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京都工芸繊維大学 近代建築

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写真は、3号館1階奥の会議室。

北山通の松ヶ崎にある京都工芸繊維大学には登録有形文化財に指定されている建物が複数あり、また元は何有荘にあった洋館の和楽庵も移築されています。

アクセス
地下鉄烏丸線の松ヶ崎駅で下車し、1番出口から地上に出ます。
地上に出て北山通を右に直進します。
約420m進んだ3つ目の信号を右折します。
さらに約100m進んだ細い交差点を右に入った先の右手に工芸会館があります。
この工芸会館の右にヴォーリス設計のKIT俱楽部(登録有形文化財)があります。
元の道に戻り、さらに約110m進んだ右手に中央門があるので、これを入ります。
入ってすぐ左手にプラザKITがあり、これが元自動車庫(登録有形文化財)。
さらに左手に進むと、左手前方に和楽庵、さらに先の右手の校舎が現3号館の本館及び講堂(登録有形文化財)、
さらに先を進んだ左手の門が東門(元正門)と門衛所(共に登録有形文化財)、右手奥に倉庫(登録有形文化財)があります。

京都工芸繊維大学は元々京大の西部講堂辺りにありましたが、拡幅も含めて1930年(昭和5年)に松ヶ崎へ移転しています。
上記登録有形文化財はその際に本野精吾の設計で建てられました。
ただしKIT俱楽部は別で、工繊大移転前年の1929年に京大医学部の舟岡省吾教授の木造2階建ての住宅として建てられました。
それが後に工繊大の所管になりました。

いずれも通常は外観しか観られませんが、2023/11/14、11/16、11/30の13:30~15:00に
学長の肝いりで無料の京都工芸繊維大学見学会が実施され内部を拝観出来ました。
各回定員は20名でした。

和楽庵
大正5年(1916)、武田五一の設計。
外観は元々ドイツ壁仕上げの洋館でしたが、2階の窓の下には蟇股の意匠があったり、壁面の木板には斜線のなぐりが施されており和洋折衷です。
玄関を入ると左正面に階段、右手に廊下があります。
また玄関左手の窓には桜のステンドグラスがありました。
廊下を進んだ右手の最初の部屋が旧食堂です。
右手奥はサンルームで、中央の部屋の側面上方には三十六詩仙の板絵があります。
廊下奥の隣の部屋が旧応接間で、旧食堂との中の扉でつながっています。
こちらにも桜のステンドグラスがありました。
2階へ上がります。
2階は元の姿ではなく、仕切りを外してワンフロアになっています。
使い勝手を優先されたそうです。
部屋の中央の屋根板は意図的に外してあり、太い梁が見えるようになっていました。

3号館
本野精吾の設計で、鉄筋コンクリート造3階建でスクラッチタイル貼り。
左右の面は水平に連続する張り出したガラス窓になっています。
中に入ると正面に左右対称の石造りの中央階段があり、その奥は本来講堂でしたが、今は改修され教室になっています。
廊下の左手奥の部屋は階段教室で、右手奥の部屋は会議室です。
会議室は天井が高く大きな枠の格天井で、木の背板。
当時の雰囲気が残っており、名前は出されませんが映画の撮影でもよく使われるそうです。

KIT倶楽部
ヴォーリズ設計の木造2階建ての住宅。
現在は厚生施設として使われています。
アーリー・コロニアル・スタイルと称される急こう配の屋根と煙突が特徴です。
玄関を入ると真っ直ぐに廊下。
左手には90度回転する階段があり、上の袖壁が半円です。
廊下の右手すぐが応接間で、暖炉や窓際に造り付けのソファーがありました。
表の廊下と、奥の縁伝いで隣の6畳の和室に続きます。
床の間と床脇がありますが、外国人設計のためか床脇の地袋が非常に高いです。
さらに奥には板の間のサンルームの様な部屋がありました。
2階に上がります。
2階に上がった右手はベッドルーム。
左手は屋根裏部屋で天井も台形。
ロフト部屋の様な収納も上にありました。

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