①10月9日15時の天気図 気象庁HPより引用
②10月9日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
③10月9日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用
④10月9日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
大雨の基となる暖湿流が、昨日から、本州の南東海上と、南海上の2方向から本州目がけて流れ込んで紀伊半島から四国付近で暖湿流同士が収束し、非常に激しい雨が降り続きました。
三重県の尾鷲では、9日16時までの24時間に423㎜と、10月としては記録的な降水量を観測しました。他にも、紀伊半島や四国の南東部では、あちこちで24時間降水量が200㎜を超えています。
9日15時現在、引用図②より、上空3000m、2000m、1000mとも、北日本から東日本にかけてはおおむね南東~南より風 に対し、紀伊半島から西では、おおむね南西風となっておますが、これは、下層の暖湿流が、それぞれ、本州の南東方向と南西方向から流入していることを示しているものです。(引用図③)、そして、当該、暖湿流同士は、紀伊半東付近~伊勢湾付近で収束して、特に強い降水域を形成していますね。(引用図②③④)
さらに、これら下層の暖湿流の流入状況を詳細に見てみると、引用図②より、本州南東海上方向から南東~南より風となって流れ込む暖湿流の風速は全版的に強めで、その流れ込み範囲も広範囲に及んでいます。
本州付近の下層にへ南海上から暖湿流が流れ込む場合、その風向により、以下の特性があります。
Ⅰ:南西風が卓越する場合・・・・・強い降水域は九州地方や中国地方、北陸地方や東北地方日本海側に分布しやすい。
Ⅱ:南東風~南より風が卓越する場合・・・・・強い降水域は、北海道から本州、四国、九州にかけて、太平洋側に分布しやすい。
と言った特性があり、ⅠとⅡとが共存するタイプですと、双方の暖湿流同士が収束した箇所では、とりわけ雨量が多くなりますから、油断なりませんね。
このように、風向の異なる暖湿流同士が引き起こすタッグ攻撃には、大雨災害と言うダメージが一層大きくなるもの。どうか皆さん、ご用心ください!!