①1月9日18時の天気図 気象庁HPより引用
②1月9日18時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
③1月9日18時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
昨年末から日本列島の日本海側で、場所を換えつつあちこちで大雪による交通障害などが発生していますが、再び、大陸から強い寒気の吹き出しが始まりつつあります。
冬型気圧配置時に、大陸から吹出す寒気の強弱を見るのに、寒気の吹き出しに伴う筋状の雲の発生位置と大陸の海岸線との距離(離岸距離と呼んでいます。)に着目することは一般的ですが、水蒸気雲画像図で帯状の白輝域(500hpaの正渦度移流域に伴う上空3000m付近の上昇流域)を見ることも重要かと思います。
以前にも、本ブログ内の記事でも紹介した部分もありますが、水蒸気雲画像図で帯状の白輝域(500hpaの正渦度移流域に伴う上空3000m付近の上昇流域)では、雲の活動がより活発ならしめる区域ですから、冬型気圧配置上昇の場合、寒気の吹出しに伴う雲が特に活発となりうる箇所(降水がまとまりやすい箇所)と言うことになりますが、さらに、寒気の吹出しの形状(寒気移流がどの方向に及ぶのか?)も判るものです。冬型気圧配置時の寒気移流の先端部分が、500hpaの正渦度移流域に伴う上空3000m付近の上昇流域となるわけですから。
以上のことを踏まえた上で、引用図①②③を見てみましょう。
まず、引用図②の水蒸気画像上の帯状の白輝域(引用図③でも同一位置に表示しました。)Aに注目です。9日18時現在、Aは東北南部から関東地方付近~本州中部~九州の北へ掛かっており、引用図③より、Aの北側の日本海には、寒気の吹きだしに伴う筋状の雲が、大陸の海岸からすぐに、びっしりと発生しており、Aの北側では、寒気移流が強まっていることを物語っていますが、特にAの周辺の日本海中部~西部では、西北西~東南東方向へ、筋状ではなく、とりわけ白く輝く帯状の雲がみられ、当該、帯状雲の中には、一部渦巻状になっており、この区域で、特に発達した雲の集団があるのが判りますね。他にも、Aの周辺では、関東平野周辺でも、関東東海上~関東平野の一部にも、雲の帯が掛かっており、9日18時現在、関東平野の一部では、弱い雨も降っています。
この、Aの形状により、今後、日本列島では、北海道から九州まですっぽりと、強い寒気移流に見舞われることも判りますね。
以上、冬型気圧配置上昇には、Aのような、500hpaの正渦度移流域に伴う上空3000m付近の上昇流域には目が離せません。当該Aの形状で、寒気の吹出しの形状が判りますし、Aの周辺では、とりわけ降水がまとまりやすく、冬型気圧配置時に悪天になりにくい関東平野でも、以外に天気が崩れることもあります。また、中層以下では乱気流も発生しやすく、航空機の運航などに影響を及ぼしたりもします。