カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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平成23年卯年は冬型で始まる 山陰では記録的大雪

2011-01-01 19:48:32 | インポート

本ブログご覧の皆様。新年おめでとうございます。本年も本ブログを宜しくお願い致します。

①1月1日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月1日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③1月1日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用・加工

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平成23年 2023年卯年は、本州付近は冬型気圧配置でのスタートとなりました。

特に、上空の寒気の中心が日本海西部にあり、500hpaの正渦度移流域が西日本に集中したため、西日本の各地では、まさに、ドカ雪といえそうな、大雪となってしまいました。

山陰地方では、24時間降雪量があちこちで50cmを超して、米子では1日5時の積雪が89cmと、昭和15年から統計を取り始めてから最深の積雪量を観測しました。

このため、鳥取県内の国道9号線では、およそ1000台もの車が立ち往生してしまいましたし、高速道路でも、中国地方、四国地方、九州地方の山間部を走る区間で、通行止めとなる箇所も続出しました。

引用図③の上側図より、西日本では、500hpaの正渦度移流域に入ってままで、引用図②より、山陰沖に東西に帯状に広がる白く輝く画像(発達した雲)Aが見られます。このAは、引用図③では、ご覧の通り、500hpaの顕著な正渦度移流域の伴う、上空3000m付近の顕著な上昇流域に対応しています。特に引用図③の下側図より、Aの周辺では、上空1500m付近の風向が反時計回りとなっており、東側には相対的に気温の高い区域があって、等温線が混んでいますよね。

実は、こういう箇所は、地上天気図上に低気圧が描かれていなくても、低気圧の性質である気象現象が発生する箇所、言ってみれば、低気圧が隠されている箇所ですね。

こういう、隠された低気圧というもの、実に厄介千万で、通過時に、強い降水や雷、突風、竜巻と言った激しい気象現象を引き起こしやすい箇所なのです。

山陰地方など、今暫くは大雪や突風、竜巻などには注意が必要ですね。