カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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北日本を中心に強い冬型続く 雪の降り方は局地性が大変強いもの

2008-12-27 23:59:22 | インポート

①12月27日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月27日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③12月28日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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12月27日も、北日本中心に強い冬型気圧配置が続きました。

引用図②より、昨日記事の引用図②と見比べてみると、冬型気圧配置に伴う筋状雲の大陸からの離岸距離は本日27日になると、より長くなっており、上空寒気も次第に衰えつつあることを示していますが、北日本では等圧線の幅が大変混んでおり、各地で非常に強い風が吹きました。

最大瞬間風速は、北海道の羅臼で38・1m 同じく北海道の襟裳岬で34・9m 山形県飛島で30・4mを観測したほか、10分間の最大風速でも、北海道の羅臼、襟裳岬や山形県の飛島、それに伊豆諸島の神津島で20mを超えています。

引用図①より、オホーツク海の発達した低気圧は南西方向へ移動していますが、低気圧は、発達して、移動方向が停滞したり、南西~北西方向に移動したりする進路を取っている場合は、上空の気流が低気圧の等圧線に沿って流れている証拠で、当該低気圧自体、ほぼ同位置に停滞気味となるものです。

引用図③より、あす12月28日も、オホーツク海に発達した低気圧が居座り、北日本では等圧線の幅が本日27日とほぼ同程度狭まりそうですね。

そして、引用図にはありませんが、27日夜半から28日にかけて、東北地方(特に津7ガル海峡から青森県周辺を中心として)が、上空5500m付近の正渦度域に入る予想です。こうなると、青森県周辺では降雪が強まりますし、北海道のみならず、低気圧から比較的離れた東北地方や北陸地方東部などでも、風(北西~西よりですが)がことのほか強まることが考えられますね。非常に強い風や海上の高波にはくれぐれもご用心ください!

また、明日28日も、北日本や北陸の山間部を中心に降雪となりますが、雪の積もり方と言うもの、非常に局地性が強いものなのです。これは、雪の密度が、気温が低下するほど高くなる性質があることと、我々の住む日本列島の地形が複雑で、総じて急峻な地形であることに所以します。地形的要因で、局地的に気流同士が互いに収束したり、上昇したりしやすく、ここのことに伴って、雪雲も、局地的に強まったりすることが多くなるからです。

局地性が強い雪の積もり方の一例として、本日27日9時現在、滋賀県内の名神高速道路の彦根ICでは、積雪1cmとのことでしたが、直線距離でおよそ15km  (南南西方向)しか離れていない、同じ名神高速道路の八日市ICでは、積雪37cm(27日未明~明け方にはおよそ40cmを超えていたと推定されます。)を観測しています。※ユキイロComより情報入手

高速道路網が全国津々浦々発達した昨今、制限速度をしっかり守っている程度の走向速度でも、15kmの距離であれば、ものの10分程度で通過してしまいます。積雪が殆どないと思っていたら、あれよあれよという間に積雪地帯が現れた。などということはよくある事です。

これからの時期、帰省等で高速道路を走行する方々も多いと思われますが、こういう雪の積もり方の特徴は是非とも、しっかり認識されて、事故等のないようになさってください!