映画「野火」

2015年09月23日 00時05分00秒 | 沖縄の生活



第二次世界大戦のフィリピン戦線における日本軍の苦しい戦いを描いた大岡昌平の小説「野火」の映画化。

50年前に、市川崑監督が先に映画化(モノクロ)しているが、塚本晋也監督がカラーで挑戦した。

塚本監督が、構想から20数年。戦争体験者が亡くなる前に作品にしたいと考え、戦後70年目の2015年に公開。

主人公の田村一等兵を塚本監督が自ら演じた。

脇には、リーリー・フランキー、中村達也、森優作が固める。

戦争の「悲惨さ」の他に「むなしさ」や「人間の極限状態」をこれでもか描く・・・。

カラー作品で、戦争を描くには、作品力が不可欠。

その意味でも、「市川崑作品」に劣らない作品だ。

塚本晋也監督作品、『鉄男』(1989年ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞)『ヒルコ/妖怪ハンター』(1991年)『バレット・バレエ』(1999年)『双生児-GEMINI-』(1999年)『六月の蛇』(2003年ヴェネツィア国際映画祭コントロコレンテ部門審査員特別賞)『ヴィタール』(2004年)『悪夢探偵』(2007年)自ら製作から監督、脚本、撮影、美術、編集、主演までこなし、そこから生まれる映像には、クエンティン・タランティーノ、ジェームズ・ワン&リー・ワネル、ギャスパー・ノエ、ダーレン・アロノフスキーなど、世界の映像作家が塚本フリークを公言している。

【評価】★★★★