U-nektに「陽はまた昇る」があったので視聴中
やっぱ奥さんの話は蛇足だよなー。主人公が教官なのは別にいいけど9話しかないんだからもっと生徒達をクローズアップしてほしかった。
何ていうか教官との関係はともかく生徒と奥さんは関りがないから、いきなり話の途中で差し込まれると話が分断されて冷めてしまう。
生徒達と奥さん側の関係が希薄だからそこだけ浮いてしまうし、安西が生徒を人質にして立てこもっても単なる身勝手な奴としか思えないし演技が迫真であればあるほど視聴者(私)の気持ちはどんどん離れていった。もったいない作品だったと思う。
とはいえ春馬君ファン的にはやんちゃで軽くてでも根は真面目な宮田君のキャラは好きだ。
8話の涙を流すシーンとかいい。この子の涙って綺麗なんだよね、ここぞという所でポロって流れるの。この時も安西にキツイ事言われて悔しくて涙をこぼすんだけど、たぶん相手の役者と共鳴しているのかな?彼の言葉を宮田として受け取って打ちのめされて出た涙だから嘘っぽさがない。
近年歴史ものや、バックボーンのある役が多かったからすごく勉強してストイックに役の本質を追い求めていた印象なので技巧派とみられがちだけど、それは恐らく役者として次のステップに進んだだけであって本質は感性の芝居だと思う。
相手の感情を受け止めて返すキャッチボールのような演技って限界がある。若い時は自分と同年代の役とか過去に自分が経験してきたような役だとそれが生きていわゆる「自然な演技」として賞賛される。
ただ、年を重ねると自分の年齢より年上の役や、歴史の人物や様々な職業の役を演じるようになるから感情だけの芝居は通用しなくなる。知識や技術、話し方だって変わってくるし、体の使い方も違う。
感性で演じた人達がぶつかる壁だ。それでも以前は20代後半くらいまでは若手って恋愛ドラマや学園ドラマで生き生きと感情をぶつけあってたけど、今は生き残りが難しくてかなり若い子でも技術が必要な作品にどんどん出ている。
春馬君はすごく早い時期から悩んで演技をシフトしたんじゃないだろうか?そんな現場にも生きられるように意図的に技術を磨く方にストイックになっていた気がする。だけど、高まった演技の技術の中でも時折根っこである感性のお芝居が見えてそこがふと現れた時に彼はすごい輝きを見せるんだなって思った。
この先彼が生きていたら新たな進化を見せてくれただろうなと思うと残念で仕方がないけど、「カネ恋」の三話の雨のシーンの涙で彼の従来の感性の芝居のキャッチボールが見れて本当に良かった。あのシーンを「本気で泣いていた、あれは演技じゃない」なんてほざく奴らには「役者三浦春馬の価値」なんて永遠に分からないよ。女優さんもすごかったけど、その演技を春馬君がまっすぐ受け取って共鳴した最高のキャッチボールだった。成長していろいろ経験して確かな技術もものにして実力派役者になった上であの感性の芝居。
最後に何て贅沢な物をみせてもらったんだと私は感謝しかない。
これから彼の作品を見る人も感じて欲しいな。
彼は本当に素晴らしい役者だよ。