カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風14号 夜 関東に再接近 その後 台風一過とはならず・・・

2010-10-30 13:40:19 | インポート

①10月30日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月30日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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季節外れに、本州を伺う台風14号ですが、30日9時現在、紀伊半島の南東沖を北東へ進んでいます。

台風は、30日21時頃、千葉県房総半島にかなり接近する見込みです。

引用図②より、台風の北側~北東側に、水蒸気雲画像上、ひときわ白く輝く帯状雲(帯状に多湿な区域。上昇流がひときわ活発な区域を示すもので、非常に発達した雨雲を表現しています。)があり、当該、台風を取り巻く非常に発達した雨雲は、台風の北東進と共に、30日午後から、関東地方や東海地方へとかかって来ますから、これらの地域を中心に、激しい雨となりそうです。

特に、関東平野の各地では、30日12時現在、内陸部では、気温がおおむね13℃以下なのに対し、千葉県の太平洋側では、気温が軒並み15℃以上、勝浦では17・7℃、銚子では17・5℃となっており、関東平野内陸部に滞留したりする冷気と、関東東海上からの気流とが、千葉県太平洋沿岸で局地的な前線(沿岸前線)を発生させており、今後、当該沿岸前線周辺を中心に、雨量が相当多くなると思われます。

また、引用図①より、台風の北側~北東側の東北地方南部~関東地方、東海地方や近畿地方では広範囲に等圧線の幅が混んでおり、、台風の接近と共に、当該等圧線の幅もさらに混んできますから、関東地方は勿論、東北地方太平洋側や東海地方など、台風の中心から離れていても、強風が吹きまくりますから、油断なりません。!

この台風14号が、関東の東海上へ去った後ですが、通常、台風の通過後は、台風一過、すがすがしい青空が広がる と言うことが多いものですが、今回は、そうは行きませんね。

引用図②より、30日9時現在、水蒸気雲画像上に、中国大陸南部と中部に、500hpa(上空5500m付近)の谷があり、当該谷の前面の、ァ:日本海中部~朝鮮半島~東シナ海 と ィ:九州付近~東シナ海に、おおむね東北東から西南西方向へと帯状に分布する湿潤域が見られます。

これら、ァ、ィの湿潤域は、言うまでも無く、500hpaの谷の前面の、上空3000m付近の上昇流域に対応するもので、当該、上昇流域は、東進中で、今後、日本海や本州の太平洋側あたりで低気圧を発生させる可能性が高いですね。

よって、台風14号が東海上へ遠ざかる31日は、各地とも台風一過の青空は期待できません。

さらに、台風が東海上へ去った後、500hpaの谷が本州付近の西側にあり、当該谷が東進してくる場合、当該谷の中層以下では、以外に、南海上からの暖湿流を引き寄せやすく、強い雨が降ることも多いですから、注意が必要ですね!