①2月16日18時の天気図 気象庁HPより引用
②2月16日9時気象庁発表のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用
③2月16日18時の日本全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
④2月16日18時の関東地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
2月16日は、前日、本州南岸の各地に雨を降らせた低気圧が本州に東海上に去り、本州付近は弱いながら、西高東低の冬型気圧配置となりました。
が、引用図①より、冬型気圧配置といっても、等圧線が本州の南海上で ⊂ の字型に走っていますよね。こういう場合、本州の西側では、上空の気圧の谷が残っており(引用図②の上側図)、当該上空の気圧の谷が本州上空を通過し、本州に東へ移動するまでは天気が回復しません。
当該、上空の気圧の谷通過(500hpaの正渦度で表現されていますが)に伴なって、下層(上空1000m~1500m付近の風向が目安)の気流の収束箇所に降水雲が形成されて、雪や雨を降らせるようになります。
特に、冬型気圧配置時に、伊豆諸島近海から東海道沖にかけてと、関東平野では、冬型気圧配置時に吹く季節風が中部山岳の影響で地形的に下層で収束しやすいため、一見、冬型気圧配置となっても、上空の気圧の谷が、本州上を西から東へ進む場合には、前記した降水雲が顕著に発生しやすいものです。
16日も、前記した降水雲が夕方から関東平野にも発生したため、関東の広範囲で雪や雨となり、東京では、本年2月になって7回目の降雪となりました。
16日22時現在、山梨県東部富士五湖には、大雪・着雪注意報も発表されています。
なお、前記した、冬型気圧配置時に吹く季節風が中部山岳の影響で地形的に下層で収束しやすいため と言うのは、
Ⅰ:中部山岳の影響で季節風が分断されて、分断された気流同士が収束する状態
と、
Ⅰの結果、下層の気流が関東平野で澱んでしまう部分が発生し、当該、気流が澱んだ部分と関東の東海上jから吹きつける気流との間にシアーラインが発生し、当該シアーライン発生箇所で降水雲が形成される状態
になることをも意味するものです。(引用図③④)