カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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梅雨期の台風、以外に厄介ですよ!

2006-07-09 12:49:55 | インポート

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引用図は、7月9日9時の天気図(左側)と、7月9日11時の台風3号進路予想図(右側)です。双方とも気象庁HPより引用。

沖縄の西方には、台風3号があって北上しています。

この台風3号、今後も北上を続けて、11日には朝鮮半島に達する予想ですね。

一般に、台風、①前線に沿って進む とか②太平洋高気圧の縁に沿って進む との経験則があります。

が、前記①については、前線でも、明確な気温差があるもので、寒気側の寒気移流がしっかりしている場合や、上空の谷が、西から接近してきている場合があてはまり、前記②については、台風が接近すると、太平洋高気圧の張り出しを部分的に強めてしまう働きをするようになります。

このため、梅雨前線のような、前線をはさんでの気温差があまりない(湿度の差はありますがね)前線の場合、台風は、当該前線に沿って進むのではなく、周辺の太平洋高気圧の勢力を広げながら北上すると言った進路をとるケースが多くなります。

また、梅雨前線の北側には、太平洋高気圧と構造が同様な、背の高い高気圧(オホーツク海高気圧などど呼ばれていますが)がどっしりと腰をすえていますので、台風の進路次第では、台風が本州付近に北上してきても、この梅雨前線の北側の高気圧に行く手を阻まれて、複雑な進路をとるようになる台風も出てきます。

だいぶ昔の話になりますが、昭和48年の台風6号や、昭和51年の台風9号など、梅雨期の今頃本州付近に接近してきましたが、前記したように、背の高い高気圧に行く手を阻まれて複雑な進路をとり、特に昭和51年台風9号は、九州西方で足踏み状態を強いられて、結局は、長崎県佐世保沖で消滅してしまった。という事例があります。