2~3日前に、本州各地で、にわか雨や雷と言った不安定な空模様を引き起こしていた寒冷低気圧は、千島近海へ去りました。
かわって、移動性高気圧が日本海へ進んできて、本州付近を覆ったため、本hんh集各地では安定した晴天となったところが多く、名古屋や大阪では、本年初めて最高気温が30℃以上となる真夏日となりました。
が、今の時期、大気が安定すると、今度は逆に厄介なものが、特に内陸部で発生することが多くなります。
それはなんでしょうか?それは、光化学スモックです。
関東、甲信越地方では、きょう1日は、光化学スモッグが各地で発生し、広範囲に光化学スモッグ注意報が発表されました。
本ブログで、昨年6月14日にも、この、光化学スモッグについて紹介しましたが、その記事を引用しましょう。
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光化学スモッグは、自動車や工場・事業場などから排出される大気中の窒素酸化物や炭化水素が太陽光線(紫外線)を受けて、光化学反応により二次的汚染物質(オキシダント)を生成することにより発生します。また、風が強い状態であると、前記した大気中の窒素酸化物や炭化水素が拡散してしまいますので、発生しにくくなってしいますが。
光化学スモッグの発生を容易にする要素としては
①午前中から昼過ぎにかけて日照があること
②地表付近の風が弱めであること
そして、光化学反応による二次的汚染物質を地表付近に滞留させる状態を作りますので
③低層に逆転層があること
④海風前線が顕著になること
が挙げられます。
以下は、東京都環境局HPからの引用ですが、東京都環境局では、
オキシダントが高濃度になる条件
① 気 温 日最高気温が25℃以上
② 日照時間 9~15時の間に2.5時間以上の日照があること
③ 海 風 東京湾及び相模湾からの海風の進入があること
④ 安定度 安定であること。
館野高層気象台9時の状態曲線0~1000mの気温差が7℃以下
⑤ 上空の風 館野高層気象台9時の状態曲線で、1000m以下の風が南よりの風でないこと
⑥ 天気図
ア 夏型の気圧配置(鯨の尾型)
イ 移動性高気圧又は低気圧や前線の間で気圧傾度が緩い場合
としています。
まさに、梅雨の中休みの時期の気圧配置をみると、光化学スモッグが発生し易い気象状態になる場合も多いといえますね。
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と言うことですが、今日1日9時の茨城県館野のエマグラム図※この図は上空の風向や気温の状況を示したものです。をご覧いただきましょう。引用は米国ワイオミング大学HPより引用です。
まさに、今日は、前記した東京都環境局HP引用の、東京での光化学スモッグ発生時の気象状況を絵に書いたように模倣されている状態でしたね。
梅雨の中休み時には、前記の点を考慮して、場合によっては屋外での激しい運動などは控え目にした方が良いでしょう。
1998年7月9日は、梅雨前線が関東のやや北を東西に横たわっている状況でした。東京で35℃を超えて光化学スモッグが発生したため、小学生が入院されたという報道がありましたけど、その日の夕方は埼玉県の一部で19時までの1時間に46ミリの激しい雨が降りました。(朝9時の館野上空約500mあたりで南西風でした。)
なので光化学スモッグが発生しても、大気が不安定なときもあるし、上空約1000m以下で南よりの風が吹くときもあることをご了解頂ければと思います。
今日6日は、上空約5000mで-12℃以下の寒気を伴った気圧の谷が日本付近を通過するため、午後は関東付近で北部を中心ににわか雨や雷雨になるところがあるかもしれませんネ。どれだけ日射しがあるか、地上気温が上昇するかがポイントになりそうです。
ご指摘の点ですが、光化学スモッグの点、すべて、大気が安定であるとは言ってはいないんですよね。平成10年の7月9日の事例は記憶があります。
どれだけ、光化学オキシダントが滞留させるかがポイントなようですね。
私は、山梨県某自治体の環境課の者です。
記事の件ですが、まず、我々も、東京都環境局様とほぼ同様な
気象状況を顕著な光化学スモッグ発生の目安としております。
やはり、大気が安定というのが、第一条件でありますが、大気が安定でないからといって、光化学スモッグが発生しないというわけではなく、
本記事でも、そのような表現ではありませんよね。
大気が安定な、否か、と言うことについても、ある時間に安定な場合もあれば、それから数時間後、不安定と言う場合もあります。ある程度局地性もありますから。
コメントありがとうございます。
なるほど、山梨県内でも、東京都内と同様な気象状況で光化学スモッグは発生するものですね。
山梨県の場合、当該気象状況の場合、決まって高温ですよね。甲府盆地などは。