ミュージカル「シカゴ」を観にいってきました。
映画は見たんですが、ブロードウェイから来るってんで大枚はたいて行っちゃいました。
生演奏とダンスはホントに【凄い!!】の一言
特に看守のママの歌声は迫力があって際立ってましたねー。
もちろん主役の3人(ロキシー、ビリー ヴァルマ)も良かったです。
以下は内容に触れてますので知りたくない方は注意して下さいね。
さて、内容なんですが、1920年代のシカゴが舞台です。
この時代は殺人すらエンターティメントにしてしまう。
ある一人の主婦(ロキシー)が愛人に別れを持ちかけられ彼を殺します。
彼女は夫を使い罪を逃れようしますが、嘘がばれ刑務所に収監されます。
物語はこうして始まります。
そこにいる六人の女囚(一人は無実?)は皆、罪の意識がなく自分は悪くないと主張するばかり
ー悪いのは相手のほう殺されたって当たり前ー
理由は浮気がほとんどですが、中には【ガムをふくらませてパチッ!】が嫌だったなんてのも
彼女達はここから出たい。そのためには嘘だってつくし、高いお金で敏腕弁護士を雇い、看守に賄賂も渡します。
愛人を殺害したロキシーも鈍い夫にお金を工面させ弁護士を雇います。
彼の助言で実に滑稽な証言をマスコミの前でするのですが、これが滅茶苦茶
ー寂しくてつい家具屋の男と関係を持ってしまったー
ー夫への罪悪感から別れを持ち出したが相手がブチ切れ自分に拳銃を向けてきたー
ー気がつくと側にあった拳銃で撃っていたー
すごいでしょ。死人にクチナシ。相手に罪をおっ被せ、自分は【正当防衛】だって事です。
これが弁護士の脚本(彼女は操られているだけ)
こんなのがまかり通ってしまうシカゴの法廷は陪審制、真実なんてどうでもいいんです。同情を引きさえすれば無罪を勝ち取れるんですからね。
犯罪者なのにスターになれる。
日本では考えられませんね。
しかーし人気は水物。彼女よりさらに上手な犯罪者が出ると世間の興味はそっちへ移ります。(弁護士も(笑))
絶体絶命のロキシー・・ここで彼女はとんでもない【アドリブ】をかまします。
ーお腹の中に赤ちゃんが
ー
なんつーしたたかな女でしょう。そして強すぎるロキシー。
再び彼女はスポットを浴び、裁判は異例の速さで結審を迎える・・・・
ロキシー、ヴァルマはどうなるのかは作品で確かめてください。
まあ、全体を通して明るい作品なんで面白いと思います。
ただ、マジメな人とか、正義感の強い人とかはムッとくるかも。
中盤にちょっと考えさせられるシーンがあります。
女囚の一人が刑を執行されてしまうんです。
彼女は最後まで無実を訴えるものの、異国人で財もなく(国選弁護士しかつかない)助ける人はいませんでした。(こんなのって可哀相。でも日本でもあったようです。同じような罪状でも貧富の差で天国と地獄にわかれた事が(
)
ロキシーとヴァルマは彼女の最後を見て怖くなって、さらにしたたかになったんでしょうね。
強くなければ生きていけない。そんな時代だったようです。
でもねー彼女達のずるさや自己中ぶりにはいらいらしました。
【悪いのはアンタでしょ!】って、何にも反省してないし、保身ばかり
ロキシーなんて自分がのし上がる事ばかり。周りにのせられ気持ちは増長していき、彼女のために誠心誠意をつくす元夫なんて眼中なしで自分の事ばかり、赤ちゃんすら自分の野心の小道具にしてしまう。
マスコミは彼女を【悲劇のヒロイン】だと持ち上げる。
そんな様子を見て事もあろうかヴァルマとママがこう嘆きます
【どこへいったの品格は?】
あんた達が言うこっちゃないでしょーっ!!!
と突っ込みたくなりましたが「他人のふりみて~」のことわざじゃないけど自分では見えなかったものが他人のする事によってみえるもんなんですね~。
以前はロキシー同じ事をしていた彼女や賄賂を受け取っていたママが言うのはちゃんちゃらおかしい。
でも、この言葉を現代の姿に置き換えると身につまされるというか・・これは舞台のオリジナルでしょうか?(歌だから映画にもある?)
ただのしたたかな女の生き様とこの時代に対する痛烈な風刺ミュージカルがこの台詞(実際は歌)でちょっと痛い、でもせつないメッセージを見た人の心に残したような・・それだけでも映画とは違う印象を持ちました。(映画は後に何も残らなかったので)
役者さんはロキシーがすごくキュートです。後、ダンナさんも味があって
まだやってますので興味のある方は是非(回し者じゃないですよん)
全く内容を知らなくても楽しめますが、ストーリーの流れや時代背景は知って行く事をお勧めします。
異国人の発音(何言ってるかわからない)で笑ってる人がいてちょっとなあ・・・
彼女の境遇が分かればそこで笑うのは躊躇すると思うので。
字幕があるんでちゃんと読むと理解出来ますよ。(偉そうだな)
またこの訳が面白いんだ。(原文を忠実になぞっているかは疑問)
これから行かれる方は是非注目して下さいね