カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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意外に知られていない台風の素性についてPART2

2006-07-17 23:10:47 | インポート

※PART1より続きます。

次に、台風の中心付近の最大風速ですが、PART1で、気象衛星からの測定で算出する言いましたが、それゆえ、特に上陸後は、台風の目も小さくなりぼやけてくることも多く、地形的の影響も加わり、気象衛星からの最大風速の算出に誤差が生じるようになります。

ただ、ある一定の強さの台風が、陸地に上陸すると、上陸後、中心付近では予想以上の猛烈な暴風に見舞われることがあります。目安として、台風が中型以下で、中心付近の最低気圧が上陸前に960hpa 台以下の場合、要注意と言えます。

これは、台風は円運動をするのですが、この台風の中心が陸地に上陸すると陸地の摩擦のため小さくなります。このため、台風の中心付近では、角速度保存の法則により、中心の渦は小さくなるとともに、渦の速さはかえって早くなってしまう(風速が増大する)ことになるからです。もっとも、そのまま、台風が陸地の摩擦力にさらされると、次第に衰えてきますが。勢力の強い台風で、大きさが中型以下であるほど、前記した角速度保存の法則が中心付近に働きやすい傾向があるからですね。

台風は、大きさもさることながら、その強さ(中心付近の最低気圧や最大風速)の方に中着目するべきでは、と思っています。

まさに、このような台風は、山椒は小粒でピリッと辛い ものが要注意ですね。こんな台風は、台風接近とともに急激に猛烈な暴風雨となりますしね。