引用図は8月27日9時の天気図と、近畿地方周辺レーダーアメダス解析雨量図です。双方とも気象庁HPより引用。
昨日は、前記事で紹介しましたように、太平洋高気圧と北の高気圧との境目の地域で大気が不安定となり、所々で雷を伴った強い雨が降りました。
その後、26日午後になって、北の高気圧が北海道の東に中心を移して勢力を広げるとともに、26日夜になって紀伊半島南東部(の沿岸部)を中心に局地的に激しい雨が降り出しました。
三重県尾鷲市では、27日12時までの12時間に284・5ミリの降水量を観測しています。
このため、JR紀勢線では三重県内で27日午前中、一時運転見合わせましたが、12時現在、運転再開したとのことです。
さすがに、これだけの降水量であるのに、通常から雨の多い三重県南部のことだけあります。雨による被害は大したことはないですからね。
引用図の近畿地方レーダアメダス解析雨量図より、①東西方向の帯状に発達した雨雲が東海沖からと、もうひとつ、②紀伊半島の南海上から南~南西方向の帯状に発達した雨具雲が双方衝突して紀伊半島南東にかかり、特に紀伊半島の沿岸に沿って発達している様子がわかります。
前記①は、北海道の東海上の高気圧が勢力を南に広げた結果、その高気圧の縁を廻るようにして、東海沖から暖かく湿った気流が流れ込んだこと と示していますし、前記②は、勢力がやや後退して西に進んだ太平洋高気圧の縁を廻るようにして、本州の南海上から、やはり、暖かく湿った気流が流れ込んでいる様子 を表すものです。
今回の、この激しい雨の原因ですが、前記したように、①異なる方向から流れ込む暖かく湿った気流がぶつかり合いながら紀伊半島南東部に侵入したこと と もうひとつ ②26日夜から27日朝方にかけて、内陸部の気温低下に伴い、紀伊半島南東部沿岸域に沿岸前線(これまでも本ブログで紹介しています。)が発生したもの との相互原因と言えますね。
よく、台風接近時に紀伊半島で大雨が降る原因となる、紀伊半島の山地に暖かく湿った気流が衝突することによる 気流の強制上昇が、今回もややもすると、この大雨の原因として取り上げられそうですが、今回の大雨については、この、山地に気流が強制上昇する作用は薄い と私も思います。等圧線が混んでなく紀伊半島に気流が衝突する度合いは低いであろうことからですね。その証拠に、今回は、隣接する奈良県南東部の各観測地点での12時間雨量は、いずれも5ミリ以下 となっていますから。
北日本周辺から高気圧が張り出す時で、その高気圧が背の高い高気圧の場合、その高気圧の張り出し具合によっては、紀伊半島東部や南部、それに四国東部や南部、九州南東部では、この手の大雨に注意するべし!といえるでしょう。
日付変更線を超えためずらしい猛烈な台風12号。
猛烈な勢力にもかかわらず大きさが「大きい」にもなっていないのも
珍しいような気がします。
さて、本州への影響はどうでしょうか?
10日くらい先のことだと思いますけど。
そうですね。この台風12号。日本には影響はないと言って良さそうですね。本年の太平洋高気圧の張り出し具合から見て、この台風12号が、すんなり西よりに進んで、日本へ接近なんてことはありえないでしょう。
昨日いったん「猛烈な」から「非常に強い」に変わったので発達のピークは超えたかと思いましたが、今日の9時にはまた「猛烈な」に戻っています。
まあ日本列島には絶対に影響ないということなので安心していますが。
27日のコメントのように。
関東沖を北上するのが有力ですけどね。多少は、日本にも影響が出てきそうです。5日から7日あたりが要注意ですね。