喜♪きりん

人が苦手なのに何故か販売員をしてる人の日々あれこれ

目力勝負!(武蔵感想その2)

2023-05-27 13:35:00 | ドラマ・演劇感想
やっと城太郎出演の回まで来たよー。
これまで武蔵が「俺は強い!」って暴れてばっかりで剣術とおつうの事ばっかりでこの人ってどんな人なのかさっぱりわからないけどやっぱりわからない。

で、春馬君演じる城太郎は突然出て来たの?何か最初から武蔵と知り合いみたいなのに。だるくて流し見してたから見逃したか?

それはともかく子春馬君可愛いー撮影時は12歳くらい?大人びてるなー。この頃から目が印象的で海老蔵さんといい勝負だ。海老蔵さんはカッ!っ周りを焼き尽くしそうな眼光だけど、春馬君の目は凛として透明感があって何もかも見抜かれそうな感じ、静と動のいいコンビだわ。

この頃の春馬君は子供ならではの感性のみで演じている気がするので彼の間とか「東京公園」の役の原型を感じるな。その後経験や技術を重ねても彼の役者としての素のようなものはここにあったんだなと思った。

海老蔵さんの演技は激しくて周囲を台風のように巻き込んでいきそうなのに春馬君は受け手の演技ながら個を確立していて素晴らしい。滑舌とか緩いけどちゃんと武蔵の仲間として存在感がある。もうこの頃から相手に引きずられる事ない立派な役者だったんだな。

それにしても海老蔵さんの所作の美しさと刀捌きには惚れ惚れしてしまう。
一見野生的で荒々しいのにこういう所に代々受け継がれた資質と鍛錬が出るんだろう。他の役者の動作が緩慢なので余計に際立っている気がする。

何か話が面白くないので別な面で楽しんでいる。出演者は豪華だしOPはエンニオ.モリコーネだし脚本は鎌田俊夫って「金妻」の人だっけ?内容としては今のところ武蔵とおつうの恋と剣術修行と中村玉緒の面白さが5割って感じだ。

ちなみに5話にはあのドラマにも出たあの人が出てきたり春馬君の後の共演者探しも楽しい。これもこの後の役者人生が続いたからそう思うのだから役者三浦春馬が生きた証ってこれだなって実感。



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大河ドラマ「武蔵」で混乱 (武蔵感想その1)

2023-05-26 10:19:00 | ドラマ・演劇感想
「武蔵」のDVDを見てます。

今回ボックスで全2巻という形態で発売。
とりあえず作品自体未見だったので春馬君が出演している20話までが見られる第1巻を購入しました。

でこれ七枚組なんですよ。
でも最近のBOXは開けると全部一つにまとめて入ってます。

なので一番上に入っているのを早速デッキにセット。

〜前回のあらすじ〜

は?なんで?不思議に思いしばらく見ていたらオープニングで第4回ってドドーンっとクレジット、やばい間違えたと慌てて探すも第一回のディスクが見つからず、なんでー不良品掴まされたか?って隣のブックレットをはずしたらそこに鎮座しておられました。ここかよ!ずいぶん探したわとぼやきつつセットし直し、あーよかった、購入した皆さん気をつけて下さいね(こんなんやるのはお前だけや)

あれ、でももう佐々木小次郎で出てるよ、武蔵が「おつうを抱きてえー」とか叫んじゃってるよ。大河って最初子供時代から始まるんじゃないの?これ一巻だよねーともう一度確認した。(疑い深い)

第一話 「俺は強い!」
第二話 「お前を守る!」
第三話 「弱さを知れ!」

あってるじゃん、一話の題名は弱ペダの福ちゃんかよ。

初見の私でも混乱したのにこれ当時リアルで見てた人ってどうなんだろう。面白いとか面白くないとかじゃなく混乱、一話で主人公、ライバル、ヒロイン勢揃い。

入れ直したからまた最初から見てるし、やっぱ「おつうを抱きてえー!!」はコンプアラインス的にどうなんだろう。今だったらフェミが黙っちゃいないな、当時はおおらかだったんだな。それにしても武蔵はおつうのことしか考えてないな(苦笑)

何かどうなんだこれ?
中村玉緒のおつうの呼び方がおかしくて真面目に見られる気がしなくなってきた。

果たして私は子春馬の出る六話まで見続ける事が出来るだろうか?すでに冒頭10分くらいで時系列の迷子になっているよー。
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初めてのリーライ現地観劇感想

2022-04-18 03:23:02 | ドラマ・演劇感想
キラミューンリーディングライブに行って来ました。
「幻視探偵~」以来だから二年ぶりで、今回は初めての現地参戦でした。

やっぱ生はいいですねー。ライビュだと画面は大きくても伝わるものって違うんですよ。席は遠かったけど、生声って直接響くし、演者の生きざまが直に立ち向かってくるので歌でも演技でも覚悟がいるんです。役者の技量も影響するとはいえ、いい加減にやってる人なんていないからその真剣さと臨場感に心を揺さぶられる。やはり生で見てこその舞台だと実感させられました。今までライビュで満足してたけど、生に勝るものなし!とはいえこのコンテンツはもっとたくさんの人に見てもらいたいから配信は必要だしう~ん複雑

さて、今回の「BELIEVE」は2017年の再演、台風でライビュに行けなかった作品だったので今回観られて良かったです。

元ネタはあの作品だろうなと分かりつつも舞台装置や複数の役者が演じることで独自の世界を構築しておりました。とはいえ、繊細に捉えすぎると賛否が分かれる題材なので‥特に今の時代はいろいろ主張が大きいからやりにくいですよね。感想も書きにくいので(というかしっかりかみ砕いていない)役者の感想をちょっとしておきます。

推しさんはもう安定で私は信頼しきっているので言うことはないです。ただ前半は某古〇さんかい?って思わせる台詞回しで、「おっ遊びに走ったのか?」ってちょっと不安になりました。
あれは彼らに自分の正体を悟られないためだったのかなーだって教師は監視者だし、特に前半で教師をまず混乱させたのは管理人の心理作戦だと予想。ここでつまずくと何もかもが水の泡、そう考えると早々と消えていった乱暴者は彼にとってコントロールしやすい素直さがあったし、エリートは知識がある分理解が早いと踏んだんでしょう。

世話焼きと泣き虫は何か管理者にとってのウイークポイントというか、これは想像に過ぎないけど、おそらく彼自身の妻や子供を重ねてしまって辛くなったのかも、キャラクターのバックボーンを考えてしまうのもこの作品のすごいところですね。

今回よちさんは受けの演技に徹していたというか、彼ら全員を受け止めながらも彼らの意志に任せるそんな包容力がありましたね。台本があっても暴走する時は半端ないので管理人は精神科医らしく「聞く」ことに徹していたのかな?

全て聞いて受け止めて最後は導く、でもその判断は本人にゆだねる。
何か普段のよちさんもこうなんじゃないかなって思わせる自然さでした。対峙する教師役の江口君も上手かったなー。演技のキャッチボールが見事でした。

後はスパークルの皆さんだけど、私はやっぱ吉永君の演技が好きだなあって見るたびに思う、保住君は「らしい」というか、上村君と同じ得意分野でこれはこれで個性が際立っていて良かった。堀江君は素と逆の役柄でこれが嵌っていた、この子は憑依型っぽいし、どんどん違う役をやってほしい。惜しかったのは上村君かな、上手いし嵌っているけど正統派で止まっている、もっと違う役も出来そうなのにね。この作品が再演を重ねて行ったら「管理人」を演りそうなのは上村君だと思っているので、もっといろんな役にチャレンジしてほしいし、キャスティング側もチャンスを与えて欲しい。とはいえまだまだ皆発展途上だしこれからが楽しみです。

アーカイブで夜公演を買ったので休みにもう一度楽しむ予定。
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狭いコミュニティーの中で起きた悲劇

2022-02-14 16:25:38 | ドラマ・演劇感想
ウ、ウッチャン家は今「まさみちゃん祭り」なのかー。
いま「コンフィデンスマン」ドラマ版まで来たのね。次は映画だよね~
ぜひジェシーの魅力に気付いてほしい。(ちょっと嬉しい)

そうだ、ようやく配信のミュージカル見ました。
これ実話を元にしているんだよね。音楽劇もいいけどストレートプレイで見たいなって思った。どこかで映像化されていないか探してみよう。

キンキーもそうだけど、外国のミュージカルってリズムとか音楽が独特で、音の並び方とかがどうしても自分には取っつきにくい。えっココ下がるのとか、ここで明るくなるの?とか不思議なんだよね。エレカシの初期のメロディーををもっと難解にした感じ、こういう音楽は日本ミュージカルではまずないだろうなあ。
だから歌うのが難しいと思う。演者さん達は皆歌の上手い人ばかりだったけど、歌い上げ過ぎてしまって気持ちが伝わってこなかった人もちらほらいた。歌をうまく歌うことがいいんじゃないと思うけど、このメロディーだと外すとすごく目立つから大変だよね。

CM動画でパッと目を引いたのは小関君と阪本君、本編もこの二人は良かった。特に小関君は存在感があるなあと、一つ一つの動作が丁寧であのメンバーの中では彼が一番心を掴まれた。ソロの歌では思わず涙が。

題材的にも主役の平間君は大変だっただろうな。安定して歌も演技も良かった。最後のシーンは平間君をハグする小関君に彼を重ねてしまったよ。インタビューでも語っていたけど忘れることなんで出来ないよね。私も辛い事は「忘れようとする」けどどこかでひっかかっているもの、ましてやそれが誰かの死なら余計にね。

ただこの事件の背景に「差別されたもの同志が安息の地を求めてたのにそこでもまた誰かを排除してしまった」というのが辛い。


これを読むとバーの中で諍いがあって逆恨み?で放火されたみたい。物語だとデリーがそうなんだけど、劇中で仲間から疎まれている、問題児扱いされている様子がちょこちょこ出てきて負の意味で存在感があったからこの後何か仕出かすかこの人死んじゃうんじゃないのって思ってたからちょっと驚いた「外にいっちゃったか―」って。

恨みとか孤独とか悲しみとか自分の内に向かう人と外に向かう人ってのがいて、デリーは自分を迫害した仲間(と思ってた人達)に向けた。恐らく長い間溜まっていてあの最後の音楽家?との諍いによって皆から完全に拒否されたことがトリガーになったと思う。でも結局は罪悪感で自死してしまうのが哀れだ。ただ、あの世間から迫害を受けたコミュニティーの中でもデリーを異端児扱いしてたのだから、人ってどこへ行っても同じだなって空しくなった。

主役二人の恋愛ものかなと思って見てたらタイムリープと彼ら二人の関係よりもそっちの方が色濃く残った。これデリーに感情移入すると結構辛いだろうな。ていうかどの登場人物も辛いけどデリーはあの中で「必要とされいない」のがまるわかりだから見ていられなくなる、役者が上手いから余計にきた。

というわけでキンキーよりも辛い話でした。あれだって差別されてたけど、最後は「ありのままの自分を見せよう」って前向きだったからね。こちらは実際の事件が悲惨だったから暗すぎる。でも心に残ったのはこっちだった。
今の自分が求めているものの違いかな。

グリーフケア中に無理に明るい音楽は聞かなくてもいいというのをどこかで読んだけど、映画や舞台や書籍もそうかもしれないな。
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とんでもない女

2021-12-13 04:14:36 | ドラマ・演劇感想
「とんでもない女」(六本木トリコロールシアター)観てきました。

よちさんの生の朗読劇は「カナタ」以来だな。

物語は女二人と男一人の愛想劇というわけではなく、どこかもの悲しいながらもコメディチックで後味が良かったです。

役者が皆上手かった。

ト書きを読む必要性に疑問を持ったけど、小さい劇場で映像とか使えないのかなと思ったし、あれはあれで昔のサスペンスドラマのアイパートナーのような、朝ドラの副音声みたいな役割なんでしょう。

ピアノが場面の所々でBGMで流れるんですが、それがまた絶妙なタイミングでで物語の展開や人物の描写で入るんですよ。いい音だったな。

女優二人は元宝塚(調べた)の彩輝なおさんと声優の明坂聡美さん
前者の存在感と後者の演技力はすごかった。

失踪して戻ってきた妻役の彩輝さんのスタイルに圧倒されました(足なげー)
ひよりという女の底知れなさと強さが溢れていた。

明坂さんはけなげで一途なさやか役にぴったりはまっていて、感情が溢れる読み方に思わず朗読というのを忘れるくらいのめり込みました。いやすごい。

そして振り回される男役の吉野さん

もうよちさんの演技には信頼しかないんで安心して聞きました。
情けない、でも優しくてお人好し、何とも憎めない男実明を熱演、最後の顔が良かったなあ、朗読劇なのに演劇のようだった。エプロンを見つめる表情、優しくて慈愛に満ち溢れていて、この先三人はきっといい人生が待っているんだろうなってその顔だけで感じられた。やっぱすごい人だ、もっと舞台に出て欲しいけど朗読だから出演を決めたのかな?カーテンコールでも何も言わなかったので今回どういう経緯でこの朗読劇に参加したのか知りたいけど(しかも座長だし)いい作品だったので良かったです。

2021年のエンタメの締めを心地よく終える事が出来ました。
また総まとめ書きます。
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物語と現実社会

2021-11-25 09:30:22 | ドラマ・演劇感想
ナイロン100℃「イモンドの勝負」を見てきました。
久しぶりの本公演、オールスターズ勢揃いとあって平日昼公演なのに満員御礼でお客さん達の熱気を感じました。劇団員と演劇ファンお馴染みの客演だけでここまで集客できる強さ、いやはやナイロンは厚いなあ。演技の精鋭達が繰り広げるナンセンス芝居は笑いと、何とも言えない後味の悪さを残しました。でも何だろうなあスッキリしないのに心地いい感じもある。演劇に触れたからなのか自分の中のモヤモヤがちょっと薄れた気がします。

さて、内容は公演中なので触れませんが、気になったのが登場人物が言う「憶測」「想像力」という言葉、割と頻繁に出てきた事です。

コロナ前というか、春馬君のあの日前だったらさしてひっかからなかったであろうこの言葉が今はすごく重要に思えた。何故なら主人公や周りの人達はこれにすごく振り回されて話が展開してたからなんです。

芝居として見ると馬鹿な事いってんなあとか、ああ、不条理だなとか笑ってしまうけど、このナンセンスさが現実になっているのが今のネット社会なんですね。

憶測、妄想を平気で拡散し、持ち上げるときは持ち上げ、叩く時は徹底的に叩く。噂にしか過ぎない事も悪気もなく吹聴する。どこかの界隈を想像させました。そして改めてこんな話をナンセンスに消化するケラさんのシニカルな視点に敬服しました。誰も傷つけず作品で風刺する。本人はそんなこと思ってなくて単純に不条理な芝居をかいたかもしれない。でも「物語には登場人物の中に犯人がいるけど、現実はそうではない」というセリフにあったように現実は曖昧なんですよ。真実とか実態とか本当に曖昧、それをむりやり「真実は一つ!」なんて言ってデモしたり誹謗中傷する人達は今は物語の登場人物になってるだけなのかもしれません。

自分達が一番不条理な事を言っているのに「不条理だ!」と叫んでる彼女らの姿がこの作品の街の人達に重なりました。

作品世界より恐ろしい現実の世界ってあるんですね。
その事実を嚙み締めたそんな日でした。

興味のある方は是非観に行ってください。
ただしあるシーンがトラウマを呼び起こしかねないので希死念慮のある人は避けた方がいいかも。

追記

オープニングのプロジェクションマッピングはいつも以上に素晴らしい。
今までの公演でOPだけ集めた映像見たいなあ。後、ジャンケンのシーンは手数覚えるの大変だったろうな、勝つ方も負ける方も、どっちかが間違ったら物語が止まる、まあベテランだから切り抜けられると思うけど引き分けはともかく勝ち負けが逆になったらやばいよな「会長往生際悪いな(笑)」って見てるけどあれ演者にして見たら相当緊張感あるよね。(誰か横から支持してたりして、いやそう疑うくらいの技だよあれは)
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気が付けば涙

2019-10-26 19:58:55 | ドラマ・演劇感想
毎年恒例の「キラミューンリーディングライブ「密室の亡霊 幻視探偵」ライビュに行って来ました。

明日まであるのでネタバレしないようにとの役者さんたちからのお約束なので内容には触れませんが、よちさんファンとしての感想を言うと、もし明日用事がないならライビュだけでも行った方がいいとハッキリ言っときます。

最初すごく違和感があって、会話もどこかうまくかみ合ってなくてなんだかなーとモヤモヤした気持ちが後半のあるシーンですっきりします。というより「そうか!そうだったのか!」って合点がいく感じ。それまでのチラチラした欠片がその瞬間一本の線になります。

私はまさにそれでその後涙腺崩壊しました。

もう止めどなく流れてくるんだもの。あれはズルいよ。

Aチームはひたすらシリアスでした。笑い所はほとんどなくて面白さを期待すると拍子抜けするかもしれません。私は前半で犯人が分かったので(あくまでも直感)少々退屈したけど、シリアスな分後半のあのシーンが感動を増幅させてきます。すごいカタルシスっていうの?もう琴線にビーンときます。あの二人はやっぱ役者としても素晴らしい。

それと今回キラミューンのニューフェイス君達が参加していたけど先輩たちに引けを取らない演技と度胸でした。特に吉永君は表情が良くていいなあって思いました。DAYSの時から上手いよね。彼のあのセリフがあのシーンに上手く作用して生かしたと思う。
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AD-LIVE ZERO ライビュに行って来ました。

2019-09-15 08:51:31 | ドラマ・演劇感想
AD-LIVE ZERO ライブビューイングに行って来ました。14日昼公演です。

正直アドリブ舐めてました。きっと内輪ネタだらけの楽屋落ちになるんだろうなと思ってたし、舞台劇として物足りないだろうなと思ってた。推しが出るだけでコンテンツにはマイナス印象でした。

ですが見たらその印象は覆されました。いやーすごかった、エンディングで放心状態だったわ。打ちのめされたって感じです。ボーっと電車に乗って帰って家についてまず出た独り言は「なんなん・・あれなんなん・・(なぜ関西弁?)」でした。2008年のナイロン公演以来だわあんななったの。

思ったのと全然違ってた・・あれ本当に即興の台詞なの?実は考えて組み立ててないの?もう驚きの連続で圧倒されるとはまさにこの事

私は昼公演しか見てないんですが、夜公演は笑いに振り切ってたらしいので貴重な回をライブで体験できたんだなとしみじみ、巷では笑いの多かったソワレの方が注目されてたけど、演者が慣れて遊ぶ位に余裕のあった(と推測)ソワレを見たとしても自分はマチネの方を評価するんだろうな、それぐらい凄まじかったです。

パンフに浅沼さんが書いていた「主催の鈴村さんと対峙するのは引退試合のよう」という言葉、よーく分かりました。AD-LIVEの創設者にしてストーリーの技巧者、まさにラスボス、それに対し予定調和を嫌う最強の破壊神とのタッグはまさにラスボス戦、殴り合いかと思いきや実は協力しあってラストへ繋げてる。不条理劇ともいうような展開を見せながらも感動のラストでしめる大好きですこういう作品。

即興だし、アドリブワードが多少笑いに走った物でも強引にストーリーに盛り込む二人、そのやり方も対称的でした。

あくまでも自然に入れ込む鈴村さんととにかく意図的に消化させつつここぞと言うときに最強のワードをぶっこむ吉野さん、何も考えずただただその場で消化してたように見えたから逆にパズルのピースのようにがっちり嵌った一言の存在感がすごかった。「神引き」だとの感想があったけどそう思わせるための演技の計算でのワードの使い方だったとしたら恐ろしい演者だわ吉野裕行って・・まあ偶然だっただろうけど、キラカンの協力エチュードのやり方を見てるとどうしてもそう疑ってしまう。

あれ見てる人ならあの人の「自由な演技」がどれだけ意図的な物か分かるはず、相手によって自分の立ち位置を決める、この人の対峙ならまずは待った方がいいのか、最初からぶっこんだほうがいいのか、割合で行くと相手が受動型だと思うと自分が動く、主導権を握りたい人だと相手の出方を見てから動く、乗ることも乗せることもできるから一見相手のペースに巻き込まれていると見えても実は彼の掌の上で踊らされていることに気付く。協力エチュードでゲストがぐったりしてしまう理由がこれなんですよね。吉野さんの行動には理由が存在する。彼の発する「何も考えてない」と言うのは後日談を聞くと(ラジオで割と話してくれる)嘘であるとわかり、その時初めてかれの恐ろしさに気付き打ち震えるというところまでがセットなんです。昨日の昼公演での感想で「怖かった」とつぶやいていた人がいて「おお、私と同じ!」って心の中で握手しました。

ファンの欲目かもしれない、でもそうなんですよ吉野裕行は怖いんです。

その化け物ともいえる彼と対峙した鈴村さんはまるでコンピューターのように瞬時に受け止めそれに見合った展開を構築していく、知識と語彙の豊富さと経験でストーリーの主導権を握ろうとする。こちらもすごい。あの柔和な顔の内側で緻密な計算をする冷静な裏顔があり、それを表に見せないこちらも最強。二人の会話は台本がないはずなのに自然で私は途中から一つのストレートプレイを見てるような気さえしました。二人の演技にのめりこんでは時折出す紙に現実に戻されたりもう大変。欲を言えばあの紙を出す演出はいらなかったなあ。もちろんあれがあるから笑いに持っていけるし演者によっては助けにもあると思うけど、この二人には必要なかったのでは・・せっかく世界に入り込んでいても引き戻されてしまうんだもの。特に吉野さんにはアドリブワードって助けというには枷にかんじてしまってもったいないなと思いました。でも一番笑いがあったのってワードの所だしなあ。複雑です。

やっぱ笑い重視なんですかね。鈴村さんはのあるワードが受けていたけど私はあれ興ざめでした。役者のプライベートを想像させるワードなんて所詮内輪受け、ファンの悪ノリが痛かったです。吉野さんも「ハロプロ」とか出たらどうしようかと心配したけどなくてよかった。

とりあえず夜公演は見てないのでブルーレイをポチりました。コメンタリーもあるみたいで楽しみだ。
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1993年とその25年前

2018-07-17 00:19:12 | ドラマ・演劇感想
ナイロン100℃「睾丸」観てきました。

「百年の秘密」が女二人の物語ならこちらは男二人、しかも劇団きっての自由人コンビの三宅、みのすけ主演とくれば見に行かない訳はない!ってことで池袋東京芸術劇場シアターウエストに来場。

まだ公演は続くのでネタばれは避けますが、25周年公演だけに舞台設定は1993年とその25年前の1968年、後者はある意味超有名な年代ですよね。

しかし私は映像や資料でしかその頃の出来事は知らないので劇中の過去のシーンは共感出来なかった。あの頃の若者は元気だったんだなーってくらい、流石に1993年はいろいろ思うところはあったけどね。平成生まれには理解出来ないだろうな。

まあストーリーはとんでもない台詞を笑って流すは、恐ろしい行動を笑い飛ばすはでいつものナイロンでした。違うのはオープニングが無音だったくらいかな、後BGMがガチャガチャしてて時計の音と共にちょっと寒気がしたなあ。昔の白黒の特撮みたいな音楽で怖かった怪奇大作戦思いだしたわ。(リアル世代ではない念の為)

ラストは物議を醸しそうだけど、ナイロンはいつも悪を逃がしはしないからまあこうなるなと驚きはしなかった。(ついでに一見普通の人が巻き込まれるのもお約束)ケラさんの思想がそうなのか必殺仕事人が好きなのか悪い人は最後に痛い目に合うんだよね。でも実行犯に意外性が全くなくて、そこが残念だった。

見てるこっちが悪が成敗されていい気味だって思いつつも、よくよく考えれば詐欺で普通に捕まれば言い訳だから、あのラストって被害者は自滅だし、あの人は自ら巻き込まれたし容赦ないなって思った。最終的にどうもすっきりしなくてあのラストは必要だったのかと疑問に思った。

あのクズ男こそ「キン○○就いてんのか!」ってどなりたくなる最もたる人物なのでそれこそ阿部定事件じゃないけどアソコ切られて痛い目に合えばいいのにって思うよ。あんな男のために手を汚すなんてもったいない。

もう一回くらい見たいけど当日券も競争率が高くて無理かな。一つ気になる個所があって確かめたいんだけどDVDを待つしかないか。

役者陣は三宅さんは言わずもがな、みのすけさんが光ってました。あの人なんであんなに不気味で面白いの?やっぱみのすけは唯一無二だわ。
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朗読劇「カナタ」に行ってきました。2(かなり壊れてます、注意)

2018-06-01 15:34:23 | ドラマ・演劇感想
カナタ感想の続きです。

実はオリジナルの朗読劇はこれが初めて。藤木君のはテレビで見たことあったけど、生はなかったのでどんな空間なのかなー?物音一つない閉塞感だったら辛いなーと多少びびっていたのですが、静かは静かでも息が詰まるというより上品な静寂といった感じピアノの音も相まって癒されました。そういえば演劇とかでいつもある「開演前の諸注意」ってあったっけ?いきなり始まった記憶がある。



トップバッターは吉野さん、ここが現在として見ると、次が彼女の過去、そして最後がその後・・うん未来と書くよりしっくりくるな。

簡単にいえば大人の男、まあズルイ男です。でもこういうタイプってモテるだろうな。

彼は現在年下の女性と婚約寸前のお付き合いにまで発展していて、幸せいっぱいのはず・・なのにどこか満たされない不安があるこれは何故なのか?
上司と部下で知り合ってお互い同郷だと知ってから共通の話題で打ち解けてある日一線を越えて恋人同士になった。でも最後は別れてしまう。彼が彼女を振るんだけど理由を彼女に言わないんだよ。自分の中で生まれた疑問を自己解決してる、ここがずるい。でも答えられないだろうなとは思う。だって彼女は何にも悪くないから。二人は彼女の相手への羨望と尊敬で始まっているから、彼が何を言っても彼女は従ってしまう。彼女が謝るたびに自分が彼女と対等ではないことに気付かされる。

こういう関係って年の差の男女でよくあるけど、女性側が従順でも実は裏で男性を手の平で転がしてるようなタイプだと上手くいくけど、彼女は純粋に相手を尊敬しているだけだから彼の中で不満が溜まっていったんだろう。恐らくこの人は相手とは対等な関係でいたい人だと思うから。

どんなに好きでも彼女は俺の前では本当の自分をださない、彼女のその気持ちは愛ではなく尊敬だって分かった時、彼は別れを決心する。同僚の言葉がキーポイントっていうのがアレだけど、他者の視点が確信をつく事って多いよね。

彼は振る立場でまあ悪者側っていえばそうだけど、彼視点で聞くと身を引いたとも思わされて上手いなーずるいなーって感じた。反面、臆病というか彼女の内面に切り込まなかった小心者でもあるけど、彼女には他にふさわしい相手がいるはずって去ってくのはラブレボの須賀ちゃんを彷彿とさせたわ。あっちは仕事と恋の両立の問題でしたが。


で、そんなずるくもかっこいい上司を演じた吉野さん。

淡々と語りながらも表情や仕草が色気たっぷりで、朗読というより演劇みたいでした。

一人で語るといえば乙女向けのシチュエーションCDが当てはまるけど、あれは彼女の台詞が一切なくて語りかけだけなんだよね。カナタは会話があって、それも語り手が演じる。なので男性が女性言葉を話すわけです。

「月曜日からどうしようか」

「彼氏が出来ましたって言っていいですか」

この二人の会話を一人で話すんですよ。想像するとすごくシュール、でもこれを自然に聞かせるのが腕の見せ所、極端に声を変えても駄目だし、男性と同じトーンでやっても駄目。ここが三人三様で面白かったです。

吉野さんの彼女は・・・しおらしい吉江さんでした声のトーンが(キラカン総務部)

いやほんとに目を閉じるとそこに吉野秘書と吉江さんがいるっって思ったくらい、馬鹿にしてるわけではなく本当に可愛らしい女性でした。「パンナコッタ・・」をあれだけ控えめに可愛く言う女性を私は知らない(萌)吉野裕行恐るべしその1

そしてそしてエロシーン(情緒も何もない言い方だなおい)一応大人なので顔は平静を保ってましたけど心の中のウッチャン鼓笛隊は大騒ぎでしたよ。嫌~って赤面状態でした。

見に行った方はご存じでしょうが、手を使うのは反則でしょう!何あの表現、何あの触り方、あれただの段差だよね、おかしいぞ幻覚が見える,腿が見えるよ。吉野裕行恐るべしその2
もうあのシーンがエロくて色っぽくて大人の男ずるいわーってなりました。その後合体シーン(また情緒もなにもない)もあったけどスルーしていきましたから、そのくらいあのシーンはやばい、あれ見ただけで何人の女性ホルモンが活性化されたか、エクオール飲むより絶対いいと思う。ホルモン産生されるよ。私あそこだけでチケット代元取りましたから、見にいってよかった。

ちょっといい加減気持ち悪い人になってきたんで(元からだろ)どんなシーンか気になる方はぜひツイッターで「カナタ」の感想を検索してください。吉野ファンで忠実に再現絵をアップしてる方いるんで。

何か朗読の感想というより別の感想になってるけどいいんです。吉野さんの朗読が素晴らしいのは他で語り尽くされているんで、私はもうビジュアルもいいって何て素晴らしいんだブラボーって感動しました。まあ最後は羽多野さんの「カーテンコール」がすべて持ってったけど(腹よじれた)

後二人分あるのに一人目でエネルギー使いすぎた。残りは後日(続くか不安)
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