カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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今日は、各地で雷を伴った激しい雨の恐れ。

2006-08-12 12:20:28 | インポート

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引用図は、左側が8月12日9時の天気図と、右側が8月12日9時の日本付近のレーダーアメダス解析雨量図です。

双方とも気象庁HPより引用です。

今日12日は、朝からお盆の帰省とか行楽とかで、都心から地方へ通じる各高速道路や、新幹線など、大変な混雑となっていますが、本州(北日本,東日本中心ですが)の上空に冷たい空気が入り込み、弱い気圧の谷がこれから、宵のうちにかけて本州上を通過することも重なって、各地で雷を伴った激しい雨の降る恐れがあります。

引用図より、沿海州には低気圧があり、日本海では、等圧線がU字型に走り、低圧部となっています。このような気圧配置の場合、本州上空には冷たい空気が入り込んでおり、日本海には、弱い気圧の谷がある(天気図ではしっかり表現されませんが)と考えて間違いありません。

引用図のレーダーアメダス解析雨量図より、気圧の谷に伴った非常に強い雨雲が、すでに北陸地方にかかり始めて、山形県や新潟県には一部、大雨・洪水警報が発表されています。この非常に強い雨雲は東よりに進んでいますが、この雨雲の移動に伴い、中部地方や関東西部にも雨雲が発生・発達して、それらの雨雲も東から南東方向へ進む見込みです。

今日のような気圧配置のときに、レーダーアメダス解析雨量図に日本海沿岸にこのような強い雨雲が表現されている場合、その雨雲の移動に伴って、本州内陸部にも日中雨雲が発生・発達して、全体としてこの日本海の雨雲が南~南西方向に広がるように移動するものです。

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次に、エマグラム図、左側が12日9時茨城県館野の、右側が静岡県浜松の図をご覧ください。

双方の図とも、上空550hpa 付近では、-8℃から-9℃と、この時期にしてはかなり冷たい空気が入り込んでいます。

また、当日9時の早々気象観測データより

(850hpa気温-500hpa気温)+(850hpa露点温度-500hpa気温)+(地表の気温-37)+C(定数ですが、今日のように正渦度移流や、日中海陸風収束で地形的低気圧が発生する場所、地形的に山の斜面にぶつかり上昇流が発生する箇所、または北を360°として、850hpaの風向と地表付近の風向との差が90°で+8。※前記の現象が複数発生する場合は、8×当該現象発生数。負渦度移流の場合 -8)=48~51で、大雨注意報基準の降雨が、52以上で大雨警報基準の降雨が発生します。 

※この式は、アメリカのTI値の算出式から、私が気温と、地形的な気流収束などを勘案し、変形して作成しました。

これによると、特に関東内陸部や甲信越などでは、値が52以上となりますね。

今日は、これから、関東、甲信越、東北、北陸あたりで、特に雷を伴った非常に激しい雨に警戒する必要があるでしょう。