カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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大雨の範囲は東へ広がる

2007-07-10 22:53:20 | インポート

※引用図はすべて気象庁HPより引用です。

①7月10日18時の天気図

07071018

②7月10日18時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図

200707101800

③7月11日9時の予想天気図

07071009

このところ、九州では大雨が降り続いていますが、引用図①より、梅雨前線が次第に北上し、前線上の日本海西部に低気圧が進んできたため、大雨の範囲は東へ広がってきました。

7月10日21時現在、東海以西の広範囲で雨脚が強まっており、和歌山県の紀中には大雨・洪水警報が出されています。

引用図①②③より、梅雨前線上の日本海西部には低気圧がありますが、この低気圧の周辺では、梅雨前線が閉塞しかけており、あす11日には、日本海中部付近で前線が閉塞する予想です。

前線が閉塞すると、この閉塞点に向かって、南海上から暖かく湿った気流が非常に多く流れ込んでくるものです。よって、閉塞点周辺やその南側では、雨雲が特に発達しやすくなります。

また、以前、本ブログで、温暖前線の進行方向側に優勢な高気圧があると、当該温暖前線に伴う雨雲は、筋状に幾重にも発生するようになると記載しましたが、寒冷前線の場合も同様です。さらに、寒冷前線の場合、進行方向へ優勢な高気圧があって、併せて、南海上より暖かく湿った気流が大量に流れ込んでいる状況であるほど、この、進行方向へ発生した、筋状の幾重にも連なる雨雲の活動は、より活発なものとなり、大雨を降らせ易くなります。

よって、これからあす11日にかけて、関東以西の広範囲、特に、南から南西側に開いている斜面沿いの地域(九州南部や西部、四国地方はもとより、関東北部山間部や神奈川県箱根周辺、山梨県富士五湖や峡南地域、長野県南部や、静岡県、愛知県、岐阜県や紀伊半島南部など)では大雨に警戒ですね。そして、あす11日午後からは、大雨の範囲は東北地方へも広がりそうです。

また、日本海で前線が閉塞すると言うことは、前線の前側で高気圧の勢力が強いと言うことです。その証拠に、引用図③より、東北地方周辺では等圧線の幅が込む予想ですよね。こうなると、山形県庄内平野では、そうです。かの有名な、清川ダシ とよばれる東よりの強風が吹くことが予想されます。