喜♪きりん

人が苦手なのに何故か販売員をしてる人の日々あれこれ

「ハンブン東京」感想(辛口です)

2007-11-20 18:19:21 | ドラマ・演劇感想
最初この舞台のポスターを見たとき、何となくSFっぽいイメージがあった。
ビルの前が畑だったり都会なのに田舎の風景があり、私はストレートにナンセンス物かなと考えていた。

でも違った。
ポスターは地方から田舎へ出てきた人達の心象を表しているっていうか、都会に染まりながらも心はどこか馴染めてない。そんな人物達の素朴な生活のスケッチだった。

登場人物は10人

夫婦だったり、先輩後輩の間柄だったり、恋人同士だったり、仲間だったりする。

ごくフツーに生活しているのだけれど、それぞれが心にやるせない気持ちを抱えていて・・ストーリーは何の変化もない淡々としたもの。
はっきりいってしまえば、面白味のないもの。

それをこれだけ笑わせる舞台にしたのは、やはり役者の力だったように思う。
お笑い芸人側の笑いへの貪欲さ、俳優側の堅実な演技
両方が絶妙にミックスされて作り上げたあの空間は中々見れるものじゃない。
脚本家が「新しい演劇の形」と言ったのも頷ける。

ただ逆にいえば、役者達の力に頼った舞台とも思った。
あまりにも多い暗転に何度も集中力を失いながらも最後まで見れたのはあの出演者だったからだ。

ドラマと違い、演劇は場面転換が難しいと思う。
特にこういう平坦な話でしかも、登場人物それぞれにスポットが当たるとなると、どうしても暗転は多くなってしまうだろう。


美術館
夫婦の家
電車内
会社
飲み屋
公園?
ホテル?
アパート
アパート2
テレビ局内


・・まだあったかな。

これだけの場面を舞台化するなんて無茶すぎる。



恐らく主役は最後に走るあの青年なんだろうが、突出はしていない。
10人とも主役になりうる。それだけ各自に見せ場があった。
そのため詰め込みすぎて結局何を言いたいのか分からない劇になってしまったのは本当にざんねんだ。


とはいえ面白かったし、ヘンに小難しいとこもなく気持ちのいい舞台だった。
単純だけどそれが心地良かった。

ウッチャンにはもっともっとチャレンジしてもらいたい。
その時は少し厳しさを持った演出も見てみたい。
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