ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
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富士登山に思うこと

2023年08月19日 22時26分29秒 | Weblog
多くのイベント開催が四年ぶりに緩和された。
登山もその例外ではない。
それ故に日本一の標高を誇る富士山をターゲットにした登山がどのような状況となるかは十分に予測ができた。
しかし現実はその予測を遥かに超えたところにあり、現状は誰もが知るところであろう。

関係機関は「弾丸登山」への警鐘を鳴らし続けてはいたが、一向に減る様子はなく過去一の賑わいとも言えよう。
いや、「賑わい」と表現するのはあまりにも適切ではない。
むしろ事故を初めとした様々な障害をも生んでしまっている。

「完全自己責任として、公的機関の救助であっても費用を負担させるべきだ」
「入山料をもっと引き上げるべきだ」
「入山に際して一人一人のチェックを行い、登山に不適切である服装や装備であればその場でアウトとすべきだ」
多くの意見がネット内で飛び交っている。
そのどれもがある意味的を得ていると思うが、実施したところで果たしてどれだけの効果があるのかは未知数だろう。
(いい加減行政が出てきても良いのでは・・・)

何故富士山なのか・・・それだけは自分にはわからない。
何故なら富士登山については全くと言って良いほど興味や関心が無いのだ。
過去三度登ってはいるが、一度目は「一度くらいはね」といったものからだった。
二度目三度目はつきあいでの「仕方ないか・・・」というものだった。
本音を言えば、「一度登ればはもう十分」と感じていた。
二度目三度目は、登る前からどうしても登攀意欲が湧いてこなかった。
理由は単純である。
歯応えに欠けるのだ。
確かに標高は日本一を誇る・・・が、あまりの単調さに辟易してしまった。
「富士は登る山ではなく、観る山である」
これが自分の出した結論だ。

さて、本題に戻ろう。
弾丸登山にはじまり、あまりに多くのトラブルを起こしている富士登山。
ニュースで知る限りでも信じられない事が原因で起きているようだ。
軽装備やサンダル登山なんてのは今までにも聞いたことはあるが、山小屋が予約できなかったからという理由で、登山道にテントを設営しそこで仮眠する。
テントがなければ登山道の隅でシュラフに入り寝る。
これって一体どういう考えを有しているのか・・・。
ルールやマナー、常識もあったもんじゃない!
小屋の人が慌てて「ここは寝る場所じゃないですよ。登山道です。すぐに起きてそこを空けて下さい」
と言えば「寝てねぇよ! 休んでるだけだよ!」と怒鳴る。
もう屁理屈を通り越してしまっている唯の大バカ者だ。
どれほど登山経験が豊富かは知らないが、やっていいことと悪いことの区別もまともにつかない輩であることだけは分かる。

最後に弾丸登山について、自分なりの考えを綴りたい。

自分は弾丸登山が悪いとは全面的には思ってはいない。
その理由として、富士山は十分日帰り登山が可能な山であることにある。
弾丸登山と言っても、早朝に発ち夕刻に戻ってくることは普通にできる山だ。(混雑具合は別として)
要はそのための準備と予測だと思う。
準備とは、体力持久力であり、ルート状況の事前把握。
そして適した服装、ギア等々。
予測とは、混雑具合や天候を初めとしたものである。
また、高山病や低体温症になってしまった時の自己対応などだ。
もちろんそこには当然経験や知識が含まれることは言うまでもない。

日本一の山だから、せっかくだから登ってみよう。
みんなが登っているんだから自分でも登れる(はずだ)。
そんな極めて軽はずみな考えで挑む人たちがいることは事実であり、混雑の要因となっている富士山。
自分の理解を超えてしまっている。

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〔おまけ〕実際にあった出来事

「劔岳に行くんですけど、何が必要なんですか?」と聞かれた。
本音で思ったことは、「何が必要なのかすら自分で分からない奴が剣に登るな!」
しかしそこはグッと堪えて「レインウェア(雨具)は持ってますよね?」
「えっ、レインウェアって必要なんですか!?」

もう呆れ果てて・・・ではなく、「どうかこの人、新聞に載らないでくれよ」と祈るばかりだった。
富士山に限らず、山岳事故が一向に減らない訳だ。