カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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寒冷前線通過後はクリスマス寒波がやってくる!

2008-12-24 23:31:47 | インポート

①12月24日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月25日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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③12月26日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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例年、クリスマスの時期頃に、本州付近上空に強い寒気が流れ込んで、大雪や強風をもららすことも多いものです。最近では、3年前の平成17年に、本州付近に強い寒気が12月25日に接近して、その露払いとして、日本海から本州へ進んだ寒冷前線の通過に伴って、山形県庄内平野のJR羽越線最上川橋梁付近で突風が発生して、特急列車が突風に煽られて脱線転覆し、多数の人的被害が発生したことは記憶に新しいところですね。

引用図①より、12月24日18時現在、日本海北西部には低圧部が見られ、今後、このp低圧部に低気圧が発生して、12月25日には、当該低気圧から延びる寒冷前線が本州上を通過しそうですね。(引用図②参照)

今後は、引用図②より本州上を通過する予想の寒冷前線の後側に注目です! 12月22日の事例と同様に、当該寒冷前線の後面に低圧部が残っており、これは、寒冷前線通過後(各種予想図で、関東付近で25日夜あたりでしょうか?)、上空の気圧の谷が遅れて通過(本州中部で25日夜、関東付近では25日深夜から26日未明と思われます。)するパターんであり、このような場合は、寒冷前線後面に発生する雲の帯や、低圧部に発生する小さな低気圧のほうか、寒冷前線よりも、雷や一時的な強い降水、突風などのシビアーな現象をもたらすものですから油断なりません!

そして、各種予想図より、前記した上空の気圧の谷通過後に、本州上空には強い寒気が流れ込んでくる予想です。まさに、クリスマス寒波襲来!ですよね。

その後、26日は、全国的に等圧線が混んで、各地で強風となり、日本海側の一部(各種予想図より、今回は、東北から北陸東部が中心でしょうか?)では大雪の恐れがあります。


前線通過して強い寒気がじわりと流れ込む 前線の雲は二段構え

2008-12-22 23:52:10 | インポート

①12月22日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月22日12時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③12月22日12時の日本付近ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④12月22日18時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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12月22日は、本州上を寒冷前線が通過しました。

関東地方など、朝方は寒冷前線の東側の暖域に入りましたので、気温が高めで、特に関東南部では、午前6時現在でも、18℃~19℃程度もあり、9月下旬頃の暖かい(と言うか、布団を何枚も重ねていると、やや汗をかいてしまうような)朝を迎えました。

が、関東地方では、12時頃、寒冷前線が通過し、関東南部でも、風向が北~北東方向へ変りました。それとともに気温も低下し、東京都心では、12時現在17℃ありましたが、15時には12℃、そして、18時には6・1℃、21時には4・3℃まで低下し、1日で気温が約15℃以上も低下したことになります。

引用図②より、22日12時現在、関東沿岸には寒冷前線に伴う雲が見られますが、その北西側の本州中部から東北地方にかけても、白く輝いた雲の帯が見られますね。

これは、寒冷前線が通過した後、まだ西側の上空には気圧の谷が残ってる時に現れる雲の帯で、下層と中層より上側の風向風速のコントラストが大きい(引用図③を参照)ため似発生するもので、当該、雲の帯のほうが雲の活動が活発で、時には強い雨や突風、雷などのシビアーな現象をもたらすやすく、当該雲の帯が通過するまでは、寒気の流入はスローペースのままで推移します。

今回のように、天気図上で、寒冷前線の西側で、低圧部が残って、小さな低気圧がある場合など、寒冷前線の西~北西側に、前記した雲の帯が発生しやすくなります。

引用図④より、当該、寒冷前線の西~北西側の雲の帯がかかった22日夕方には、関東地方南部を中心に、雨脚がやや強まった箇所もありました。

一方、引用図①で、若狭湾の北西にある低気圧は、本ブログで昨日解説したように、低気圧のすぐ南側~北西側で強い風を伴っており、鳥取県の湖山で北北東19m 島根県の斐川で北18mと言った、台風並みの最大風速を観測しています。

今夜は、強い寒気がどっと各地に流れ込んできました。皆さん。熱燗でもクッとやって(笑)、風邪など引かないように。暖かくしてご就寝を!


22日は低気圧通過後寒気がどっと流入か

2008-12-21 23:26:43 | インポート

①12月21日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月21日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③12月22日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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12月21日は、日本海を前線がゆっくりと南下中で、この前線上の日本海西部に低気圧が発生して、前線とともに本州へ移動してきています。

このため、本州各地には、南から暖気が入り、日中の最高気温が20℃を超えた箇所もあり、関東地方など、沿岸部を中心に南西の風がだいぶ強まりました。丁度、春一番を思わせるような、師走とは似ても似つかない、まさに、バカ陽気とも言えそうな1日でした。

ただ、この、春を思わせるバカ陽気も今日までで、明日12月22日は、西から強い寒気が流れ込んでくる予想で、各地とも、22日夜になると、ぐっと気温が低下してきそうです。

引用図②より、黄海には、寒気の吹出しに伴う筋状の雲がびっしりと並んで見えますが、本州上空には、低気圧や前線に伴う、北東~南西方向へ延びる雲の帯が見られますね。そして、そのすぐ西側の、朝鮮半島付近と、中国遼東半島付近には、件の、お椀をかぶせたような、⌒型の雲(上空の気圧の谷に伴う雲)が見られます。

引用図③より、明日12月22日9時には、前記した上空の気圧の谷の本州付近へ接近に伴って、能登半島沖には低気圧が見られます。

この低気圧は実は相当なくせ者。引用図にはありませんが、この低気圧のすぐ南側では、上空5500m付近の等渦度線が東西に大変混んでおり、上空3000m付近では、当該低気圧のすぐ南側~西側(後側)では、西~北西風が50ノット以上と、相当な強風になると予想されますので、この低気圧が通過する際には、局地的に相当な突風(南西~西より)に見舞われる危険性が大きいと考えられ、当該低気圧の通過直後から、寒気の吹き出しがだいぶ強まると見られます。地形的に、南西~西より風、そして、低気圧通過直後の北西風が強まりやすい、北陸地方西部や近畿地方日本海側や山陰地方など、強風にはくれぐれもご用心!、また、日本海中部では、とりわけ高波が発生しやすくなりますか注意してください!

そして、明日22日夜には、各地ともぐっと気温が下がりそうです。こういうとき松竹梅の熱燗で、おでんや焼き鳥を肴に というのがたまりませんな。

でも、飲みすぎて、胃腸を壊したり、風邪などひかないようにね!○○さん!!


大陸から日本海には雲の帯 寒波襲来の狼煙

2008-12-20 12:35:32 | インポート

①12月20日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月20日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③12月20日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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④12月21日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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12月20日は、各地とも、小春日和を思わせるような暖かな陽気となっています。

ただ、引用図①より、日本海に寒冷前線が現れて、ゆっくりと南下中。引用図②より、この寒冷前線に伴う雲の帯は、中国大陸まで延々と延びており、中国大陸には、南西から当該雲の帯に向かって、白く輝く、刷毛で書いたような形の雲が広範囲に現れていますね。さらに、この北側では、雲の帯がひときわ白く輝いて太さを増しつつも、西北西から東南東方向へ分布している様子がわかりますね。また、モンゴル付近にも、西北西から東南東方向へ分布している雲の帯があります。

これは、この付近に、上空の気圧の谷があり、当該気圧の谷の前面に分布する雲を表現しています。当該気圧の谷の移動方向は南東方向であるものの、谷の前面には暖湿流が大量に流れこんでおり、当該気圧の谷の移動方向は当南東方向であることから、当該気圧に谷の後面からは、寒気移流が顕著になっていると言うことが解ります。

谷の前面で暖湿流が顕著で、後面で寒気移流が顕著であることは、そうですね。この上空の気圧の谷は、今後、本州付近へ接近するにつれて、段々と深まりつつあることが言え、本州付近では、今後、低気圧が発達しやすい場になりつつあるとも言えそうです。

引用図③④より、今後、この上空の気圧の谷が、深まりながら本州付近上空に差し掛かるとともに、21日には、前線上の日本海西部には低気圧が発生し、この低気圧が発達しながら日本海を東北東へ進んで、中心から延びる前線が発達しながら本州上を通過するでしょう。この前線の前面には暖湿流が大量に流れこんでいますので、雨雲が特に発達しやすく、強い雨や雷、突風や竜巻などの恐れがあります。

また、朝鮮半島付近には別の発達中の低気圧が進んできそうです。この低気圧の後面から寒気がどっと吹出してきそうですね。

まさに、日本海の雲の帯は、寒波襲来の狼煙と言え、そしてまた、寒波襲来の前に、大荒れの天気と言うセレモニーがありそうですね。


低気圧が本州の南海上を進む 関東甲信でも雪の所も 

2008-12-14 15:31:01 | インポート

①12月14日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月14日12時の日本付近ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③12月14日12時の関東甲信周辺雨雪判別図 ヤフー天気情報欄(日本気象協会著作)より引用。※図内 水色や青色表示が降雨、紫色(濃い紫、薄い紫も同様)は降雪となっている箇所を表示するものです。

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12月14日は、本州の南海上を低気圧が東進し、午後には関東の関東海上に進みました。

さらに、北日本方面に流れ込んでいた寒気(14日朝方は、北海道の一部で最低気温が-20℃以下を観測しました。)が関東地方周辺の下層にも北~北東風によって引きずりこまれたため、関東地方では、各地とも、気温が低下して、大変寒々しい1日となってしまいました。

引用図②より、関東地方周辺では、上空1000mから2000m、そして3000mと高度が上がるにつれて、風向が北東~北より~西より と反時計回りに変化しているのか解りますが、そうですね。これは、関東地方周辺の下層(上空3000mより下側)では寒気移流となっている証左ですね。また、下層で風向のコントラストが大きくなっています(鉛直シアーが大きいともいえます。)から、雲(背の低い雲ですが)が発生・発達し易く、これらのことが原因で、関東地方で天気が愚図つき、気温も低下したと言いわけですね。

北東気流時に関東平野周辺が悪天で気温が低下するメカニズムを紹介する実例として格好のものですよね。今回14日は。

引用図③より、関東地方や甲信越の山間部の一部では雪となっており、14日12時現在、山梨県山中湖周辺では、路面がシャーベット状となってタイヤチェーン等滑り止めが必要 とのことでした。