カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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あらためて申す!前線とはこんな箇所!

2012-10-17 23:08:24 | インポート

①10月17日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月17日18時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③10月17日18時全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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10月17日は、西日本の太平洋側の所処で大雨となり、宮崎県の日向では、24時間降水量が300㎜を超えた所もあります。大雨の区域は次第に東へと移動しており、17日18時現在、近畿地方から四国地方東部で激しい雨となっている様子です。(引用図③より)

引用図①で、本州南岸と日本海に前線が描かれておりますが、この前線の位置と、引用図②の水蒸気雲画像図の画像分布を見比べると、

ⅰ:日本海の前線は、水蒸気画像上で白くぼやけた区域と暗域との境界部分にほぼ位置しており、前線の東側には、帯状に幾重にも白く輝く区域(中層や下層での上昇流が特に強い区域、発達した降水域を形成しています。)がありますが、

ⅱ:本州南岸の前線は、台風17号の東側に広がる、水蒸気画像上で白くぼやけた区域の北縁に描かれております。

こう見ますと、地上天気図上の前線とは、水蒸気画像上での濃淡の境界付近に描かれていることが解ります。以前、本ブログで記事でも取り上げたことですが、前線(地上天気図上に限らず)と言うもの、単に、気温の明瞭なコントラストがある箇所と言うより、明瞭な温位のコントラスト(すなわち、水蒸気画像上での画像の明瞭なコントラストを形成している箇所)と言うことになります。

水蒸気画像上で、前線の暖気側に、帯状に白く輝く区域が幾重にも連なっている場合、当該前線の暖気側では暖湿流が大量に流れ込んでいて、雲が発達しやすい箇所となりますが、◆当該、水蒸気画像上での帯状の白輝域や白淡域が互いに相交わっている箇所では、特に雨雲が発達しやすく強い雨や落雷、突風などをもたらしますから、要注意です!(引用図②でのAの区域、引用図③より、当該Aの区域では、非常に強い降水域を形成しています。)

前記した Aの区域では、水蒸気画像上で、日本海の前線に沿って南西~北東方向へと にんじん状の白く輝く区域(テーパリングクラウドと呼ばれるものです。)を形成しています。降水域が非常に発達している区域を示す典型的なものです!

引用図①②より、今回のように、前線上に、前記したテーパリングクラウドが発生する場合、当該テーパリングクラウドが発生区域の前線上に、新たに低気圧が発生して、当該低気圧周辺では、非常に強い降水のみならず、一時的に強風が吹きやすくなりますから、この点も油断なりません!


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