カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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暖湿流我物顔 各地に大雨

2008-08-28 20:39:10 | インポート

①8月28日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月28日15時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③8月28日15時の日本付近ウンドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④8月28日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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ここ数日、本州には、南からの暖湿流が流れ込みやすく、大気が不安定な状態が続いています。

8月28日は、引用図にはありませんが、本州付近上空に、西から気圧の谷が接近してきたこともあり、一層、南海上からの暖湿流が大量に流れ込んで(上空には寒気が入りこみ始めて)、大気の不安定な度合いが増大し、あちこちで大雨となりました。

暖湿流は、流れ込む際に、一様に流れ込むのではなく、ある部分に集中して流れこんでいて、当該暖湿流の流れ込み具合は、以外にコントラストが大きいものですね。

ですから、暖湿流が流れ込んで大気が不安定・・・なんて時は、まず

<1>雲画像図・・・・・ 白く輝いている箇所は発達した雨雲と言うことはご存知でしょうが、当該白く輝いた雲が幾重にも集団となって、帯状に分布している状態のところは要注意! 当該部分は、暖湿流が特に大量に流れ込んでいる部分を示すものです。

<2>ウインドプロファイラーや各種上空実況図などで、上空の風の動向(上空1500m~3000m周辺まででしょうか)、相当温位分布状況に注意・・・・・気流がどの部分で合流(収束に繫がります)しているか?※本ブログ8月24日記事でも紹介しましたように、こういう箇所で雨雲が局地的に発達しやすくなります。相当温位が夏季で340K以上 、春秋季で330K以上、冬季では320K以上の部分は要注意です!また、過去の図を参考や、各種予想図を吟味して当該暖湿流の特に大量に流れ込んでいる部分がどういう挙動をするか、見極めることも重要です。

以上のことに着目してみましょう!

8月28日は、引用図②③④より、南海上から関東地方や東海地方へ白く輝いた雲の集団が帯状に連なっている様子が解りますが、当該雲の集団の直下で、激しい降水となっていますよね。

ちなみに、各種予想図より、南海上からの暖湿流が特に大量に流れ込んでいる箇所は、ゆっくりと東方向へ移動しています。よって、明日8月29日は、大雨の範囲は北海道地方や東北地方へも広がりそうです。