「ハイサイプロジェクト」

2013年11月15日 00時05分00秒 | 沖縄の生活

▲<ハンフレット表紙>

11月14日、沖縄県立博物館で、沖縄県中小企業団体中央会主催の「ハイサイプロジェクト」【就職考】があった。※これは、平成24年全国中小企業団体補助「地域中小企業人材確保・定着支援事業」です。

今日の「パネルディスカッション」のテーマは、就活生の保護者・大学の教職員・自治体や労働局等、行政関係者向けに沖縄の学生就職現状と、これからのあるべき姿・なすべき事を考える事。


▲<パンフレットに掲載されていた「沖縄県の現状」>


▲<「沖縄県の労働市場の課題」と「課題解決方法」>

司会者の原正紀(㈱クオリテイ・オブライフ代表)さんから、「沖縄県の就職実態データー」が示された。
(1) 就職内定率 沖縄65.4%(全国93.9%)
(2) 3年以内離職率 1年目26.2%(全国14.3%)、2年目39.9%(24.1%)、3年目45.9%(29.5%)
(3) 無業者(大卒) 29%(全国15.5%)

パネラーは、高橋俊介(慶応大学)、宮城=内海えみこ(琉球大学)、前泊博盛(沖縄国際大学)<敬称略>。

(内海)琉球大学の卒業生は、公務員志向が強い。それも国家公務員ではなく、沖縄県や市町村希望が多い(家を出たくない・父母も出したくない)。
(高橋)沖縄の離職率が全国平均より16%多いのは、大手メーカーが無い事が最大の要因。メーカーは、入社後の教育を徹底的に施すが、中小企業が大半の「サービス業界」は、メーカーに比べて社員教育が出来ていない企業が圧倒的に多い。沖縄が、サービス業界率が一番多い県なので、日本の雇用問題を先行している。入社3年以内に「適職感」と「自己肯定感」を認識するのが一番重要だ。【働き甲斐】を感じられる「人材教育熱心企業」を沖縄にたくさん創りたい。
(前泊)沖縄の「非正規雇用者率」70%。沖縄県中小企業同友会(1,000社)の新卒採用数は100名。沖縄県企業の従業員5名以内は80%、10名以内90%だ(零細企業が殆ど)。沖縄県就業者年収は、平均200万円。最高の建設業でも300万円。一番就業者が多い宿泊業は、100万円。これでは、3年以上働けない。それに加え、労働時間も全国平均より18時間多い。生涯賃金は、全国平均に比べて1億円少ない!(3億円vs2億円)。これは、定年後の年金額に連動する(最高の山口県の42位万円に比べて25万円少ない17万円)。今後、沖縄では「6次産業」に期待したい。
(内海)沖縄の優位性は「海の広さ」。「水産業」に期待している(中国に、魚を売りに行こう!)。
(高橋)父母は、子供の就活に囁かないで欲しい。家庭や教育機関も目標(就職先)を急いで決めさせるな!もっと学生に「内省」させよ!
(内海)大学が全入時代になっている時、受験競争させる弊害あり。地域活動の時間を与え「社会接点」を増やし、社会を学ばせよ。海外にも、もっと目を向けさせよ。家庭では、親は家計を話し、親の苦労話をしろ(それを知らない子供が「ボンボン・お嬢さん化」して、就活にマイナスになっている)。

パネラーは、すべて大学教授だった。民間企業での人材育成成功例の話も欲しかった。