ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

鳳凰三山「朝食は目一杯!」

2014年02月15日 23時09分01秒 | Weblog
起床は4時、朝食は5時、そして出発は6時を予定している。
いわゆる「し・ご・ろ(4・5・6)」ってやつだ。
4時前に目は覚めており、テントの外で一服した。

お隣のOさんも起床。
これから朝食を作るにしてもまだ時間があり、やや眠い目をこすりながらお湯を沸かし珈琲を飲んだ。
甘い珈琲がまた美味いんだな♪


食材などの朝食作りに必要な準備物はすべて出してあり、慌てることはない・・・と、思っていると、Hさんがテントにやってきた。
まだ時間はたっぷりとあったが「さっそく作りましょう」ということで、調理のほとんどをお願いしてしまった。
自分はといえば皿やカップを準備した程度だった。

狭いテントの中に夜明け前からいい匂いが満ちてきた。
さっき珈琲で胃を刺激したせいか急に腹が減ってきた。

アスパラベーコンとスクランブルエッグのサンドイッチとスープ。
これから山を登るのに「パン」はどうかな・・・とも考えたのだが、どうしてどうして結構腹一杯になった。
しかも美味い♪
いやぁーきつい思いをしてここまで持ってきた甲斐があった。

10月の初めとはいえ、標高が2000mを越えていればそれなりに肌寒く感じる。
ジャケットを着てテントの撤収だ。

そうそう、この写真を撮りたかったのだ。
某パンフレットに掲載されているポーズを真似てのものだが、いかにも「テント泊をしました」と言わんばかりのポーズ。
ちなみにこれは、テント内に残っている小さなゴミや木の葉などを外に出す作業。
後は帰宅後にテントを洗って陰干しすればOKだ。


6時07分、出発準備が整った。
Oさんはこれから観音岳へと登攀する。
自分たちは何はなくとも「オベリスク」の地蔵岳へ。
だからここでお別れだ。


テン場から地蔵岳まではそう時間はかからない。
かからないのだが、またしても深い樹林帯の中をひたすら登るだけ。
「今日も朝の一発目から樹林帯かぁ・・・」
本当に辟易しそうになるほどだったが、標高を上げるに連れ時折木々の合間から覗いて見える頂に励まされた。


「もうすぐもうすぐ。ここからここから。一歩一歩。ガンバガンバ。」
久しぶりに出た言葉だった。

小さな谷を越えると、足場が急に悪くなった。
岩ではなく、砂だった。

オベリスクが手の届くところに見えているのだが、どうにもこの砂のルートに足を取られてしまっている。
つまり踏ん張りが効かないのだ。

ザックが大きく重いせいもあってか、このように登山ブーツが埋まってしまうほどだった。
「くっそう~」と思いながらも、この急斜面を登らなければオベリスクはおろか「甲斐駒ヶ岳」「仙丈ヶ岳」をこの目で拝むことはできない。
これだけのピーカンであれば、今日は間違いなくドドーンと自分たちを迎えてくれるはずだ。

ちょっと心配なのはHさん。
昨日と比べペースが遅くなっているし、顔色も良くない。
僅かに2700m程度で高山病とは思えないが、足取りは明らかにスローペースとなっていた。


振り返れば青空が。
そして眩しいほどの太陽が照りつけている。

早く頂にたどり着きたい。
と言うよりは、いい加減この樹林帯からおさらばしたい思いで一杯だった。