私のエレカシのハマり方は全然別界隈で、元々は推し声優が演じたゲームキャラ(歴史人物)と似た雰囲気の人が獣行く細道のMVに出てるよって事から始まった。
エレファントカシマシの名前は知っていて今宵の月のようにも聞いたことがあった。
2017年の紅白でウッチャンを困らせた人だよなーってその印象が強かった。
だから歌は真剣に聞いていなかった。
でも獣行くの歌や映像に衝撃を受けて2018年の紅白で生歌のうまさに驚愕した。その中の誰よりも強くて上手かった。刀剣乱舞の若手俳優なんか薙ぎ倒すくらい存在感が半端なかった。
その後はひたすら検索しまくってエレカシを聞きまくった。その時はニコ動が重宝したな。実はYouTubeはまだ私はそんなに見ていなかった。獣行くで見たくらいで動画とかもっぱらニコ動の方だったのだ。
そんなこんなで年が明けてエレカシのライブを見てみたいなと思うようになる。
調べたら新春ライブというものを二日間武道館でやるらしい。何か当日券があり公休日でもあった。しかし東京は遠い、今では考えられないくらい慎重だった。
結局生は諦めたが、WOWさんで生中継をやると知り喜んだ。公休日でしかも長年舞台放映の為に入会していた高額チャンネルがここで功を奏すなんて思わなかった。
そしてライブ当日、黒スーツのスレンダーな宮本さんは最高にかっこいい。この人50代だよね、スタイル良すぎないかって多分この時点で私の心を掴んでたんだろう。
そして
何て歌が上手いんだ!
こうオペラ歌手とか声楽家とかミュージカル俳優とかではない上手さというか歌声とこの人が一体感をもってステージすべてを掌握している。
そしてあの瞬間だ。
2曲目の「wake up」の間奏からの咆哮だ。うおおおおおおおあおおおーの叫び
私はあの時に一緒に引き摺り込まれていったエレカシの沼に。
沼に引き摺り込まれたそこは夢のような世界だった。
エレカシの世界観は異世界のようだった。
沼の中は4層になっていた。
澄んでいて可愛い魚達が漂うポニーキャニオン期
少し青みがかって魚以外の生物も行き来するユニバーサル期
水が泡立ちどこか危険な感じがしてさらわれそうな東芝EMI期
漆黒の闇の中に一匹のチョウチンアンコウが鎮座するエピック期
そのどれもに外へ続く穴があり出入り自由で四つの層はグネグネと安定しない。
私のその時の気分によってその中を自由に行き来した。
今日は偶成を聞きたいな
叫びたい気分だから我が祈りかな?
悲しみの果てで浸りたいな。
クレッシェンドデミネンドもいいなあ
新参者だった私は今年の一月で丸5年になった。
この五年間いい思いも嫌な思いもたくさんした。ファンである事に疲れたこともあった。特に2020年以降はコロナや新たな推しとの悲しみもあって沈むことも多かった。
今ようやくエンタメは復活の兆しを見せている。先月の大阪ファイナルでは初めて声を出した。
嬉しかった、思いを伝えられることが単純に嬉しかった。
ライブに行って思った。心から響くと人は動くし動きたくなる。手拍子も振りも義務付けられると楽しくない。おざなりでやりたくない。
歌声が心と連動して自分も表現したくなる感じ、誰に命令されるわけでもなく響くってこういうことなんだなと実感した。
春馬君がブロードウェイのスタッフから聞いた言葉を思い出した。
「抑えきれない感情があるから体が動いていってダンスに繋がってそれでも事足りないから歌い出すんだよ。それが上手く連結された時に人は感動を覚えるんだ」
宮本さんの歌ってまさにこれだなって思った。
彼の歌には感動があるんだよ。
正直ソロやエレカシの混同とファン同士の諍いで疲れた時もあった今もそう。
でもこうやって原点を振り返ったら私は自分でエレカシを好きになってこうしてライブに足を運んでいるんだと気付いて周りがぐちゃぐちゃ言ってるのなんてどうでも良くなった。
誰かの好きは誰かの嫌い
誰かの興味は誰かの無関心
何を言われようと自分が好きであればいいよね。
他人の言葉でいちいち傷ついてる時間があれば推しの言葉を歌を聞く。
時間は無限じゃないからどうでもいいことはバッサリ捨てる。
誰かのために生きてるんじゃない
自分のために生きてんだ。
とクサイことを叫んでこの駄文を終える。