの様子も解ってきた感じですよね。
Ⅲ:同一市町村内でも、震度で2階級差があること。
・・・・・以前本ブログ記事で紹介しましたように、栃木県宇都宮市内など、気象庁発表震度が5強から6強まで、2階級ほどの差があります。地盤の硬軟や局地的に地震波同士が屈折などして増幅した賜物か考えますが、計測震度に換算して、およそ0・7~0.8の差があることは珍しくは無いようです。