カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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西日本の所処で暴風 四国や九州南部では大雨 その原因は?

2012-04-22 18:02:42 | インポート

①4月22日12時の天気図 気象庁HPより引用

12042212

4月22日は、本州付近は西から低気圧や前線を含む気圧の谷が進んできていますが、本州の東海上に優勢な高気圧が居座り、西日本を中心に等圧線の幅が非常に混んでいます。

このため、西日本(山陰や四国九州に沿岸部を中心にですが)の所処で、平均風速でも20mを超す暴風が吹き荒れ、各地に暴風警報や波浪警報が出されました。

鳥取県の湖山(鳥取空港)では、最大瞬間風速が38・1m(南南東風で11時32分)、最大風速でも24・7m(南南東風で13時11分)を観測し、鳥取空港や米子空港では、午前中、航空機の離着陸が全く不能な状態となりましたし、JR山陰本線などもダイヤが大混乱しました。鳥取県内では、走行中のトラックが数台、強風のために横転する事後も発生しています。

トラックやバスなど、重心が高い車ほど、強風の影響を受け、横転事故に遭遇しやすい傾向にあります。昨今、高速路線バスなどでも、2階建てのバスがずいぶん普及しておりますが、この点留意する必要がありそうですね。

等圧線の幅が混んで強風が予想される場合、予想される風向に沿っている地形的な鞍部で特に風速が増大します。この地形的な鞍部は地表だけではなく、地表から上空1000m程度までの部分に注目する必要があります。予想される風下側に山地があっても、当該山地が標高1000m未満で、周辺の地域が上空1000m程度が地形的鞍部に当たっている場合、山地の風下側に当たっても、かえって、当該山地を吹き降りるおろし風が発生して、思いのほか風速が増大します。当該山地の稜線部分に直交するある地形的鞍部がある場合はなおのことです。

また、以前、本ブログでも記事で書きましたように、優勢な高気圧の後面(西側)と言うもの、南から暖湿流が大量に流れ込んで大雨が降りやすいもの。今回も優勢な高気圧の後面に入った西日本には、南海上から暖湿流が大量に流れ込んで、22日17時までの24時間に、高知県の三崎(足摺岬の近く)で367㎜もの降水量を観測したほか、高知県や宮崎県、鹿児島県の一部では、24時間降水量が200㎜を超えました。