カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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大陸から強い寒気が再び本州付近へ 雲画像上ではこんなことが・・・

2011-01-15 12:37:30 | インポート

①1月15日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月15日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③1月15日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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大陸から強い寒気が再び本州上空へ流れ込んでくる様子です。

本州上に寒気が流れ込んできる場合、その露払い的な立場のごとく、本州上に気圧の谷が移動してきますが、当該気圧の谷ですが、本ブログで、地上天気図だけでは解らない様相(たとえば、低気圧が特に発生・発達しやすい、上空3000m付近の顕著な上昇流域がどこかなど)が地上天気図と雲画像を比較することによって、解ってくるものです。

このことを踏まえたうえで、引用図①②③を比較検討してみましょう。

まず、気圧の谷接近・通過時に、とりわけ低気圧が発生・発達しやすい箇所(上空3000m付近の顕著な上昇流域)は、本ブログの記事内で、お椀をかぶせたような ⌒ 型 の画像が雲画像上に現れます。当該部分を、引用図②③内に、前記、⌒ 型 の画像が現れている箇所を、それぞれA,B,Cと図示しました。(なお、A,B,Cは、広がりを持った区域です。点ではありません。このことを留意ください。)

まず、引用図②③ともに、日本海や黄海には、寒気の吹出しに伴う筋状の雲でびっしりと埋まり、寒気の勢力が強いことを物語っています。さらに、⌒ 型 の画像がA・・・朝鮮半島南部から日本海西部 B・・・九州西方~中国地方四国地方付近 C・・・南西諸島の東海上 に見られます。

当該A、B、Cですが、引用図③より、中国大陸~本州の南半分~本州の東海上にかけて、長々と、帯状の白輝域が見られますが、これは、500hpa上の正渦度移流域と上空の気流の流れ方向とに上昇流域が分布した画像であり、前記Cは、当該上空の気流の流れ方向(東南東~東方向)へ移動し、本州への影響は殆どないと考えられますが、問題は、A,Bですね。この、A,Bですが、Bは本州南岸を東進して、Aは日本海中部から北陸地方、東北地方を通過する見込みです。

引用図②③より、A,B,Cの内で、とりわけ、Aがひときわ白く輝く画像であり、3つの中でも特に顕著な上昇流域を持ち併せている様子が解りますね。Aのような区域では、特に降水域(今回の場合降雪ですが)が発達しやすく、雷や突風、竜巻など激しい気象現象を伴うものですから、油断なりません。北陸地方や東北地方など要注意!!Bが通過する関東以西本州南岸でも、所処で降水域がまとまり、雪や雨が降る懸念もあります。